休日の巨人
50話 休日の巨人
「おはようございます」
「やあ、おはよう一丈青さん」
「珍しいですね、ヤラシさん。スーツ着て、おでかけですか」
「ああ、妹の結婚式なんだ」
「それは、おめでとうございます」
「ありがとう。こんな日は出ないといいな怪獣」
「ホントですね」
「あ、マコトさ〜ん」
「お、親友のおでましだぞ。じゃ」
「いってらしゃい」
「おはようマコトさん。今のヤラシ隊員だよね。スーツ着てた」
「妹さんの結婚式なんだって。憧れるわよね白いウエディングドレス。映画みたいに教会でみんなに祝福をうけて、ライスシャワー浴びてブーケトスして……」
「マコトさんも女の子だな。やっぱり白いドレス……。マコトさんは白い色が好きなの?」
「好きだわ。わたし、幼稚園の頃から運動会はずーっと白組だったのよ。スゴイでしょ」
「へぇ~実はボクは紅組だった。あの、変身したらスーツが白いのはやはり」
「ええ、純白でも良かったんだけどやはり、アクセントが欲しくて赤を。あれは枯木くんの赤かな」
「そうなら嬉しい」
「あ、枯木くんも私服よね」
「休日です。マコトさんは?」
「わたしは、仕事。ドコかへ?」
「幕張メッセに。ワンダーフェスティバル見に。 こっちにもあってね。向こうに居たときより近い会場なんで行って来ようと」
「ワンダーフェスティバル?」
「通称ワンフェスってね。模型やフィギュアのコミケみたいな。コミケは知ってるよね」
「ええまぁ。じゃ楽しんできて」
某所。
「もうすぐ完成だ。コレで私の彼女が……。長かった由美、帰っておいで」
このスイッチで由美は。
バババッバババッバババッ
由美よ蘇れ、そしてまた私と抱き合おう!
その日の午後、幕張新都心。
20メートルはあろう巨大な花嫁が。
「なんてでっかいウエディングドレス姿の巨人だ」
はじめはワンフェスのイベントでバルーンかと思ったが、リアルな体系顔立ち。
バルーンではない。
あれはウエディングドレス姿の怪獣?
そんなわけないよな。
でも、巨大な人だ。
やはり幕張メッセ近くだからワンフェスと関係が?
リアルサイズのフィギュアを超えたサイズだ。
どこかの会社のパフォーマンスか?
「おお、由美よ。私はここだ!」
スクーターで現れた白衣の老人が、巨人に向かって。
「由美よ、私を抱いてくれ」
巨人女は手をのばし白衣の老人を人形のように抱えた。
「由美、コレでは赤ちゃんみたいだ。私はおまえとまた抱擁がしたいのだ」
エクエス本部。
「隊長、幕張に白衣の巨人が出現しました。モニターに出します」
「なんだ、例の白い巨人じゃないのか。しかしウエディングドレス着た巨人とは……」
「あ、白衣の老人を抱き上げましたよ。なんなの?」
「暴れたりしませんね。あの白衣の老人は、巨人とナニか関係が?」
「ツガル隊員、ヤラシ隊員の妹さんの式場は幕張のホテルとか言ってなかった?」
「ボクも聞きました。幕張のホテル浜王とか。メッセの近くと」
「あの近くじゃないの」
「ヤラシ隊員に」
「グンマ、やめとけ。式の真っ最中かもしれんだろ。彼は休暇中だ。とりあえずイイダ、カガミ。エクエストームで。グンマ、ツガル、キョウゴクジはモービルで」
「はっ!」✕5
本部、通路。
お茶を持ってくと指令室から隊員さんたちが。
怪獣が出たのね。
指令室に行くと。
隊長さんとカレンさんふたりだけ。
モニターがついてて。花嫁が映ってる。
あれ、なんか変。
抱いてるのは人形? いや人間だ。周りの景色からすると花嫁は巨人?!
「隊長さん、あれは?」
「なんだかわからんが巨人の女だ」
巨人の周りにナニか黒い物が。
「巨人の周りに数機のドローンが、おそらく一般人の物と」
「スクープ狙いのパパラッチとかか?」
「全機ではないでしょう。あっテレビにドローンの映像が、テレビ局のも飛んでるみたいです。巨人は立ってるだけで……。あの抱えられてる老人が、まるで赤ちゃんみたいに抱っこして……」
「あの老人何者なんだ?」
「ウチのドローンが飛べはハッキリするかも」
「カガミたちはまだか、幕張ならすぐだろう」
「巨人ですが、なんでウエディングドレスなんですかね。しかもあんな大きいの誰が作ったのかしら」
「あれだけの大きさだ。個人じゃ無理そうだな」
「あ、先にテレビ局が、調べ上げました。老人は元帝都医学大の教授で雲嵐健三郎という男です」
「医者か?」
「職歴を調べましたが、医者の過去はありません。大学をやめてからなんの職歴も……」
「まさか、あの老人が巨人を作ったのでは」
「ふむ、マコトさん。ありえなくないな。あの巨人の老人の抱き方には愛情のようなものが感じられる」
「隊長、そんなコトわかりますか? なんか意外です」
「そうか、カレン。私もあんなプレーを……」
「はぁ? プレー……。なんですプレーって隊長?」
「隊長命令だ、聞かんかった事に。とにかく、あの巨人は老人を愛情を持って抱いてる」
つづく




