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追放ガチャ 只今、神界配信中! ~神々の賭けで弾かれ続ける俺は、追放ポイントで世界をぶっ壊す~  作者: 雪ノ瞬キ


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35話

「使うかどうか、じゃない」

「いつ、使うかだ」


 俺はもう精神の種を“道具”として扱っている。

 正しいと判断しているつもりだ。


 殴るより速い。


 無傷で倒せる。


 何よりもミレーヌやエラが傷つかない。


 俺が傷つくのはいくらでもいい。

 でも、あいつ等だけはそうであってほしくない。


 だから、俺は――

 “使い続ける”と強く思った。


 その時。


 まただ。

 終わったと思っていた。


 だが、違う。

 

 神々はまだ楽しみ足りないらしい。

 俺はまだヤツらの玩具で賭博対象だ。


 ログ。

【リクエスト開示:06】

【備考:契約外タスク】

【理由:観測継続】


【内容:反抗勢力の指導者を無力化せよ】

【対象:反抗勢力の中心人物】

【条件:殺害禁止】

【制限時間:あり】


 ミレーヌがすぐに反応した。


「彼らは、もう娯楽として見逃すつもりは無いみたいね」


 エラもニヤリとする。


「これって報酬どうなのかな? 

ペナルティーも報酬も無ければ放置でいいんじゃない? あはっ♡」


 俺は、今回だけはやり遂げるつもりだ。

 仮に無報酬なら、次回は無視。

 そう考えている時点で、もう答えは決まっていた気がする。


『なあ、アイラ。対象者の事しらべられるか?』


『大丈夫よ。そういうと思ったからすぐに調べたわ』


『どんなヤツだ?』


『街の元役人ね。汚職を告発しようとして追われている。どこにでもある話よ』

『あと、武装はしているけど、守るため のものね』


『そうか、助かる』


『もっと頼っていいのよ?』


 俺はミレーヌとエラに共有した。


「アイラが調べてくれた。元役人で汚職の告発だ。武装中」


 ミレーヌが言う。


「……その人」

「悪党、とは言えないわ」


 すでに勝手なカウントダウンが始まりやがった。

 なんて身勝手な連中なんだろうな。


 すでに舞台へと俺たちは足を踏み入れていた。

 ほんと神々に誘導されてここまできた感じだ。

 しかも今は、とても危うい状態だ。


 時間制限が迫る。

 周囲には一般人。


 該者は、アイラが指し示す。


『クロ―あれよ。中年小太り禿頭。でも背は非常に高い目立つ人物』


「皆きいてくれ。該者は、中年小太り禿頭の巨漢だ」


 ミレーヌは慎重だった。


「あの状態は一体どういう状況なのかしらね?」


 エラはおかしそうだ。


「隠れてないで表で堂々としている所がいいわ。周りが守護しているのもいい」


 そう、守ろうとしている。

 指導者を皆が率先して守っている。

 対するのは憲兵だろうか。


 わからん。


 両者とも数十以上のにらみ合いだ。

 ただの小競り合いで終わるわけがない。

 彼らの正義は正しいのかもしれない。


 でも、


 動けば混乱が起きる。


 一人止めれば、全部終わる。


 ――そして、


「やる気、追放」


 対象は無抵抗になる。

 遠目からでもはっきりとわかる。

 口を大きくあけ、呆然と立ち尽くしている。


 混乱は回避。

 被害ゼロ。


 これがクエスト成功のようだ。


 ログ。

【リクエスト06:達成】

【評価:非常に高】


 ミレーヌは、初めてはっきり言う。


「……クロ―」

「その人」

「悪党じゃない」


 アイラは静かに言った。


『選ばれたのは』

『一番、処理しやすい人だったわね』


 正しかった。


 成功した。


 誰も死んでいない。


 ……なのに


 なんで


 胸が、詰まる?


 ……。


 俺は曖昧なままで使うのはダメだと思った。

 だから、初めて俺ルールを作る。

 迷わないために使うんじゃない。

 楽だから使うんでもない。


 この力を――


 誰に向けるかを、

 決めないといけない。

 悪党にだけだ。


 俺が――


「こいつは悪だ」と、


 言い切れる奴だけに。


 ログは再び表示される。

【精神の種:使用制限ルール設定(自己定義)】


 俺のルールか。

 自分の利益のために、

 他人を利用し、

 それを悪いと理解した上で

 やめる意思がない者。


 短くすると、


「分かっててやってる奴」


 ……完璧な基準じゃない。

 だが、今の俺にはこれしかない。


 待てよ。

 俺は今、異常な力に気が付きここまでの結論に来た。

 それよりも強い力を持つ似たような境遇の“勇者”たちはどうなんだ?

 あいつ等は、自分ルールで力を古い傍若無人にふるまう奴等もいるという。

 もちろんそうでない奴等もいる。


 そこまで自己管理の出来ている奴等なのだろうか。


 アイラは俺のこの思考を読み取ったのか、突然念話を送ってきた。


『いい視点ね』

『少なくとも、私が見てきた勇者たちは』

『だいたい幼くて、扱いが荒かったわ』

『だから、管理されていることが多いだけ』


 そうなのか?

 俺たちも常に死が付きまとう気がするが。

 まあ、比較対象はあくまでも参考程度だろう。

 結局は俺がどうするかだけだ。


 ミレーヌは諭すように俺に言う。

 

「知らなかった人」

「選ばされていた人」

「逃げ場がなかった人」


「それは――」


「止めるべき対象じゃない」


 エラはまた別の視点で言った。

 

「でもさ」

「壊した方が楽だよ?」

「クロ―が疲れないし」


 俺はその言葉に揺れる。


 精神追放は使える。

 使用頻度は減らない。

 使用対象が明確化される。

 俺は「自分で選んでいる」と自覚しているつもりだ。


 ……そう思いたかった。

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