山狩
41話 山狩
大学では、警察が来てて現場の検証中。
「エクエスのキョウゴクジと、防衛軍研究室の津軽です」
と言って中に。
ヨレヨレコートのいかにもな中年刑事が。
「どうも。エクエスさん方。ホトケさん見てくだい。昨日まで生きてた警備員ですがね……」
シートをかけられた死体を見て、私たちは。
「うわぁ隊長が言ってました。ミイラが消えてミイラが残ったと……」
「警備員のミイラ……。これはアレに精気を吸い取られたようだね」
「昔の映画で、ありましたね宇宙人が地球人の精気を吸い取っちゃうヤツ。やはり、あのキムジナーのミイラは宇宙人で警備員の……」
「だとしたら、あの河童のようなミイラは今はミイラでなく……」
「人間二人分の精気を吸い元の姿になってるかも。やっぱテナガザルみたいな河童ですかね博士」
「近くに森がありましたね。ヤツがキムジナーなら、ガジュマルの木に……」
「すみません、お巡りさん。もうすぐエクエスの隊員が来ますから。私たちは大学の裏山に向かったと伝えて下さい。博士、いきましょう」
大学の前はすぐに海だ。そして後には低い山で森になっている。
キムジナーが好むというガジュマルの木も有るだろうから、逃走したキムジナーが居るかもと、研究室に居た警官二人も連れ山に入った。
「大の男警備員が二人襲われているので、ヤツは危険かと。本当なら山狩でも……」
「つい、出てきちゃたけど、たいした武器も持たずに……。お巡りさん、危なかったらピストル、撃っちゃって下さい。命が大事ですから」
「はい」
海洋大のヘリポートへエクエストームが到着。
「キョウゴクジさんたちは、逃げたキムジナーを追って山に入ったそうだ」
「シズナちゃん、無理するなぁ。警備員二人もミイラにしちゃうヤツだよなツガル、危険だと思わないか」
「危険だな。ヤラシ、僕らも森へ」
「とりあえずシズナちゃんに連絡とってみる」
「どうした、ヤラシ。キョウゴクジさんは出ないのか?」
「お、出た。どうしたシズナちゃん。なにかあったか?」
〘キムジナーらしきヤツに襲われてるの。お巡りさんが一人。きゃああ博士、逃げて!〙
「ツガル、ヤバそうだ。ストームから武器を!」
森の中。
「もうひとりのお巡りさんも……」
「ヤツの動きが早くてエクエスガンも当たらない。まあ僕は学者だから……」
「訓練をしてる私でも……。気配が……後! 右!
前! 当たらないわ」
クカァアア
見えたと思ったキムジナーが私の腕に。
「きゃああ!」
足も使い巴投げで思い切り投げ飛ばした。
ヤツは、いったん地に着き跳んだ。
「キムジナーは上だ!」
パンパンパン
ガンを頭上に連射!
手ごたえが!
ザサ、サササ
「逃げた?!」
「キョウゴクジさん、大丈夫ですか?」
「腕は噛まれたけど良かった。さすがエクエスのブルゾンね丈夫だわ」
切れても穴もあいてない。
「こっちの警察官の方が……足を噛まれてますが」
「ヘビに噛まれたようだ……。大丈夫です、なんとか立てます」
「無理しないで、緊急テープ貼るから、毒はないかしら……」
「アレはキムジナーなんかじゃなかった。オレが子供の頃に見たキムジナーは、もっとカワイイ丸っこい奴だった……人を襲ったりしない」
「そうなの、あなたキムジナーを見たことあるのね」
「ああ……」
「おーいシズナぁ〜」
「あ、ヤラシ隊員だ!」
「お〜い無事かぁ」
「おい、ヤラシ! 来てみろ」
「どうしたツガル!」
あとから来たツガル隊員の所へ皆で行くと。
「コレ見ろ」
足跡があった。
「三本指の足跡、コレはヤツのだ。ミイラのときより倍くらいないかなぁ大きい」
「そうですね……まあミイラでしたからね。まえは。ちょとした大人のテナガザルくらいはありましたよねあいつ」
「ミイラじゃなくなったのかキムジナーは」
「ヤラシ隊員、ヤツは人間二人分の精気を吸い取ってますから。っーつか、ミイラのままだったら不気味よ」
「いや、三人分だ。一緒に来た警官がひとり、見当たらない」
「ヤツが巣に持ち帰ったんじゃ……」
「巣は、何処かしら。奴が発見されたのはココから遠いわ、この森の何処かにでも。あ、先にお巡りさんの手当を……」
大学に戻り、地元の警察官や大学の人たち等で山狩の準備をし。
山狩が始まった。
昼過ぎに山のガジュマルの木が密集したトコの洞窟で連れ去られた警官の遺体が見つかった。
「制服を着たミイラだな。研究室の警備員と同じ姿だ……」
日が沈むまでヤツの捜索は、おこなわれたが見つからなかった。
私たちは一度エクエストームで本部に戻る事に。
津軽博士は、現地に残った。
エクエス本部。
ボクはエクエストームの格納庫清掃に行かされた。
間近で見るのは、初めてだ。
エクエストーム機。
爆撃もミサイルも撃ててホバリングで機銃攻撃も出来るジェット戦闘機に爆撃機、それに戦闘ヘリもかねた万能戦闘機だ。
よく見るウルトラシリーズの戦闘機が一つになったようなマシンだよなぁ。
まさかこんなものの本物が見れるとは叔父さんに話したら羨ましがるだろ。
しかも、本物の怪獣やヒーローも。
でも、帰れないと話せない。
ボクたちは帰れるんだろうか。
もし、こちらの世界で死んだら。
戻れるのかな。でも、死んだら体が。
精神だけもどってもなぁ。
ガタッ
ん、なんだ音が。
まだ、仕事をしてる人が居るのかな?
「枯木く〜ん居る!」
マコトさんの声だ。
ドコからかな。多分格納庫への出入り口。
「あ、居た。枯木く〜ん」
本部の指令室につながる通路だ。
考えたらそっちからだろう。彼女が来るのは。
あの音は?
「えっ、なんだ!」
ボクはナニかの気配に前にあった掃除具キヤリアでよけた。
ガチャン
つづく




