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高尾山の怪獣

46話 高尾山の怪獣


「高尾山に怪獣出現。今、怪獣の名の発表があった」


「早いですね、今回は。やっぱあの先生ですか」


『ピンポンよ、ヤラシ隊員。名前はタカオザウルス』


「なんだ、そのなんにも考えてないような名は。高尾山から発掘された恐竜かよ」


 高尾山上空のエクエストーム内。


「ヤラシ、見てみろヤツを」


 モニターに映る怪獣は、翼の無いドラゴン型怪獣だ。角は三本、背には小さな角が無数。

 言われて一番目だったのは太長い尻尾だ、ヤツの体より長い。


 おっ、危ないストームまで尾が届き、危うくたたき落とされそうに。

 まさに高尾ザウルス。


「ちょっとオヤジギャグ入った名前ね。最近、あの先生。名前付けを楽しんでない?」


「ああ、ホントだよ。オレは彼女の名がパイニャンにならなくて嬉しいよ……ネットで不評らしいな」

「ヤラシ隊員のホワイティーナが、けっこう有力ですよね。例のテレビ局は、ホワイティーナでとおしてます」


「グンマのマリリンは無視だからな」

「ボク、シロビンちゃんっつーの考えたんですけど、日本人なら白で」


「つまらんことを言ってないで、ヤツをなんとかしろ、都心に向かい始めたぞ!」


「ヤロー。あっ危ない!」


「あの尻尾、なんとかしないと危ないわねぇ」


「モービルだと、かなり遠くから攻撃しないとあの尻尾で飛ばされるな……下からの攻撃は難しい」


「足を止めないとな。カガミ、ミサイルで足に集中攻撃だ」



 変身したマコトさんの背に乗り高尾山付近に飛んできた。


 二倍くらいの大きさになったマコトさんの背に乗り空を飛んでる。


 落ちないようにちゃんと掴まっててと。

 薄いスーツのマコトさんが、どう感じてるかは知らないが、ただ体をおおってるだけのスーツにしがみつくボクは、とてもイヤらしい思いが。

 なんてない。

 空を飛行機でなく生身のままで飛んでるんだ。

 オートバイの後なんてもんじゃない、落ちたら死ぬ高度だ。


 アソコは縮こまり落ちないようにマコトさんの脇腹を押さえ込んでいるボク。

 足も蟹挟みであるがマコトさんの体の感触なんかドコへやら。

 震えが止まらない。


「降りるわ」


 うわぁ〜


 ボク、ジェットコースターとか苦手なんだ。

 小学6年、コースターに乗れる身長になり、初めて乗ったコースターでお漏らしをしてしまってから、乗ってない。


 で、彼女の背でお漏らしなんかしたら絶対嫌われる!


 スタッと地に着く。


 なんとか失禁はしなかった。が、足がガクガク。


 彼女の親戚は母型のお兄さんの嫁さんの兄妹なんで血のつながりがないので、存在すると。

 マコトさんが心配して来てみたが。


「お蕎麦屋さんなんだけど、店がない。やはり親戚は……」

 

 彼女は残念がっている。

 この世界、血筋も関係なく、とおい親戚も居ないのか。

 ならボクの方も。

 アレ、たしか叔父さんいたよなぁ。

 ボクを知らなかったし。母も。姉とか居ないと。

 親戚が居ても、ボクとはつながってないのか。


「マコトさん、考え方を変えよう。こちらに親、家族、親戚が居ないのなら怪獣被害にあうことがないんだ。だから心配もいらない」


 と3メートルを超える白いスーツ青髪のマコトさんを見上げて言った。

 顔もおおわれてるから表情が見れない。

 真ん中の赤いラインが少し動いた。


「そうね……」

「マコトさん、上!」


 怪獣の尻尾が降りてくる!


「ハッ!」


 と、ボクをかかえてマコトさんは、尻尾をよけた。


「枯木くん、安全なトコに!」


 と、マコトさんが光を放ち巨大化した。


 安全なトコってドコ?


 

 エクエストーム内。


「ホワイティーナだ!」


「フーッ、いきなり出てくるなよお嬢さん。あぶない、あぶない」


 イイダ隊員が、突然現れたホワイティーナを上手くよけた。危なくストーム機とぶつかるところだった。

 さすが防衛軍のトップパイロットだ。


 怪獣の尻尾がホワイティーナに巻き付いた。

 が、あの細いボディで怪獣を尻尾ごと振り回した。街には離さず振り回しなが、森林の方へ。


「投げた!」


 怪獣は頭ごと森林の中に突っ込んだ。


 尻尾を掴んだホワイティーナはフィギュアスケートのようにその場で回り始めた。


「ねじれた尻尾が切れたぞ!」

「やっかいな敵の武器を舜に使えなくしたぞホワイティーナ」

「うわぁ尻尾をムチみたいに使い怪獣を痛そう……」


「女王様みたいだ。顔の表情が見えないのがおしい……」


 隊長がボソッと。聞こえてしまった。


「隊長、ナニを言ってるんですか? そういう趣味が」

「ああ、彼女にたたかれたい……。あ、キョウゴクジくん、今のは聞かなかった事に……」

「はい隊長……」


「スゲームチさばきだな、あれってたまらないなぁ」

「グンマ、オマエはMか」


「あら、グンマ隊員も……」


 エクエスって意外と危ない人の集まりなんじゃ。


「怪獣がヒィヒィ言ってるように見えるわ。腹を見せてるわよ、カガミ隊員ミサイルを!」


 みんな変態かしら、カガミ副隊長まであのムチさばきに魅入ってた。


 やはり腹の方は薄い皮膚なんだ。

 ミサイルを数発食らって怪獣の動きが弱ったわ。


 そこへ、ホワイティーナの飛び膝蹴りが炸裂。


 ああ、ホワイティーナ。って、私まで。

 


「ヤローホワイティーナの膝蹴りを腹にくらって。KOだ。目を向いて動かなくなった」


 うわっまた光が!

 消えた。彼女も。



「さあ寮に帰りましょ。枯木くん」

 

 行きより少し小さくなったマコトさんがボクの前に。


「帰りは急ぐわ、しっかり掴まってて!」



 エクエス本部女子寮。


「あーあ、結局。クロウは女狐クローとできちゃうのか。キスシーンで終わるライダーシリーズは、初めてだわ」


 ガチャ


「あなたたち、鑑賞中にバックレてドコに行ってたの? ライダー終わっちゃたわよ。1クールなんてもったいないわ。ホントに大人のライダーだったわ。かなり興奮したわよコレ」


「ボクは、観てますからハァアクショーン!」

「こんな寒い夜に、外でイチャついてると風邪ひくわよ……。ごめんネ。私、おじゃま虫だったわね」


 と寮長の長篠さんは食べかけのポテチの袋を持って帰っていった。


「べつにおじゃま虫ではないのにね。あ、風邪ひくといけないからお風呂入ってて」


 お風呂、女子寮には部屋風呂があるのか。

 男子寮にはない。


 でも、マコトさんの部屋のお風呂。


「入りたいです。ヘェ~クション!」


             つづく

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