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一期一会

宛もなく歩いた


行き先があった訳ではない


ただ歩いていた


生きる意味が分からず


生きる価値が分からず


生きる必要性が分からず



宛もなく歩いた


行き先があった訳ではない


ただ歩いていた


死の意味が分からず


死の価値が分からず


死の必要性が分からず



そこで出会った


一人の男に出会った


彼はただの浮浪者だった


生きる意味が分からない


生きる価値が分からない


生きる必要性が分からない


その言葉に彼は


生きるという事を教えてくれた



また歩き始めた


帰る場所へと歩き始めた


道も分からなかったがひたすら歩いた


生きる意味も


生きる価値も


生きる必要性も


死ぬ意味も


死ぬ価値も


死ぬ必要性も


何もかも分からなかったが


涙が溢れて止まらなかった



生きていれば


生きていればこそ


そう教えられた


金も家もない浮浪者に


だからもう少し


生きてみようと思う


誰の為でもなく自分の為に



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