女子寮へ
92話 女子寮へ
《あの、あなた体にナニか》
《多分、私は捕まっていろいろされたからな》
《シルビー、解剖されたのか》
《解剖……。ソコまでは、されてないが、いろいろ調べられた。まあ、私たちも人間を拉致して同じ事をしたからな》
《師匠みたいにナニか体内に》
《わかるのか》
《ええ》
《それなら、すぐに取らないとまずいだろう。ココに居るのがバレるぞ》
エクエス本部。指令室。
「あ、移動したわ。寮から出るわよ」
「おい、早く捕らえないと逃げられるぞ!」
「もう、遅いわ。寮から出たわ。格納庫の方に」
「ヤラシ、グンマ、キョウゴクジ行け!」
「隊長、私たちも」
「イイダとカガミは格納庫の外にまわってくれ!」
「隊長、本部から出ました。おそらく格納庫の出口から外に」
「外か、カレン。カガミたちに!」
「あ、コレは!」
「どうしたカレン?!」
「飛んだようです。本部からどんどん離れて行くわ」
〘カガミ、外に出たか?〙
〘いえ、私は、まだエレベーターの中に〙
〘そうか、ヤツの動きが早かった。本部から離れた〙
「隊長、これ以上追えません。信号が消えました。チップの存在に気づいて破壊したのでは」
「かもしれない……。しかし、なぜウチの女子寮に」
「もしかしたら女子寮の中にホワイティーナが」
「それは、ココの人間の誰かがホワイティーナで、あのエイリアンを女子寮の中に……。そういうことよねツガル隊員」
「そうすると女子寮の誰かがホワイティーナかも。隊長、ヤラシたちに女子寮を調べさせてみたら」
「そうだな、まあ誰とはわからんが、少なくてもヤツが女子寮に居たのは確かだ調べさせよう」
女子寮。
マコトさんは、ゾフィーのときの様に女エイリアンからチップを取り出すと部屋から出た。
変身してチップの場所を移動させたのだ。
まだ戻らない。
女子寮ロビー。
「ヤローは本部から飛び出したらしいが、女子寮を調べろと……隊長が」
「ヤラシ隊員、なんか顔がニヤけてるわよ。とりあえず寮長に連絡入れましょ」
「シズナちゃんは知り合いだよな」
「同じ歳なの。あ、エクエスのキョウゴクジよ長篠さん」
〘どうしたの?〙
「さっきまでエイリアンが女子寮にいたんだけど、変わったコトなかった?」
〘ええっエイリアンが女子寮に! そんなの知らなかったわ〙
「今はもう居ないみたいだけど調べたいの」
〘わかった、ロビーに行くわ〙
すぐに階段を使い寮長の長篠いくさが来た。
二階だからエレベーターより早い。
「長篠さん、わざわざ」
「いいえ、寮長ですから。思い出したんです。少し前に隣の部屋に顔を出したら部外者が」
「部外者。そいつは女か?」
「あ、男性です……」
「ナニ、女子寮にヤローを連れ込んだのか。あんたの隣は。で、誰なんだ?」
「個人情報は、ちょっと……」
「あ、そのお隣さんは男を。で、あなたは」
「べつに淫らなことは……。女子寮と言ってもオトナの寮ですから、男性の入室は禁じてません」
「そうなのか、オレは寮には入ったことないが。男が女子寮に入っても問題ないのか」
「ええ、ヤラシ隊員。あっちの防衛軍もそうですが男女の交際が禁止されてるわけではないのに仕事がら防衛官等の恋愛が難しいでしょ。お上が少子化どーのどか言ってるのにホント独身者が多いのよ防衛官って、あななたちの隊員もそうでしょ。せめて夜の時間はと」
「それなりに説得力あるな。確かに結婚してるのは隊長だけだ」
「まあ、その話はおいといて。長篠さん、テレビ観てた? あの女巨大エイリアンの」
「観てたわよ、なんだか甲冑ロボみたいのが出てきて女エイリアンを斬ろうとしたトコにパイちゃんが現れて連れてちゃったわよねドコかに。でもあんなデカい二人がココに来たら、わかるわよね」
「私は見てるのパイちゃんもあの女エイリアンも私たちと変わらないサイズだったのを。パイちゃんなんか私の胸ポケットにも入れるくらいに小さく」
「なるほど、二人は小さくなってこの寮に忍び込んでたと。ん〜今開いてる部屋はペガサスの部屋だけね……」
「ペガサス? 何だその名は?」
「私の趣味で幻獣の名で呼んでるの」
「幻獣……他には?」
「フェニックスとか、ケンタウロスとか」
「ワイバーンとかは?」
「ワイバーンは無いなぁドラゴン類はドラゴンと。ちなみに私の部屋だけど」
「空いてるというペガサスの部屋を見せてくれ」
「いいですけど、カギかかってますよ。入れるとは思えませんが」
「入ったかもしれない。超人とエイリアンだからな」
皆でペガサスの部屋の前に。
「カギが、かかってるな」
「管理人さんにカギを。私取ってきます」
「どうだ、グンマ。ココに入った痕跡は?」
「なさそうですね……」
「なんでわかる?」
「勘です」
「はあ?」
「ヤラシ隊員、私もそう」
「じゃ開けてもムダかな……」
「カードキィ取ってきました」
長篠寮長は、カードかざした。
カギが開いた音がした。
「わぁ〜カビ臭い。この部屋何年使ってなかったけ……」
「ホラ、ヤラシ隊員。入ってないですよ」
「なんだよ、シズナちゃんも。べつにオレは……。寮長さん、人が入った痕跡は?」
彼女は照明をつけて。
「ありませんね。まえのまんまです」
「なんだ、この部屋は?! ホントに女子寮の部屋か……」
つづく




