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出た!

57話 出た!


〘こちらは岐阜県の下呂温泉地から少し離れたところの道路陥没地から離れた場所です。現場は防衛軍が来て立入禁止にしています。陥没した穴は、怪獣の仕業だろうと防衛軍から付近の住人に避難勧告がだされ……〙


「イヤだわね。あんな吹雪の中、ドコへ逃げるのかしら? こっちじゃなくて良かったわ。あたし、寒いの苦手なの」


「穴に怪獣が居るかもわからないんでしょ」


 お茶しながら、わたしたちはテレビニュースを見てる。


 エクエス本部。生活課の休憩室。

 夏樹マキさんと浜辺みゆきさん。と、いういつもの三人だ。

 なぜか、わたしたちはよく一緒になる。

 今日の休憩時間も、たまたま一緒。

 で、仲良くなるのも早かった。


〘道路の陥没でクルマが1台落ちたという目撃があり……〙


「あの……下呂温泉って、白川郷から遠いんですか?」


「白川郷……ゴメン。あたし知らないわ。浜辺さん、わかります?」


「岐阜県の上の方よね……近いんじゃない」


「そうなんですかぁ……。友だちが岐阜へ、白川郷へ旅行に」


「一丈青さん、友だちって清掃課の」


「ええ……」


「ソレは心配ね。怪獣じゃなければいいんだけど」


「ですよね、怪獣が出たから避難勧告とか出てもね、ホント。ドコに逃げればいいのか、相手は生き物だから困ったものよ。一丈青さん、電話してみれば」

「はい、してみます」


 わたしは枯木くんの携帯に。


 えっ!


 頭が。


「どうしたの……一丈青さん。大丈夫」


「なんか急に頭が。医務室に行ってきます」


 わたしは廊下に出て、こめかみに人差し指をあてた。


〘聞こえまっか……マコ……ちゃん…〙

「師匠?」


「そうや……今、わいら……中に……」


 コレはテレパシーって、いうの?

 頭の中で師匠の声が。


〘わいや、やっとうまく通じるように……。声はださんでも大丈夫や、頭の中で考えて〙


 コレって、例の玉の力ね。


〘ああ。今、わいらは怪獣の腹の中やねん〙


 ええっのまれたんですか? 


〘道路走ってたら、穴に落てなぁ。ガバっと〙


 それ、まさか下呂温泉付近ですか?


〘だろうな〜下呂温泉目指していたさかい〙


 ニュースで言ってました。穴に落ちたクルマが目撃されたと。ソレは師匠の。

 枯木くんは?!


〘一緒や〙


「無事なんですね!」


 思わず声を。


〘大丈夫や、わいの隣でピンピンしてるで〙


「今、助けに行きます!」


〘お願いしまっせ!〙


 わたしはトイレに走った。


 

 下呂温泉、道路陥没地上空のエクエストーム機内。


「ホント、大分吹雪いてきたわね」

「このくらいの雪なら何時でも狙える。まだ、クルマは見つからないのか?」


「穴の中にも雪が積もりはじめてよけいにわからんようだ。下に安倍支部長が」


〘こちら安倍です。穴に降りようにも、近くに行くと穴が崩れて広がるんで。しかも、この吹雪では……地震か?! 揺れてる!〙


「出た!」


 穴がら怪獣が飛び出した。

 水平飛行していたエクエストームのまん前に怪獣の顔が!


   クカァアー


「ヤロー!」


  ズガガガガガガ


 ヤツの顔にエクエスガドラーをぶちかました。

 それで、顔が離れた。


「顔がスコップみたいね」

「キモッ、あの頭の下は巨大ミミズじゃねーか! まえのムカデよりキモいぞ、オレは脚のない生き物は嫌いなんだ、クソッくらえ!」


  ズガガガガガガ

  ズドドドドドド


 オレは二種の弾丸で両翼のガドラー機銃を掃射した。


  クァアアーン


「あのクチバシホント、スコップよね、弾丸を跳ね返してるわ」


「ヤラシ、どけ。僕が胴体にミサイルを」


〘やめて!〙


「キョウゴクジ隊員、か?」


「私は何も」


「今、声がしたよな。オレも聞こえましたカガミ隊員。ああ、見ろホワイティーナだ!」


             つづく

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