年始に怪獣
34話 年始に怪獣
森目邸。
「お帰り、ふたりとも」
「お正月に帰れるトコがあって嬉しいわ純子」
「嬉しいのはコッチもだ一丈青さん。キミがウチに戻って来てくれるなんて。あ、枯木くん、写メをありがとう。出来ればキョウゴクジさんの一人ショットが良かった……」
「兄貴、ナニ言ってんのよ。エクエスの隊員の私服ショットなんて、めったに見れないのよ。まああたしもツガル隊員だけのが欲しかったけど」
「しかしなぁ〜写真嫌いのキョウゴクジさんが私服で写ってるのは超レアモンだぞ。あるファンなんかスマホ取られて消されたんだから……枯木くんは超ラッキーだ」
「いやぁ~純子、お兄さん。次は二人のワンショットをお願いしてみるよ」
「あんたたち、いつまで玄関でしゃべってるの」
「お母さん、あけましておめでとうございます」
ボクとマコトさんは、同時にお母さんに頭を下げた。
なにしろ今回の仕事は、お母さんのおかげだ。
掃除夫だけどボクまでエクエス本部で働けてる。
しかし、ゾフィーも。で、もしかしたら奴の超能力みたいなモノで簡単にエクエス本部で働けたかも。
ドラマみたいに最年少隊員として、ボクたち二人マコトさんとエクエスに入隊出来たんじゃ。
でも、入隊してしまうと目立ちすぎる。
ヒーローとしての活躍はしづらい。
まあヒーローはマコトさんだけど。
ボクはホローさえ出来てない。
お昼だけど森目家の皆さんは、さっきまで寝ていて朝と昼が一緒だと。
テーブルにお節が並んでて、お母さんがお雑煮を。
異世界に来て、お正月に雑煮とお節が食べられるとは思ってなかった。
「お帰り」
「ただいまと、言わせていただきます」
「おいおい、そんなしゃべり方するなよ。ここは軍じゃないぞ。泊まっていけるのかい?」
お父さんはパジャマ姿でテーブルの椅子で新聞を読んでた。
聞けばお父さんも防衛軍の人でマシン関係とか、お母さんとは職場結婚と。
「僕らは明日から仕事ですから。帰ります」
「今日はゆっくりしてけよ。遠慮とか、するな。私や妻もそうだ。朝、一緒に出よう」
「そうよ。あそこは盆も正月もないからねぇ。今日休めたのはラッキーよ。泊まってゆきなさい」
「だよ、一丈青さん! 久しぶりに一つ屋根の下だ」
「兄貴は枯木くんと、マコトはあたしの部屋ね。なんだかワクワクするわ」
「純子、ワクワクってなんだ? わけのわからないことを言うな!」
「学校No.1の美少女と一緒にお風呂に入れるのよ」
え、たった数日学校に通っただけで学校No.1の美少女に。
あとから聞いたんだが、毎日図書館に来る美少女は有名になっていたらしい。
やはり、目立つな彼女は。
ちなみに純子。ボクはすでにNo.1の美少女と混浴しているんだ。
お兄さん、羨ましいだろう。
が、コレはナイショだ。
ちなみにキョウゴクジさんとも入った。
ツガルさんやヤラシさんも一緒だったけど。
キョウゴクジさんは大胆で堂々と混浴にドコも隠さず入ってきたのでボクは気を失いそうになった。
ヤラシさんたちは、なれてて、よく平気で人前で着替えたりするそうだ。
コレもお兄さんには言えない。
翌朝、お雑煮を食べながらテレビを見てると臨時ニュースが。
都心に怪獣が現れたと。
〘怪獣は獣のような頭で羽が有り東京湾から上陸したと言うことですね〙
〘現場の松岡です。まるで巨大なゾウアザラシですが、羽らしきものがあります。でも、あの翼では飛べるとは……ペンギンのように泳ぐのでしょうか?〙
〘ありゃペンギンゾウアザラシクジラと名づければわかりやすい怪獣じゃの……〙
「また、あの先生。見たまんまじゃない」
「そこがあの先生のわかりやすいネーミングだよ純子。その名を聞けば、すぐにアレかと思い出せる」
「でも、長くないですか。ペンジラとかまで縮めて言えば……」
「枯木くん、それも悪くないがゾウアザラシは、どこへ?」
「じゃペンゾウアラジラ」
「言いにくくない、枯木。ペジラでいいじゃない」
新宿都庁前。
「ココへ来る前に奴を」
「隊長、アレの名前が決まりました」
「なんという名だカレン」
「ソレが……エンペラペンギンゾウアザラシクジラザウルス」
「長いなザウルスって」
「アザラシと違い短いながら前と後ろに足のような物が。で、ザウルスと」
「言いにくいな、ペジザウルスでいいだろ。エクエストーム、モービル。聞こえるか? 奴のコードネームはペジザウルスとする」
〘了解!〙
モービル内。
「エンペラペンギンゾウアザラシクジラザウルスとは、よくつけたもんだ。あの先生。結局ペジザウルスだもんな。はじめからそういう名に」
「だね、ヤラシ隊員。ヤツが来ました」
「操縦代われグンマ。一発かましてやる」
「正月そうそう、まいるわね。アレ」
「結局なんてぇ名前でもヤツとかアレとか……なんだかなぁ~」
「グンマ隊員、ボヤかないで」
「べつに……皆思ってますよキョウゴクジ隊員」
つづく




