カバゴン
66話 カバゴン
〘カバは、海にも居るんですよ〙
〘そんなバカな、神居先生〙
〘実はな、1971年の4月、ニュージランドの南島近海でな、日本の遠洋漁業船の乗組員たちが奇妙生物が海面に顔を出してたのを目撃しての、見た連中が、カバと……。UМAマニアには有名な話だ。そいつはカバゴンと名付けられた〙
〘先生、それは鼻の穴がデカいセイウチだったとか、ゾウアザラシの奇形とかじゃ〙
〘それは、わからん。いまだそいつはUМAのまんまだからな。熱海の怪獣はカバゴンと名付けよう〙
「ホントか、熱海に怪獣って、今ゾフィーさんが言った伊東の近くじゃ」
〘コチラは現場の水島です。ドローンで怪獣の様子を……怪獣は、エクエスのミサイル攻撃により、このまま行くと熱海より伊東方面に……上陸の可能性も……〙
「イヤね〜熱海上陸を阻止したのは無視。まるでエクエスが伊東に誘導したみたいじゃない」
「そうですよねぇ。エクエスの皆さんは夜も寝ないで頑張ってるのだから、もっと立ててほしいですね」
「え、伊東方面って、ゾフィーさん。エイリアンに、なんか埋め込まれてませんか。岐阜で」
「そな、コトはありえへんがなぁ〜わいが……」
と、ゾフィーは、体中を触りはじめた。
「師匠、どうしたんです?」
「納豆食べて、じんましんでも?」
「あ、いやそんなコトは、ないよ。今さら納豆で……」
うわ、ゾフィー。標準語。
身に覚えがあるのか。
「枯木くん、後で背中見て。あの女の姿のエイリアンは後部座席から……」
結局、夏樹さんとは旅行の計画もまとまらず。
食事をすませて、ボクとゾフィーはトイレに。
ゾフィーはシャツを脱いで背中を見せた。
「ナニかおかしなトコありまへん?」
「見た目……。あのゾフィーさん、コレはタトゥーですよね。なんだか見たことのある女性の裸なんですけど……」
「ええでしょ、わい向こうの世界でその娘の絵に一目惚れしてなぁ思わず背中にプリントしたんやねん。タトゥーではあらへん」
「プリント……」
「どう? 自分が好きな娘いればプリントしてやるさかい。タトゥーでは、おまへんからあきたらまた変えられるで……が、プリントの機械は向こうの世界や。しもうたわ変えられまへん。このまえ風俗行ったら、そのすじの人間と間違われたわ」
「遠慮しときます。あの背中のプリントのちょうど乳首のあたりがふくらんでますけど」
「あ、ソレはまえからあるイボや。たまたま偶然乳首がイボのトコにプリントされてなぁ」
宇宙人にもイボってあるんだ。
「では、背中には変わったところは、なさそうですけど」
「そうでっか、じゃなんで怪獣が?」
「わかりまへん。おっと、関西弁てうつりますよね」
熱海沿岸の上空のエクエストーム機内。
「ヤローミサイルをうけ、熱海上陸を阻止したら、伊東方面に」
〘隊長、あの怪獣の名がカバゴンと決まりました〙
「了解、カレン。カバゴン……。たしかにあの顔はカバだな……。が、本物のカバより3倍以上はあるぞ」
「カバゴン。UМAマニアには有名な怪物ですね」
「UМAなんて、怪獣がわんさか出てくるのに。おかしなもんだなツガル隊員」
「まあ、昭和の頃には、まだ未確認生物が沢山いてUМAと呼ばれてましたが、今じゃビッグフットなんかと違った雪男級の怪獣が出現してますからね」
「ツガル隊員。UМAって、もう死語じゃないの」
「いや、まだ怪獣までいかないツチノコやスカイフィッシュなんかは確認出来てませんからね、まだまだUМAは……」
「奴らは大きくなって怪獣化してんじゃないのかなぁ……。下のカバゴンだって」
「UМA怪獣化か。面白いデータがあるんだ、兄の研究で現れた怪獣たちの死骸から未知のウィルスが発見されてるが、かならずしもが皆同じウィルスではないそうだ。が、まだそいつが原因で怪獣化したかどうかはまでは。研究中だそうだ」
「ホラ、岐阜でシロちゃんに倒されたエイリアンらしい巨人型の生物はどうなの? アレは解剖されたんでしよ。アレも怪獣だったの? それとも宇宙人?」
「さすがにね、研究成果は中々外部には。ウィルスの話だって兄は僕だから……。皆さんシークレットですよ」
「隊長、カバゴンが大分伊東に近づきました。上陸を阻止します?」
「ああ、あたりまえだ。カガミ、ミサイルは発射出来るか」
「はい隊長。イイダ、ヤツの頭上へ」
「隊長、ヤツの口の中に爆雷を」
「よし、カガミ。ミサイルで、ヤツの口を開けさせろ!」
「了解! ヤラシ、開いたらたのむぞ!
「了解!」
エクエス本部。
ゾフィーの背中の女性のヌードのプリント以外は異常なところは。
「あれ、ゾフィーさん頭のてっぺんが……」
「最近薄くなってなぁ地球に来てからなんや。宇宙ではもっとフサフサだったんよ」
「薄いなんてもんじゃコインほどのハゲが? 円形脱毛症ですか?」
「コインほどの……ほんまや。気いつかんかったわ。いつから?」
「もしかしたら、岐阜のときから……」
つづく




