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タイムスリップ北海道  作者: いばらき良好
第二部 世界のゆくえ
25/30

17の2 大艦隊

 そこに通信参謀が階段から汗だくで飛び込んで来た。

「大変であります。大本営からの緊急無線であります」

 通信参謀が息を飲む。橋本信太郎(少将)参謀長は続きを促した。

「決戦の最中に何でしょうか長官」

「読んでみろ」

「ハツ大本営海軍部、アテ連合艦隊司令長官。本日一〇三〇時、父島東北沖五〇〇キロで『仏艦隊』が発見された。伊号潜水艦によると、戦艦八、空母一、巡洋艦五、駆逐艦多数の大艦隊が、速度二一ノットで東京に向かっている。これに対処せよ。以上」

「まさか」

 一瞬、小沢司令長官も参謀たちも耳を疑った。

「父島沖に敵艦隊。日本が危ないです」

「なぜ気が付かなかったのだ」

 小沢司令長官も唸る。

「マゼラン海峡を抜けたのでしょう」

 航海参謀が意見した。なるほど南米を周り、仏領ポリネシア方面から来寇したのだろう。

 もしかしたら在るべき歴史の真珠湾奇襲の逆バージョンなのかも知れない。


「日本の伊藤整一少将に命じる。大至急、留守艦隊で『仏艦隊』を迎え撃て」

 無線用に暗号化する時間がまどろっこしかった。

「小沢司令長官、留守部隊は戦艦『金剛/比叡/榛名/霧島』に、重巡二、軽巡四、駆逐艦一二であります。敵戦艦主砲は八二門に対し、我が方は三二門と少なく、負けてしまいます」

 橋本参謀長が不安を述べた。

「判っているが、仕方ない。あとは厚木の第五航空軍に頑張ってもらうしかない。我々は豪州軍の為に英艦隊を除かねばならないし、時間的に東京までは戻れない」

 苦渋の決断だった。


 それからの一時間は、誰も口を利かず、重い雰囲気が戦艦「大和」の艦橋を支配した。

「報告。英第一艦隊は、戦艦四隻撃沈、重巡二隻撃沈であります」

 駆けて来た伝令が、インド洋の戦況を述べた。

 空軍が頑張ってくれたようだ。これでインド洋に空母はゼロ、戦艦も英第二艦隊の七艦のみとなった。

 小沢司令長官は命じた。

「転進命令、英第二艦隊に戦艦『大和』で殴り込みをかける。必ず勝つぞ、敵艦隊を全滅させるのだ」

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