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八甲田山の怪獣

32話 八甲田山の怪獣


「こちらストーム、モービル応答願います……。隊長。やはり通じません……」


  ガガガガガガ


「コレは妨害電波が……。あの山あたりから」


「隊長、雪原に巨大生物!」


「カガミ、上昇」

「山なら何か角のような物が……あそこから妨害電波が……」


「雪原に巨大生物発見……。長い白い毛の獣人ですかね。アレは。おい、そばに雪をかぶった箱……いやモービルだ!」


「あの白い毛の巨人は、なんだ?」

「もっと近くに寄りますか」


「まって、カガミ隊員。あまりあの山のような物に近寄らない方が、アレから発せられる妨害電波は、ただの妨害電波じゃないよです……。モービルとの交信不能もアレが原因では……」


「よし、イイダ。ドローン・ビーを5機発進させろ。あの角のそばへ」


「はっ、ドローン・ビー発進!」


「イイダ、1号と2号を近づけてみろ」


「はっ、ん〜なんだ。2機が操縦不能!」


   ンガァアア


「1号2号が、落ちた!」


「隊長、怪獣です。あの山は生き物だ!」


 山が体をゆらし雪を落とした。


「デカいイノシシ?」


「イイダ、イノシシには角はないぞ」


「白毛の獣人が、山のようなのの、背に乗り頭の角を掴んだぞ!」


「カレン、ヤツからの電波は?」


「まだ、発せられてます」


「カガミ、あの角にミサイルを!」


「はっ!」



 モービル内。


「ストームが来たぞ! おぁたっ! ドローン・ビーが2機、落ちたぞ。あのドローンもコイツと同じように機能停止か。ドアさえ開けばロケットランチャーで……」


「ヤラシ、天井だ、天井のハッチは手動で開けられる」


「そうか、そこの脚立を……」


「あっ、あの白い獣人が、ヤツの背に」


「危ないわよヤラシ隊員、山怪獣がコチラに動き始めたはハッチは開けないで!」


「ストームがミサイルを!」


   ドドドッ


「ミサイルが怪獣の顔に命中! ヤツの

進路がそれた!」


   ドドドッ 


 雪煙を上げてモービルの横を通り過ぎたのが見えた。

 ミサイルが当たらなければモービルはヤツにハネられた。

 ハッチを開けていたらオレも外に。


「二発目のミサイルが尻に命中!」


 ヤツは効いたのか前足を上げた。

 


 ストーム機内。


「二発目が命中! どうだ、ヤラシ。私の腕もまんざら……見てるか、ヤラシ?」


「あの獣人がまだ角に捕まり……。あの怪電波が消えました。後ろから首を絞めてるぞ!」


「イイダ、残りのドローンで電流攻撃でヤツの足を停めろ!」


「見て、獣人が角を折ったわ!」 


「いいぞ、ヤツの動きが停まった! ビリビリ攻撃行くぞ! 電撃!」


  グァアアー


  ドスンッ


「獣人もしびれて落ちたわ!」


 

  酸ケ湯温泉。


「こんにちわぁ〜。おじゃましまーす」


「あ、いやぁ~うちの風呂では、あらへんから遠慮なく。自分ら大胆ですなぁ〜前も隠さんと」


「あら、見てたんですかぁ拝見料いただきますわよ」


「かなわんなぁ〜」


「関西からですか?」


「いやぁ~わいらは関東人やさかい東京や」

「ゾフィーさん、本部は千葉県ですよ」


「あら、私たちも関東よ、埼玉だけど。本当に関東なんですか? 関西弁じゃないですか」


「わいは出身は関西なんや。仕事で関東にな」


 ゾフィーが女性たちと話してる間に女性たちの背後からゆっくりマコトさんが湯に入った。


「あ、マコちゃん、こっちに来いへん!」


「恥ずかしいから、ココで」


「あら、カワイイ子ね。私たちの影に」

「あっちのスケベそうな男たちの方なんて行かなくてもいいのよ」


「ありがとうございます」


 おわっゾフィーと一緒にされた。ボクもスケベ男に。


 まあ、ボクも男だから女性の裸は見たいが。

 マコトさんのは特に。


「ねえ夕食終わったら一緒に卓球しまへん?」


「卓球……」


「温泉来たら卓球やろ」


「そうなの……」

「わたしはカラオケしたい」


「カラオケなんて、どこでも出来るさかい、温泉卓球やで」


「カナエ、ココの旅館にカラオケなんかないわよ」

「そうなの……」

「ノゾミは卓球やりたい?」

「タマエ、運動ウンチだもんね」

「やだ、ノゾミ。運動オンチでしょ」


「あのゾフィーさん、夕飯の後はボクと将棋では。ボクも運動オンチで卓球は……」



 八甲田山。


「ヤラシ隊員、モービルが」


「やったぜ、後部のハッチを開けてくれ。ロケットランチャーをくらわしてやるぜ!」


 ハッチを開くと風はあるが吹雪いてはいない。


 あのイノシシみたいなデカいのが足をしびれさせられ横倒しになってる土手っ腹に撃ち込んでやる。


 ロケットランチャーを4発ヤツの腹に。

 4発目が当たると腹に穴が。


「あの獣人が、腹から臓物を引きずり出し食い始めた」


「ヤラシ隊員、アレは我々に敵意はないようだ」


  うーあーあー


「声が聞こえた、アレは人間だ!」


 動くコトが、出来るようになったモービルを移動させて、倒れた怪獣が見える向きに変えた。


 フロントウィンドウから、イノシシ怪獣をサバく獣人が見えた。


「ヤロー足をひねり取ったぞ、エサなんだあのイノシシは」


  うーあーあーあー


「また、あの声だ。今度はおまえたちも聞こえたろう?」


 ハッチを開けたままなのでモービル内でも声が。


「何かしら? アレ、人の声よね」


「さかりのついたネコじゃないのかなぁ。獣人が、反応してる」


「また、吹雪いてきたわ」


 獣人は、ある程度バラしたイノシシ怪獣をかついで吹雪の中へ、山奥に歩いて消えてった。


「アレは……」


〘モービル、応答して。通信できてる?〙

「コチラ、モービル。はい、回復しました。雪山になっていた怪獣のせいで、どうやら……」


 あの白い長い毛むくじゃら獣人を呼ぶように聞こえたあの声は何だったんだろう。

 女の声にも聞こえた。

 そしてあの獣人は。

 その後、あの獣人らしい目撃があったが、人里に来ることは、なかったという。


             つづく

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