トリが来た
80話 トリが来た
エクエス本部内、指令室。
「あの巨大ペンギンの名前が決まりました。ペジラだそうです」
「また、あのジーさん先生でしょ。クジラみたいなペンギンとか」
「御名答キョウゴクジ隊員。その通りよ」
「ペジラかぁ。久々に、しっくりくる名前だな」
「どこがよ? ツガル隊員。小学生でも思いつく名前よ」
「まあそう言うなキョウゴクジ隊員。もしギガ・スマェニスキフォルメスなんてつけられたら舌噛んじゃうだろ」
「なんだ、そのギガスマニエルってツガル?」
「ヤラシ隊員、知らないのペンギンの学名よ。ギガエマニエルじゃないわよ」
「知るかそんなモン。それにオレ、エマニエルとか言ってないぞ」
「隊長たちのエクエストームが稚内に着きました。映像です」
「おっ、ヤツだよなコイツ。オホーツク海を泳いでたヤツ」
「やっぱり立つと、デカいなあ〜。茨城の大仏とどっちがデカいかなぁ〜」
「グンマ隊員、なんだか小学生みたいよ。よくエクエスに選ばれたわねぇ」
「エクエス七不思議の一つだ」
「あと、六つはなんです? ヤラシ隊員」
「なんであんなデカいペンギンが……」
「無視ですか……」
「エクエストームが攻撃をはじめたぞ」
「ペジラを街中から出そうというのね」
「防衛軍の戦闘ヘリが2機参戦しました」
富士山ふもと野原キャンプ場。
「あら、稚内に怪獣が上陸ですって……」
夏樹さんが、スマホでニュースを見たらしく。
「稚内ですか。ゾフィーさん、ココからは大分遠いですから今回はゾフィーさんとは……」
「わかりまへん、空飛ぶ怪獣ならひとっ飛びで来まっせ」
「夏樹さん、怪獣はどんなヤツです?」
「え〜と、巨大なペンギンで名前はペジラだって」
「ゾフィーさん、ペンギンだそうですよ。飛んで来たりしませんよ」
「ペンギンかぁ。ほなら来いへんわなぁ」
「桜田さん、稚内ってドコだっけ? あたしバカだからわっかな〜い」
「そーゆーオヤジギャグ言うと、嫌われるよ。稚内は北海道だよイナミちゃん」
「あ、戦闘の様子が動画で……酷い!」
「どうしたの夏樹さん。誰かケガでも……」
「エクエスの人が、やられたんですか?!」
「違います、見て防衛軍のヘリがペンギンに容赦ない攻撃をまるでスプラッターよ」
夏樹さんがボクらや桜田さんたちにもスマホの画面を。
これは凄いというか酷い。
ペンギンが血だらけだ。あ、ミサイルが撃ち込まれた。
「キャー!」
ペンギンの横腹が吹っ飛んで内蔵やら何やらが、コレは生放送だよな。
食事中なら吐くぞ。
あ、東さんがもどした。
「コレはモザイクモンだわね……。いままでの頑丈な怪獣とは違うわね。虫でもないし……。きっとうるさいわよ」
「うるさい? 何がです桜田さん」
「怪獣保護団体よ」
「動物保護団体みたいな?」
「あら、エクエスで働いてるのに知らないの?」
「ボクはただの掃除夫ですから……」
「私もそうよ……。ああ若いもんねぇ二十年くらい前にね、やっぱりあのペンギンみたいなチンパンジーの大きいのが現れてね。防衛軍とエクエスが倒したのよ」
「それ、あたし母に聞いたわ。『ギガントパンジー騒動』ね」
巨大チンパンジーの名がギガントパンジーか。
マンモスフラワーみたいな名だな。
パンジーって花じゃないけど。
「元は動物園のチンパンジーだったの。でも、危険だと防衛軍とエクエスが攻撃してね。動物団体がね黙ちゃいなかったのよ。その団体から怪獣保護団体が生まれてね。本部の前で世界中から集まった人たちがデモを……」
「まあ、怪獣をほっとくと被害は出ますからねぇ……。が、さっきのペンギンの殺戮を見せられると……」
「だよね。ペンギンは、わからないけど。チンパンジーは人を食べたり街で暴れたわけでもなかったから」
「あ、でも母がチンパンジーは飼育員の女性を捕まえて逃げたと」
女性を、なんかキングコングみたいだな。
「あ、やっぱり抗議の電話が殺到してるそうよ」
「やっぱりねぇ」
「朝食時になんてゆう映像を流すんだと……」
「そっちか……」
つづく




