夜明けのジャンヌ
96話 夜明けのジャンヌ
防衛軍作戦会議室。
「もうすぐ夜明けだ。困ったもんだ。あの女エイリアンを差し出すにも、また逃げられた。しかも、今度もエクエス本部からじゃないかね、ワラビヤマ隊長」
「はい……。ソレは確かなようで。コチラとしてもどうやって逃げたのかを」
「しかし、そんなコトを調べてる場合でもないんじゃないのかね」
ついに、防衛庁長官まで来て。
少し前もそうだが女エイリアンは、向こうから現れないと捕まえられない。
パイ・ニャンに、よって発見されたゲートでカレンや拉致された女性を救いに行った時に居合わせた、あの女エイリアンを捕まえたが、アレはラッキーとしか。
パイ・ニャンと連絡する方法でもあれば。
「下倉参謀は、どうするつもりかね?」
「多分時間内にはあの女エイリアンは捕らえられないでしょう……。ヤツが、あのジャンヌ・ダルクが、現れて破壊行為でもしたら、パイ・ニャンが現れるのではないかと」
「現れるかもしれませんな、だから彼女が現れるまでの被害を最小限に抑えるため、アレをこの辺りにとどめるために我々は……」
「なんとか出来るとワラビヤマ隊長」
「おそらく、刃が立たないでしょう。防衛軍の方々にもそこは」
「うむ……。結局は、あの巨人頼りか。 前の時みたいに野良怪獣相手とは違うと言うことか」
「長官、エイリアンが今まで野良怪獣出現の原因を作っていたのはあきらかに。そこに、あの巨人の出現で連中自らの姿を。私はエイリアンとパイ・ニャンは何か関連があるのではないかと」
「そうだな、あの巨人が現れるまでは怪獣も自然な野生怪獣が、主だった」
「長官、一度エイリアンに拉致されたモロボシ・カレン隊員の話によると、過去の怪獣出現から、例のエイリアンがからんでいると。奴らは、この地球で遊んでいると……」
「その話は私の耳には、防衛軍の方は?」
「長官、ソレはあの女エイリアンを捕らえた時に……」
「報告は、なかったが?」
「いろいろ尋問の最中に有りましたので終わり次第と……」
エクエス本部。
「カレン隊員が、人質に。なんかされませんでしたか?」
「銃を向けられただけよ。その時の様子は指令室内のカメラが全部」
と、カレンがモニターに、事の一部始終を。
「はじめに清掃員を人質に入ってきたと……。うわ、アレは。ヤラシ隊員」
「枯木くんじゃないか」
なんで彼が人質に。
「私も顔は知ってたけど、ヤラシ隊員は名前も。彼と親しいの?」
「ええまあ。彼は今は?」
「おそらく防衛軍の方でいろいろ聞かれてるんじゃ。人質になったときの事とか聞かれてるだろけど……彼も災難ね」
「彼は一丈青さんの彼氏よ。ほら、女子寮に来てたとか。そのとき何処かに居たあの女エイリアンが目をつけてたとか」
「そうかもしれませんねキョウゴクジ隊員」
「あの人、いくつなの? あの女エイリアンが少年と言ってたわ」
「まあ童顔だからな……。一丈青さんと同じ年だからまだ二十才前なんじゃないか?」
「ホントに若いのね……」
「だな、コネでもなきゃ二人ともココで働ける歳じゃないよな」
「で、あの女エイリアンは女性トイレから逃げたのねカレン隊員」
「え、ココから出たあと本部内カメラで追っかけたの。そしたら……」
「ソレを聞いて僕、見てきました」
「おいツガル、なぜオレを誘わない」
「ヤラシ隊員、や〜ら〜し〜」
「シズナちゃん、くだらないオヤジギャグはよせよ。女性トイレは男にとって聖地なんだぞ」
「やっぱ、ヤラシ隊員。変態ね!」
「変態じゃない、グンマも入りたかったろ」
「ボクまで巻き込まないでくださいよ」
「ヤラシ隊員、女性トイレに入りたかったら清掃課へいったら。彼は女性トイレの掃除してたわよ」
「カレン隊員は、その時入ったんですかトイレへ」
「ええ、何か問題あって?」
「ありません!」
オレ、1日仕事代わってもらおうかな。
「で、隊長は」
「まだ、会議中よ」
夜が明けた。
気がついたら、防衛軍の滑走路に巨大なジャンヌ・ダルクが立っていた。
自由の女神みたいに片手を上げているが、持ってるのは剣だ。
ボクは昨夜の事情聴取を終え、被害者的立場のボクにナニを聞き出そうとしたのか、長くかかった。
そして外へ出れば夜が明け、見た光景がソレだ。
アレが敵エイリアンのアンドロイドでなければ。フランスとは全然関係ないボクが、見ても素晴らしい勇姿像だ。もったいないなぁ。
フランスで怪獣が暴れて、退治に現れた巨大ジャンヌ・ダルクなんていう映画作られたら見たいなぁ。
マコトさんと映画デートとかしたい。
さて、防衛軍は、差し出す相手を失い、どう出るのか?
つづく




