11人いる
72話 11人いる
『次のニュースです。横浜の住宅地で民家の女性が行方不明。現在捜索中、彼女で関東圏内での行方不明者十名となり……』
仮説防衛軍基地内エクエス本部。
「十人もの女性が……」
「怪獣騒ぎの後は女性の拉致ですか、カレン隊員。オレは宇宙人による拉致じゃないかと」
「ヤラシ隊員、まだ宇宙人の仕業とは」
「ですよ、凶悪な猟奇犯罪者かもしれませんよ。ヤラシ隊員。怪獣より人間の犯罪の方が怖いですから、ですから私は警察より防衛軍選びました」
「シズナちゃん。まあ、わからんでもないが。ほら、基地を襲撃して来た中に、あきらかに怪獣じゃないヒューマノイドが居たろ。アレは岐阜でホワイティーナが倒した宇宙人と同種だろ。怪獣みたいなのとは、あきらかに違うだろ。不明者十名だぞ、まともな殺人鬼の犯罪じゃ遺体も出てないし」
「ヤラシ、まともじゃないから殺人鬼だろ。人食い通り魔的な怪獣のせんもある、野獣のような。パトロールの強化だ。ヤラシ、グンマ。行ってこい。深夜にはカガミ、イイダが代われ。いまのうちに休憩とっとけ」
「カレンさん、アレから後片付けや、なんやで皆、大変ですよね」
「あなたも寝てないんでしょ、休んでくれば」
「ツガル隊員は?」
「ああ彼は。怪獣や宇宙人の肉片サンプルが沢山採れて研究所は忙しくてね、手伝いに行ってるわ」
そうか、パイちゃんが派手に斬りきざんだからなぁ。
あ、隊長。椅子に座ったまま寝てるわ。
皆疲れてるからなぁ。
「カレンさんは大丈夫なの?」
「大丈夫だけど……。コーヒーもらってこようかしら。キョウゴクジさん、ちょっといいココ」
「いいですけど、私が行ってきます」
「いいの休んでらっしゃい」
カレンさんは、指令室から出た。
生活課の給湯室が全壊し、まだぜんぜん機能してないので一丈青さんが来てくれないから、食堂に有るコーヒーメーカーまで行かないとお茶が飲めない。
食堂だって半壊したが、とりあえず、はじめてる。
食堂へ向かう通路。
「おはようございます。モロボシ隊員」
「おはようございます」
朝からモロボシ・カレン隊員と会っちゃた。
やはり直に会うとキレイだしイイ香りがした。
「おい、今のカレンちゃんじゃ」
「そうですよ」
「やはり防衛軍No.1やなぁ〜。わい、ここに来て初めて生で見たわ」
清掃課も総出で、怪獣襲撃後の後片付けだ。
普段は一緒にならないゾフィーも同じ区間の掃除を。
食堂の入口。
「おはようございます。カレンさん。コーヒーですか?」
「ええ。おはよう一丈青さん」
「すみません。今、キレてますんで、わたしが煎れて指令室へお持ちします」
「いいの?」
「本来のわたしの仕事ですから」
「ありがとう一丈青さん、お願いするわ」
そして、十分後。指令室。
「すみませ〜ん。一丈青です」
「どうぞ!」
一丈青さんだ。お茶?
手動のドアを開けるとワゴンを押した一丈青さんか。
「お待たせしました。あれ、皆さんは?」
「パトロールと休憩中よ」
「カレンさんは?」
「え、おそいから食堂でお茶飲んでるんじゃ」
「いえ、コーヒーがキレてたんで、わたしが持っていきますと。お戻りになったはず」
「変ねぇ戻ってないわよ」
「おっ寝てしまった。おお、一丈青さん。お茶かね? ダージリンはあるかね」
「あ、はい。すみません。コーヒーしか……。隊長さん」
「隊長、コーヒーをもらいに行ったカレン隊員が戻らないんです」
「なんだって」
「あの、ティーパックとお湯が台に有りますから。わたし、戻って見てきます」
通路。
「あ、マコトさん。どうしたんですキョロキョロと?」
「枯木くん、モロボシ・カレン隊員を見なかった?」
「見ましたよ、ちょっとまえに食堂の方に……」
「え、ソレはわたしと会う前かしら。帰るカレン隊員は?」
「アレ、そういえば……。食堂には居ないんですか?」
「ええ。枯木くん、ずっとココに?」
「いえ、さっきゴミを捨てに離れました……」
「どうしたん。 マコトちゃん?」
「あ、師匠。カレン隊員を見てません?」
「見たで枯木くんとな……」
「ゾフィーさん、ボクがココを離れたあとに見てませんか?」
「いや、わい向こうのトイレ掃除してたさかい」
とある場所?
「あら、ナニ?! 私、どうしたのかしら。え、なんで裸に!」
ナニ、ココはドコ。見回すと、私同様に全裸の女性たちが。
十人くらい居るかしら。
窓も何も無い部屋。
壁と床はちょっと硬めのマットレスのような。
「ねえ、ココはドコ? わかる人居る?!」
「あのあなたはもしかして、エクエスのモロボシ・カレンさんでは?」
「そうですモロボシです」
その女性は敬礼をし、言った。
「私は、木更津中央署で婦警をしてます館宏美と申します。あなたにあこがれて防衛大に、でも……。あきらめて婦警になりました未熟者です。こんなとこで、こんなかっこうでお会いするとは……」
たしかに、銭湯であこがれの人と、会ったようなもの? タオルがあるだけ銭湯の方が、ましかしら。
「ココには、何人の女性が?」
わたしが数えようとすると、彼女が。
「11人、カレンさんを入れたらです」
「十人って……もしかして行方不明の……」
つづく




