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真、休学

7話 真、休学


 朝起きると叔父さんが新聞をボクに見せ。


「春樹、面白い記事が出てるぞ! スポーツ新聞だから胡散臭いけど、茂麻(もあ)ノ丘に巨人が出現だとさ」


「モア? ちょっと見せて」


 その写真は。夕陽の逆光で影しか見えないが裸の女のシルエットが。

 場所が都内某市の茂麻ノ丘。

 茂麻モアってこんな字を、あの寺が有ったのは茂麻ノ丘というのか。


 このロングヘアーの裸女性のシルエットは一丈青さんだよな。

 誰かがあのときに撮影したのか。


「スポーツ通報らしい記事だな。ヌードと背景を合成した素人でもわかるフェイク写真だ。ホントの地名を書けば信じると思ってんのかね」


「そうだね、スポ通は、まえにも河童を撮ったとか、ツチノコ捕まえたとか……」


 叔父でも、この写真は信じてない。

 良かった。


 その日は一丈青さんは学校を休んだ。

 まさか、あの玉のせいで熱でも。


 三日が過ぎた。


 一丈青さんは三日たっても休んでいる。

 なんか心配だ。


 放課後、ボクは一丈青さんの家に行ってみた。


 お母さんが出て来て。


「ありがとうねわざわざ、たいした熱でもなかったのに休むとねあの子。で、熱が下がったからと出ちゃたのよね」


「え、ドコへ行ったんですか?」

「それがね……美容室に」


「あ、枯木くん」


「帰ってきたわ。あんたが休んでたから心配して来てくれたのよ」


「ありがとう。あがって」


 一丈青さんは、帰ってくるなりボクを自分の部屋に。

 あのゴジラのある広い玄関の右側の奥に一丈青さんの部屋が。


 さすがに怪獣映画のポスターとかは貼ってなく。女の子らしい部屋だった。

 でも何体も有るぬいぐるみはほぼ怪獣だ。


「枯木くんは見た? この新聞」


 とスポーツ通報を出した。

 一丈青さんもとってるんだ。


「見たんだね。あの記事。写真は……多分」


「あなたもそう思ったでしょ、コレってわたしよね」


「撮ったという場所なり時刻なり見るとね……。でも、コレを見た叔父さんはフェイク写真だと」

「お父さんもそう言ってたけど。撮られた本人からするとわかるわよ、コレわたしと。枯木くんだって」


 そのせいなのか熱がでたの。

 あの自称宇宙人も悪いことを。


「まあ普通は、こんな写真は誰も信じないし……顔もわからないから大丈夫さ」


「そうかもしれないけど……」


「真、お茶を。入りますよ」


 一丈青さんは、あわてて新聞をベッドの下に。


「あら、髪切ったのね。帰ってきたときはわからなかったわ」


 と、部屋に入って来た、お母さんが言ったので、ボクも今。

 髪を切ったんだ。


「熱が出たとき邪魔だなぁと思って……」

「けっこう長いこと伸ばしてたよねぇ。もったいない気も。ロング、よかったのにね」


 きっとあの写真のせいだ。だから。


「じゃごゆっくり」


 お母さんはチビゴジラのイラストの小さい子供テーブルの上に紅茶とお菓子を置いて部屋から出た。 


「やっぱり髪を切ったのは……」

「そうよ、あの写真はロングだからね」


「ショートの一丈青さんも素敵です」

「枯木くん、まだ一丈青と……」


「ボクみたいのが名前で呼んで……。なれちゃって教室で呼んでしまったら、周りからナニを言われるか」


「なに言ってるの、そんなコト気にしてるの? 友だちなんだからどうどうとマコトって……言いなよ。わたしは気にしないし。まわりがなんか言ったら……」


「あ、どーも」


 新聞の写真のコトでショックをうけて熱が出て学校も休んだマコトさんを元気づけようと来たのに。


「あ、ですから」


 ナニが、ですからなんだ。


「明日は学校に来ますよね」

「明日は行くわ……けど制服無いのよね。あの日はなんだか超能力みたいので制服出したけど、アレ長続きしないのよね。家着いて玄関で消えちゃたのよ。あわてて部屋に入り服着たわ」


「そうなんだ。あの玉の力には限界があるんだ」

「幸いウチの学校の制服はきびしくないから上はジャージか、ブルゾン着て行くわ。スカートはいくつかあるから。明日購買部に新しい制服を頼んでおかないと……」


「あの自称宇宙人は、とんだ奴だね。制服代弁償させなきゃ。巨人化することも知ってたみたいだし」


「考えてみたら、わたしに宇宙拳法なんて伝授してなんの意味があるのかしら?」


「マコトさんがまた誰かに……っていうのも変だよね。そもそもあの人は宇宙人なんだろう」

「自称だけど」

「そんな奴が伝えた技を普通の人間が伝授出来るのだろうか? だってあの玉なんかマコトさんは取り出すことを出来るの?」


「やったことないけど……」

「明日、あの自称宇宙人に会って細かいこと聞き出そうよ」

「そうね……教えることがナニもないとか言ってたけど会えるかな」


 

 翌日学校にマコトさんは来た。

 髪を切ったコトで周りが騒ぎたってた。


「失恋したの」とか「イメチェン」とかいろいろ。


「ショートのマコトちゃんも大好きだ」という男たちの声もたくさん聞いた。

 誰もあの新聞写真のことなんて口にしない。


 そもそもスポーツ新聞のネタなど信じるやつなんか居ないんじゃないか。『巨人出現』なんて、とくに。妖怪やUМA記事とかと変わらない。


 最後の授業が終わり次第ボクらは山道のお堂へ。


 いつもなのだろう。

 マコトさんはお堂のまえでパンパンと。


 お堂の扉が開いたがゾフィーは居ない。


              つづく

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