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マコトと純子の休日

76話 マコトと純子の休日


 休日、久々に純子の家に。


「お帰りマコト」

「お帰りって……」

「ここはマコトの家も同然よ。だって、家はないんでしょ」

「ええ……。そうね。なんだか父や母に会いたくなっちゃった」


「あ、ごめん! あたしが悪かったわ」

「大丈夫よ。わたしの方こそ……」


「どう寮は?」

「ほぼ完成よ、まえより良くなったわ」

「そうかぁ。枯木は、どうしてる?」


「元気にやってるわ。あ、お兄さんは大学の寮へ」


「ええ。だから、一人のときがふえたわ。両親は土日仕事だしね」


「わたし、日曜に休めたのは久々。ナニもないといいけど」

「え、マコトの仕事も怪獣出たら関係あるの」

「ないわよ……。でもねエヘヘへ、それなりに」


 たしかにねぇ。普通に生活課で働いてたら、怪獣が出ても、かかわらないわね。

 笑ってごまかした。


「純子はどうなの? 学校は……。わたしの世界の純子は部活は……」


「違うのかな、そっちのあたし?」


「あまり変わりないわ。違うのはわたしたちの存在がコチラにないから、わたしたちを純子が知らなかった。ということかしら。あと、向こうは怪獣が居ないから純子のお父さんやお母さんの職場が違うコトかな」

「ねぇ向こうのあたしの両親はどんな仕事をしてるの?」


「あまりよく知らないわ。向こうの純子は、あまり言わなかったけど。たしか芸能界の仕事してるとかしか……。俳優さんじゃないわよね。だったら知ってるはず」


「たしかに、俳優なら。あたし、かくさずに自慢してるわ。裏方でもしてるんだょ。コチラも防衛軍の裏方みたいなものだし。表に出ないのは一緒よ」

「なるほど、そうかもね……」


「せっかくの休みなんだから、ドコか行こうよマコト」


「ドコかって?」


「渋谷、原宿……とかはあたしのキャラじゃないのよね」


「お台場とか、ディズニーランドとか」

「あんた、あたしがそんなトコ行くと……」


「やはり、アキバですか?」

「あたり! あたしが推しのアニメ「テイキュープリンス」の新グッズが出てるのイヤなら、他に」

「あんたのことだからイヤなら、池袋か中野じゃないの」

「御名答! じゃ着替えてくるね」


 そうだ、彼女はパジャマ姿だった。


 純子は特撮オタクでもあるしな、ヒーローショー観に行くよりアキバの方がましかな。

 わたし怪獣映画は好きだけどテレビドラマの特撮ヒーローは、わからないからなぁ。


「仮面ライダー」や「ウルトラマン」の名前は知ってるけど沢山いてわからない。


 向こうの純子は、アニメも好きだったが。それほど。ああ、そうかぁ。

 怪獣が出るコチラでは「ウルトラマン」シリーズはないと。でも、かろうじて怪人物はあるらしい。

 でも、宇宙人とかが等身大で現れたり。巨大化したりだとスーパーヒーロー物も危ないのかな。


「おまた〜」


 わあっ純子、思い切りアニメのキャラの刺繍が入ったブルゾンを。


「ソレってさっき言ってたハイキューなんとかの?」


「違うよマコト、『テイキュープリンス』だよ、主人公のヤマトくん」


「はあ……」


「向こうじゃやってないの?」

「あ〜わたしテレビは、あまり観ないから、わからないのよ」


 朝早くわたしが純子の家に来たので、アキバに着いたのは昼前だけど、朝ご飯食べてない純子が。


「ね、カラオケ行ってお昼もそこで食べない」

「カラオケ……。ゴハン美味しいの? カラオケ店で」


「あたし、ゴハンの美味しいカラオケ店知ってるから」


 と、純子に連れられて来たビル。


「ココは一階が受付で7階から上がカラオケルームなの」


 外に世界一美味いカラオケ店という看板が。


「強気だね、ココって」

「うん、歌数も多いしで、午後になると予約しても五時間くらい待ちなるんだよ。今ならまだ即入れるわ」


 とは、言うけど受付も並んでる。


 二人というコトもあり、部屋は空いていた。

 狭いけど二人ならぜんぜん問題ない。


 はじめに飲み放題というドリンクバーだけにして、歌いまくり。

 ほぼ純子だけど。

 

 お昼になったのでランチをタッチパネルで注文した。


「え、見てマコト。モニター画面に。臨時ニュースが」


 上野の不忍池から怪獣出現だって。

 ココからそんなに遠くないよね。


 ルームのドアが開き従業員の人が。


「すみません、怪獣出現で避難勧告が出てます!」

「上野の怪獣?」

「ええ、コチラに向かってると。エレベーターは止まる可能性がありますから階段で降りて下さい!」


 と、言うと従業員の人は隣の部屋に。


「いこ、純子!」

「あーあ、もう一曲歌えないかなぁ。それにまだお昼食べてない」

「ナニ言ってんの怪獣よ、ビルだって壊しちゃうんだよ。早くココから出ないと」


 部屋から外に出ると、お客さんがパニック状態。エレベーターには人が殺到。


「エレベーターはダメだと言ってたのに」


「階段も人多いよ」


「とにかく階段に」


「マコト、ビルが揺れてない?」

「なんか、天井から落ちてくる!」


「キャー」


 向こう側の壁が崩れた。


  グカァアア〜ン


 姿は見えないが怪獣の声が聞こえた。


              つづく 

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