表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放ガチャ 只今、神界配信中! ~神々の賭けで弾かれ続ける俺は、追放ポイントで世界をぶっ壊す~  作者: 雪ノ瞬キ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/26

21話

「エイッ!」


 ドカッ!


 エラは黒い扉を蹴り飛ばした。

 重厚な扉はゆっくりと開く。

 裕に背丈5メートルはくだらねぇ。


 エラは武器を取り出す。

 モーニングスターだ。

 どう見ても凶悪な銀色だ。


「あたし、がんばっちゃう! アハッ♡」


「ほどほどに、な?」


「うん♡」


 なんだ? 俺。毎回このくだり繰り返してねぇか?

 まあ、いいだろう。


 扉の内側は妙に生暖かい。

 生きているわけじゃねぇよな?


 足元は石畳。

 壁面は普通むき出しの岩肌。


 壁自体が全体薄っすら発光してやがる。

 奥に向かって、風が微量に流れているのも気になる。


 まぁ何にせよ俺初めて。


「あれ? クロ―大丈夫?」


「ああ、俺超初心者な?」


「うん。あたしがいるから大丈夫♡」


「そうか」


 んでコイツ迷いもなくグイグイ進んでいくんだが。

 大丈夫か?


 ん?


 何か飛来してきた。

 思わず銃身を持ち上げて振り下げた。


 ペチッ!

 ガツッ!


 何かに当たり、銃身で地面を砕いた。


 何かつぶれた音だ。

 感触はわからん。


「クロ―? 何かいた?」


「ああ、なんか飛んできた……おっ?」


 視界にログが現れた。


【追放判定:成立】

【対象:ダンジョン魔獣】

【追放ポイント:+10】


「とった!」


「え? どうしたの?」


「追放ポイントがな、とれやがった」


 あれ? でも今までのアナウンスとは違うな。

 業務的というか。


 今度は壁面が臓器のようなぬめりを帯びる。


「おかしいな」


「クロ―どうしたの?」


 ミレーヌは心配そうだ。


「いやな、この壁さっき岩だったろ?」


「ええ。それが?」


「見ろよ、なんか生っぽくねぇか?」


「あっ、これ内臓みたいね」


 動きがある。

 表面面が波打つ。

 盛り上がってくる。

 その内側から何かを突き破ろうと……


「クロ―下がって!」


 エラがすっ飛んでくる。

 いきなり、生壁をモーニングスターで殴りやがった。


 グチャッ!


 何度も叩く。

 グシャッ! ドチャッ!

 グシッ!


 生壁が血みどろで割ける。

 現れたのは、何かだった。


 口が大きく開いているのはわかる。

 後は、肉をハンマーで打ち砕いたくず肉だ。


「これ、たまにおかしなのが出てくるから」

「出る前にたたく。これ基本ね」


「見過ごしたらどうなる?」


「そこから割と多く沸き出るわ」


 なるほどな。

 割と周りに気を遣う必要がありそうだ。


 やはり他人が倒した物は、ポイントが入らない。

 まあそこは、気にしてもしゃーねーだろう。


 なんだ。

 凄い疲れるぞ。


 再びエラの後を追う。

 こいつは一体どこに連れていこうというんだ。


 宝物倉庫がわかるのか。

 ビス留めは商人の必須アイテムと言ってたな。

 ベヌテラが持っているなら、こいつもそうか。


 曲がりくねった道の奥。

 人ほどの太さを持つ支柱が林立する広間に入る。


 支柱の隙間から現れる人影。


 知性のある目。

 深緑の葉の色を持つ肌。

 手には日本刀のような物を持つ。


 胡乱な目を俺だけに向けた。


 ドンッ!

 砂埃が奴の足元で一瞬舞い上がる。


 消えた?

 

 イヤ違う。

 早さだ。


 ガキィーン!


 気が付くと銃身を盾にして一太刀を防いだ。

 上段からの踏み込み。

 見えない。


 達人かよ。

 一瞬にして後退。

 間合いの取り方が半端ない。


 なんだよあれは。

 ミレーヌは何かを準備している。

 エラは目の前に集中している。


 さあ、どう出る。

 俺は刺突の姿勢で構えた。

 というより、なぜ俺を。

 疑問が過る。


 ドンッ!


 来た!


「ガァッ!」


 人型は唸る。


 ヤツの足は瞬時に氷漬けになり地面と一体化。

 その次にエラが真横から飛び出す。

 トゲトゲの球体を脳天に叩きつける。


 グシュッ!

 血しぶきが舞い上がる。


「クロ―とどめを!」


 エラが叫ぶ。


 俺は全力で銃身で胴体を突く。

 いや、そのつもりだった。


 ゴキッ!

 膝から上がちぎれ奥にすっとんでいく。

 アレ?

 俺そんな力入れてねぇぞ?


 【追放判定:成立】

 【対象:ダンジョン魔獣】

 【追放ポイント:+100】

 【累計獲得ポイント:+110】


 なんだ?

 今度は100かよ。


 おかしいな。腕がまだ殴り足りない感覚だ。

 収まりがつかねぇから、そのまま銃身の先端を地面に叩きつけた。


 ドンッ!


 地面全体が揺れた。

 縦揺れの地震かと思ったぞ。


 殴った“先”じゃない。

 今度は床全体が沈み、壁が鳴った。


「……おいなんだ?」


 エラが振り返る。


「今の、何? 当たり?」


「いや……ダンジョンごと反応してる」


 ミレーヌは近づき、何もない空間を指す。


「……クロ―」


 ミレーヌの声が低くなる。


「このダンジョン、空間が“区切られている”」


「区切り?」


「ええ。世界そのものじゃない。

通路よ。繋ぐための」

「今の振動で少しズレが見えた」


 これを聞いたエラはしたり顔で言う。


「ねぇクロ―」


「殴って壊せる場所ってさ」


「――だいたい、入口だよ」


「ああ」


 俺は返事はしたものの何か頭の片隅でひらめく。

 そのひらめきを後押しするようにミレーヌは言った。


「入口は、隠されているんじゃない」

「見ないように、されているだけ」

 

 エラが補足する。

 

「じゃあさ」

「“殴れば開く”んじゃなくて」

「開いてる所を、壊すんじゃない?」


 待てよ。

 それなら、神の世界への入り口が俺でも……。


 今度は俺たちが――

  “侵攻する”出番がくるかもしれねぇな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ