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耳元アワー

63話 耳元アワー


 珍しく仕事がゾフィーと一緒。


「なんでボクらの行く所に怪獣出るんですかね?」


「そやな。コレはナニかアルなぁ……。もしかしたらエイリアンの陰謀かもしれへん」


「エイリアン……。 そうなんですか。でも、大洗町のときはエイリアンは現れませんでしたよね……」


「出たで、あの蟹や。アレはコスモクラブと言ったやろ。アレは立派なエイリアンだ。この地球のモノじゃあらへん」


「でも、アレは偶然では?」


「いや、わからへんで。誰かがワイらの行く先を知って、奴らを大洗へ」


「そんな、あの予定をどうやって知ったんです。大洗町へ行くのを知ってたのはボクらと、東さんと桜田さんだけですよ」


「わからんで、まだ知ってた人間がおるんちがう? たとえば東ちゃんの友人とか」


「そうなんですか……でも、東さんの友人にエイリアンのスパイみたいのが、居るとは思えませんけど。桜田さんじゃ……ないですよね」

「人間とは、限らへんで虫とか壁とかに……」


 ゾフィーがボクの耳元で小声で。

 この会話も聞かれてるかもと。


 でも、ここはエクエスの本部だ。エイリアンが、ありえない。


「あら、ゾフィーさんたち仲が良いこと」


「あ、東さん。べつに……」


「ナイショ話? 次はお二人でドコへ行くのかなぁ?」


「次はって、大洗町へはボクは行く予定じゃなかったんです。たまたま、岐阜の次に……」


「そやっ、東イナミちゃん。今度は群馬の温泉、行かへん? カップルで」


「う〜んカップルは……。また桜田さんと枯木くんが一緒ならイイわよ群馬か……」


「ええで、次の休みはいつ?」

「勝手に決めないで下さいよ、四人の休日を合わせるの大変なんですから」


 あ、大洗町のときも、合わせるのに何日か。本部は二十四時間体制で決まった休みはない。

 その日にち調整で休みを決めてる間にボクらの旅行先が知れてるのかも。


「ねえ、枯木くん、お昼一緒に食べよ」


 と、東さんが、ボクの耳元で小声で言ってた。

 時間を言って去った。

 あの、返事を言ってませんけど。


 しばらくすると掃除具のカートを押して桜田さんが、ゾフィーの方に。


「ゾフィーさん、大洗町の旅は楽しかったわ。また、何処かに連れてってね。あ、ゾフィーさん。お昼は?」


「そやなぁ本部の食堂かなぁ〜いつものけつねコロッケソバや」

「あら、そんなモノのばかり食べてるの。今日ね、旅行のお礼じゃないけど、お弁当たくさん持ってきたの食べて」


 と、桜田さんが。


「食堂で待ってるね〜」


「枯木くん、一緒に食わへん」


 と、ゾフィーが寄ってきて。


 ボクは外に東さんと食べに。

 とは、言いにくい。


「すみません、友だちと外のファミレスに行く約束してまして。いいじゃないですか桜田さんのお弁当は美味しいと評判ですよ」


「なら自分も……」

「約束やぶるとうるさいやつなんで今回は。また、誘ってください」


「オバさんと二人のお昼は……」



 お昼になったので掃除具をかたしに掃除具庫へ。

 そしたら通路で。


「あ、枯木くん。お昼は?」

「まだ、コレからです」


「外に美味しいイタリアンのお店が出来たんだって一緒に行かない?」


 うわぁ~マコトさんに食事を誘われた。


 行きたい!


 けど、先に東さんに。

 どうする。

 でも、東さんが先だし。


「ごめん、清掃課の友だちと約束しちゃて、ファミレスに」

「そうか、急だものね。夏樹さんでも誘ってみようかしら……わたし、初めての店って一人じゃ入れないのよ。じゃまた」


 うわぁ~おしいことを。


 お昼、清掃課の控室。


 ボクは清掃課の制服から普段着に着替えて通路に出た。


「あら、一丈青さんの……。清掃いつもご苦労さま」


 おわ、純子のお兄さんの憧れのエクエスの美人さん、モロボシ・カレン隊員ではないか。


「ありがとうございます。モロボシさん」


「カレンで、イイわよ」


「ありがとうございます。カレンさん。あの、今、一丈青さんのとか? 何のことです?」

「あら、あなた一丈青さんの彼氏さんでしょ」


 と、モロボシ・カレンさんが、耳元で。

 いい香りがした。


「お仕事、がんばってね」


 名前の通り可憐だ。


 何故か、今日はやたらと耳元で囁かれる。

 ゾフィーはよけいだが。


「枯木くん、鼻の下が、のびてるわよ」


「あ、東さん。のびてました」


 と、思わず手でアゴを押し上げた。


「あの人見て、のびない人いないから。行こ、ご飯食べに」



 東さんが、本部の外に出て着いたのは、最近開店したというイタリアン大衆食堂「七福」という店だった。


「イタリアンで大衆食堂……で、名前が七福(しちふく)って」

「違うわよ、ナナフクとフリガナが」


 どっちにしろ、イタリアンで漢字名の店名だ。


「イタリアン風中華じゃないよね」

「どういうイタリアンよ、ソレ?」

「あるよねトマトスープ味のラーメンとか、ピザみたいなチヂミ」

「チヂミは韓国じゃない」


 そうだっけ。料理はあまり詳しくないから。


 入ってみると意外に普通のイタリアンレストラン。メニューも変なモノはない。


「いらしゃいませ」


 入口の近くのテーブルに着いたので、今、入って来た客の顔が見えた。


 これは、ヤバい? 


 マコトさんが女の人と。


「あ、枯木くん。友だちとファミレスじゃ……。女の人と」


               つづく

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