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追放ガチャ 只今、神界配信中! ~神々の賭けで弾かれ続ける俺は、追放ポイントで世界をぶっ壊す~  作者: 雪ノ瞬キ


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24/35

24話

◇神界TV


「ゴッズタイム! 今日もやってきました。

莫大な金を手にできるのはどの神か? 

解説兼実況のパニスです。レッツエンジョイ!」


 神々の集まるこの場所では壁面に監視魔眼から投影される。

 野次と罵声のるつぼだ。


 強い臭気を放つ神も多く、

 どう見ても浮浪者の集まりにしか見えない。


 それでも彼らは神という名のギャンブラーだった。

 目が壁面を突き刺す。


「ニョニョを倒しまくり、いよいよ宝物庫を解放しました」

「いや~鍵がないのにあの銃身で破壊するというのが、期待のホープクローですね」


 神々はパニスの見せる数値に釘付けだ。


「今言えますのが、宝物庫クリア、おめでとうございます」

「クリアに賭けた方は今回、儲かりましたか? 鏡に惑わされる方に賭けた方は残念んでしたね」

「ですが――配信は続きます」

 

 神の内の一柱がつぶやく。

 負け越しのせいか酒の進みも早い。


「ここで終わらせたら、賭けが死ぬ」

「“事故”が起きるまで回すのが、配信だろ?」


 まだ熱も冷めやらないこの場は、続けと言わんばかりの熱気に満ち溢れる。

 壁面を見つめていた神の一柱が、眉をひそめた。


「……オッズが、更新されてないぞ」


「は? 黙れよ」

「オッズが止まったら、賭けが“無効”になるだろ」


 一瞬、空気が止まった。


 別の神が酒をあおる。


「今は盛り上がってる時だろ。演出だ、演出」


 眉をひそめた神は、それ以上何も言わなかった。



◇ダンジョン内


 なんだ?

 通路が自動的につながっているのか?


 ふさがっていれば破壊するつもりだ。

 この右腕の銃身は重くて硬い。


 道は続き、円形の広間が広がる。

 まだ、足場は安定している。


 ミレーヌは目を細めた。


「……舞台ね」


 ああ、そうだろうよ。

 あれだけ根こそぎ取ったからな。

 素直に返したら面白くないってヤツか。

 まったくあいつ等ほんと暇だよな。


 歯磨いて、クソして寝ろってんだ。

 何事も無いわけでもなく現れやがった。


 俺は銃身を構えた。


「またか、初めて見るな」


 エラは何か知っているのか?


「あっあれね、打たれ弱いけどほんと数多いんだよ」

「でもね、油断すると重症コースだから気を付けて」


「何がだ?」


「ほら、あの額にあるでしょ。一角にあてられたら、ヤバイよ」

「とにかく早いんだよね」


「俺が突っ込む」


「うん気を付けて」

 

 ミレーヌの方は魔法陣をすでに出現させていた。


「援護するわ」


「ああ、任せた」


 俺の視界の範囲では10匹だ。

 どう見てもウサギにしか見えねぇ。


「まずは片付けるぞ」


「ポム! ポムポム!」


 うさぎもどきがポムポムだと?

 しかもスゲー声が低い。

 ダンディなおっさんが言っているみたいだぜ。


 最初の一匹が突っ込んできた。


「ジェットキック!」


「なんだって!」


 こいつ、しゃべったぞ。

 一瞬で突っ込んできやがった。


 ガキ―ン!


 銃身に体当たりし、角が滑る。

 速いが、読める。


 銃身で横から叩き落とす。


「ジェットキック!」

「ジェットキック!」


 あちらこちらで叫ぶ。

 詠唱型の魔法なのか?


 乱れ撃つように四方八方から突っ込んでくる。

 このままだとじり貧になる。


 グシャッ。


 続けて二匹、三匹。


 範囲を広げるため、体を軸にし回る。


「ベチャ!」

「グチャ!」

 

 次々と粉砕していく。

 十分もかからず、最後の一体が潰れた。


 ……終わり、のはずだった。


 床が鳴る。

 同じ場所から、また影が現れた。


「……増えた?」


 今度は二十。

 さっきより明らかに多い。

 角の軌道が、さっきより“短い距離で届く”。


 ミレーヌは気配に慎重になりながら言う。


「通常なら、再出現は一波だけよ」


 エラはニヤつきながら言う。


「ほらね、サービス回」

「でも、これまだまだ続くよ?」


 また突っ込んでくる。


 もう叫ばせない。

 名前を呼ぶ必要もない。

 ただ、叩き潰す。


 考える暇はない。

 銃身を振り回し、まとめて潰す。


 グシャッ、グシャッ。


 数分で終わった。

 息が、少しだけ乱れている。


【視聴率:上昇】

【追加演出:継続】

「なあ、ミレーヌこれって」


「あなたもそう思った?」


「ああ、俺たち用じゃねぇよな?」


「これは神側のログね、なぜかしら」


 両肩を大きくあげて胸いっぱいに息を吸い、吐き出した。


「これ、帰り道じゃねぇな」


 そう言ったときには、

 もう次の敵が出ていた。


 ……なんだ、終わらない。


 三度、床が震えた。

 今度は三十。


 いや、それ以上いる。


【演出介入:承認】

【敵性存在:追加生成】

【制御レベル:低】

「……今の、ダンジョンのログじゃねぇな」


 ミレーヌは一瞬だけ視線を走らせた。


「神側のログよ」

「本来、私たちには見えないはずの」


 エラが肩をすくめる。


「つまりさ」

「神が直接、手ぇ突っ込んでる」


 ミレーヌは短く頷いた。


「ええ」

「しかも、かなり雑に」


 考えるのをやめた。


 銃身を振る。

 地面が割れる。

 壁が鳴る。


 一体、二体、十体。

 何体倒したか分からない。

 最後の一撃を叩き込んだ瞬間――


【再生成:失敗】

【理由:未取得】


 ……。


 敵が、出てこなかった。


「……止まった?」


 ミレーヌは目を細めてログを見る。


「え、バグった?」


 俺は地面を思いっきり銃身でたたきつけた。

 作られた空間なら、壊れるかもという淡い期待だ。


 その直後、ログが乱れる


【敵性存在:消失】

【――――――――】

【再生成:失敗】

 

 一瞬、静寂。


 ――音が、消えた。


 敵が湧かない。


 ミレーヌは何か一点を集中してみている。


「……おかしい」

「追加されるはずだった」


 エラは珍しく目を見開く。


「え、止まった?」

「珍しいね」


【視聴率:上昇】

【追加演出:未定】


 ログが、途中で止まった。

 ミレーヌが小さく息を吸う。


「……演出が、追いついてない」


 エラは楽しそうに笑った。


「ね、クロ―」

「これ、想定外だよ。アハッ♡」

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