出てきたヤツは
60話 出てきたヤツは
「おい、腹のどのあたりが動いたんだ?」
「コイツの下っ腹ですか、あの後足の間ですよ部長」
「部長さん、あまり近づかない方が……おおっ。今、ボコッとふくらみました。体にガスでも溜まってるのかも」
「また。中にナニか居るんじゃないか?」
「あっ、胸の下あたりも今、動きました!」
「なんだ、アレは。今、蟹のハサミみたいのが」
「引けっ、死骸の中にナニか居るぞ!」
キーッ
「腹を破った! 蟹?!」
「頭がとがった、イカのようだが。アレは蟹では……」
「津軽博士、下方に節足動物のような足とハサミが」
キーキーッ
エクエストーム機内。
「大洗海岸付近とな、正確な位置は」
「隊長、確認するまでもありません。見て下さい。クジラよりデカいやつが横たわってますよ」
「おお、アレか」
「なんだか、様子が変です」
「人だけじゃない、妙なのが見えます。アレは何だ?」
「海岸の向こうの砂浜あたりに着陸だ!」
海岸。
「発砲を許可する。各自、自分の身を守れ!」
「蟹のようで違いますね」
「見て下さい、とがった頭が開いて死骸を……」
「先生方後へ。まだ、出てくる。ワサワサと、奴らどんだけ居るんだ」
死骸を喰いあさる物と、人に襲いかかる物が、コイツは怪獣の一種か。
背丈は人くらいだが、人を襲うとは凶暴な。
「津軽博士、アレは」
「エクエストーム、エクエスだ。彼らが来た」
大分離れた場所に着地した。
「ワラビヤマくんか」
〘津軽博士ですか、ナニが、そこで?〙
ダン、ダンダン、ダン
「海から打ち上げられた怪獣の死骸の中から、妙な生物が現れて人を襲ってる」
〘わかりました! 博士〙
エクエストーム内。
「無線を聞いたな、カガミ、ツガル。武器を所持して迎え!」
砂浜なら、待ちに待ったサンドバギーに。
「カガミ隊員、お願いしますよ」
バギーに機銃を取り付けた。
少しばかり離れた砂浜をスッ走るり逃げてくる見物人、野次馬たちを横切り奇妙な生物の見える前まで。
ズドドドド
〘ツガル、聞こえるか。皆殺しにするなと博士から〙
「ですよね、研究に一匹は、捕獲だ。カガミ隊員! ネット砲を」
「わかった、あの死骸を喰ってるヤツにするか」
国道6号、茨城県に入ったら、なにやら渋滞。
「ナニか、あったんじやないですか?」
「テレビつけてみてよ。ニュースとか、やってない?」
桜田さんが後部座席から、前に顔を出し。
「ナビは、テレビも見れるんだ」
クルマに乗りなれてないからボクはよくわからない。
〘現在、大洗海岸付近に漂着した怪獣と思われる死骸から、現れた異生物と、警察、エクエス隊の交戦中で、付近では避難勧告が発令されてて……〙
「今度は大洗でっか、なんでわいらの行き先に?!」
「でも、大洗は、まだここからは遠いわよね、なんで渋滞してんのよ」
たしかに、まだ茨城県に入ったばかりだ。ナビでは常磐自動車道に乗っても一時間以上かかる先じゃないか。
〘怪獣の死骸から現れたイカのような頭をした蟹のような生物は町中にもの出現し町はパニック状態で……〙
〘緊急車両が通ります道を開けて下さい〙
「ゾフィーさん、エクエスのビーグルですよ、クルマ寄せないと」
「わかってまんがな」
後からエクエスビーグルの新型がゆっくり走ってくる。
横を通るとき乗ってるのはヤラシ隊員とキョウゴクジ隊員だと。
「ほな」
えっゾフィーはクルマをビーグルのすぐ後ろにつけた。
「ゾフィーさん、ナニを?」
「わいらもエクエスや一緒に着いてくで」
間違ってはいないが。
「ヤラシ隊員、後ろにクルマが。私たちに便乗する気ね!」
「あ、見ろ。後のクルマの助手席。手をふってる……ありゃマコトちゃんの彼氏じゃないか」
「そうね、ハンドル握ってるのは、清掃課で、なんだか話題になってる外国人の男よ。あのヒゲヅラは」
「なんで奴らはウチのクルマにくっついてんだ」
「一丈青さんに聞いてみましょうか?」
「なんで、マコトちゃんに?」
「だって、彼氏のナンバー知らないのよ」
「そうか、顔出して直接聞けよ」
やっぱり、怒られる。助手席のキョウゴクジ隊員が窓から体を出して、なんか叫んでる。
ボクは顔を出して。ナニを言ってるか。
「なんでついてくるのよ!」
「と、言ってます」
「清掃課も出動要請が出てると」
「そんなわけないじゃないですか」
「町中の怪獣をはらいまっせ!」
「ゾフィーさん言って下さい!」
ゾフィーはウィンドを降ろして手を出し親指立てた。意味わからない。
「ナニ、枯木くん。面白くなってきたわね。前のときは怪獣に喰われたって聞いたけど」
「いや、アレは……」
「ほんまやで、怪獣に飲み込まれたんや。クルマごと」
「奴ら何だって?」
「ナニも。ただドライバーが指立てただけ」
「ナニぃ挑戦的だな、降りて殴ってくるか」
「ヤラシ隊員、中指じゃなく親指」
「親指?」
つづく




