表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放ガチャ 只今、神界配信中! ~神々の賭けで弾かれ続ける俺は、追放ポイントで世界をぶっ壊す~  作者: 雪ノ瞬キ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/36

31話

「……慣れた、とは違う」

「使い方が分かっただけだ」


 俺は疲れているわけじゃない。

 むしろ頭が冴えている。

 精神の種 Lv2 を“道具”として使っていく。


 正しい相手を、正しい方法で壊す。

 それを意識し始めた。


 ログが視界に割り込む。


【リクエスト開示:03】

【要求者:投資神】

【内容:指定区域の敵性組織を排除せよ】

【条件:一般人被害ゼロ】

【補足:対象は犯罪組織と定義される】


 “犯罪者”という“正義タグ”が付与されている。


「なあ、俺は正義マンじゃないぜ?」


 ミレーヌは少し笑う。


「ええ、あなたが正義なんて一度も思わないわ」

「でもね……分かりやすくしてきたわね」

「“悪い相手だから壊していい”って」

エラは素直に言ってくる。


「いいじゃん」

「今回は迷わなくて済むよ」


 まあ確かに迷いという点ではそうだ。

 魔獣ですら、少し迷ったからな。

 それが“正しい”という“選択”だとしてもだ。


「このダンジョンから出れるってことだよな」


「そうね。そうしないと出来ないわ」


「やったね。やっと出られる」


 目の前の空間に扉が現れる。

 もしや――


「出口? いや、その場所への誘導じゃねぇか」


 ミレーヌは慎重にうなずく。


「私もそんな気がします。うますぎますし」


 エラは変わらずあっけらかんとして言った。


「いいじゃん。利用できる物は利用しなくっちゃ」


 どちらにせよ、俺たちの選択肢は一つしかない。

 背後にあった空間はもうない。

 今あるのは目の前の扉だけだ。


 マジでクソな神だぜ。


 今までは魔獣だった。

 だが今回は違う。


 相手は人間。

 しかもこの腕なら、殴れば殺せる。

 だが条件は“一般人被害ゼロ”


 そもそもどう見分けるんだ?

 殴り以外はミレーヌしかいない。

 魔法だと巻き込むリスクがある。

 エラはおれと同じく物理殴りだ。

 となると……


 やはり、精神追放が“最適解”になるか。

 静かで速く、しかも確実だ。


 俺は二人を見て言う。


「俺の覚悟と選択だ。出た瞬間が戦場なら迷いなくヤル」

「二人は可能な限り足止めを頼む」

「やりすぎたら、それはその時さ」


「シンプルね。わかったわ善処する」


「あたしだと頭以外を狙えばだいじょうぶだね。あはッ♡」


 いや待て、エラよ。

 お前良からぬことを……まあ、今はいい。

 そいつで金的は反則技だからな?


「よし、行くぜ!」


 俺は扉を押し込んだ。

 目の前に開けた視界は、分かりやすい絵図だった。

 場所はどこかの洞窟のアジト。


 捕らわれた一般人といかにも悪党な奴ら。

 洞窟前の開けた場所で一般人は、檻に入れられている。


「ぶにー」


 ひょっこり肩に乗るとすぐにまたフードの中に隠れてしまう。

 一瞬でも癒される。


 俺たちが踏み出した瞬間、一斉に視線が集まる。


「さあ、始まりだ」

「やる気、追放!」

「追放!」

「追放!」


 派手さはない。

 ただ、一人ずつ“切断”する感覚だ。


 声が消える。

 怒りが抜ける。

 武器を落とす。

 逃げない。


 奴らは視点の定まらなく、口を開けたままだ。

 ぼんやり立ち尽くす状態をエラは面白がっていた。

 人差し指でつつくと、仰向けに倒れてしまう。


 何も起きない。

 倒れたままだ。

 起き上がるやる気すらない。


「エラ、ミレーヌ。捕らわれ人を解放してやってくれ」


「わかったわ」


「クロ―気を付けてね? やりすぎにね?」


 俺は二手にわかれた。

 洞窟の入り口にいた奴等はすでに呆然としている。

 追放ずみだ。


 通路は幅広く、馬車が二台並列で走れるほどの幅を持つ。

 始めの部屋は左側だ。

 何やら騒がしいのはたまり場の様子。


 そままやりすごし、奥へとすすむ。次は右手が倉庫部屋のようだ。

 さらに奥へいくと行き止まりで左右に部屋がある。


 右側は鍵のある部屋で閉まっている。

 左側はどうやら頭の部屋のようだ。


 中には一人だけ。

 俺が出入口の前で向き合う。


「なんだぁ? お前――」


「やる気、追放」


 そのまま口を開けた状態。

 目はどこを見ているかわからない。


 他に誰もいないことを確認して、先の部屋にもどる。


 変わらず、飲んで喰ってと盛況の様子。


「さて、やるか」

「やる気、追放!」

「追放!」


 次々と飲んでいた酒瓶を落とし、そのまま微動だにしなくなる。

 ざっと見て二、三十はいただろう。


 これで終わりだ。

 だが、気になる部屋がある。


 鍵の閉まった部屋を叩き割る。

 ガシュッ!


 木製の分厚い扉でも右腕なら容易に壊せた。


「なんだよこれ?」


 大量の鳥かごがあり、中にいるのはほとんどが動かない。


「死んでいるのか?」


 去ろうとしたとの時、ブニ―が俺の頭に駆けあがる。


「ブニ―」


 なんだ?

 お前何か見つけたのか?


 ブニーが鳴く方向に目を向けると、わずかに淡く光るか籠があった。

 近寄り見ると、ブニーほどの大きさの羽の生えた人型。


「妖精なのか?」


 黒いワンピースに黒い羽。

 黒い髪で、見た目は非常に整った美少女だ。


 籠から出して手のひらに載せる。


「なんだ?」


 一瞬身体の奥から何かを吸われた。

 妙な感覚が残る。


 手のひらの上では虫の息だったものが

 みるみるうちに光輝いていく。


 俺何かを吸われているのか?


 まあいい。

 どういうわけか、このままにしておけなかった。

 首からいつもつるしているブニ―用の袋に入れる。


 俺は、その場を去った。


 エラもミレーヌも一般人の解放が無事完了した様子。


「クロ―! おわったよー」


「ああ、こっちもだ!」


 俺はエラとミレーヌたちへ合流する。

 胸元に新たな者を載せて。


 犯罪組織は、壊滅。

 死者はゼロ。

 一般人は多分、無傷。


 ログが表示された。


【リクエスト03:達成】

【被害率:0.00%】

【評価:非常に高】


 ……。

 

「……正しい」

「誰も傷ついてない」


 そう思えたこと自体が、

 たぶん一番おかしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ