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108匹を倒せ

30話 108匹を倒せ


「うわぁなんでココに、あんたが?」

「わいもココで働いてるんやで」


「どうやって……入ったんです。ココはエクエスの本部ですよ」

「まあわいに不可能はないんやで。なにしろ宇宙人やさかいな」


「大丈夫ですか、見つかったらヤバいんじゃないですか侵略者だと思われたら即監禁ですよ。解剖されたり……」


「そんなヘマはせんで。それに侵略者でもないねんからわい」


 通路を掃除してると突然現れた自称宇宙でマコトさんの師匠ゾフィー・マックス。

 ボクと同じ清掃員姿。


 ココの清掃員は、ほぼ防衛軍を定年退職した老人だ。はっきりいって若いの人は少い。

 ホグのようにはコネで入った人も。


 ゾフィーも何歳か知らないが見た目は、おじさんだ。ボクより他の清掃員に交じれる。


「ウソ、師匠がなぜココに」


 防衛軍のコスチュームにエプロンをかけ、お茶のワゴンを押したマコトさんが。


「おや、こんなトコで、三人顔をあわすなんてぇコレも運命なんでっかね〜」


 たんなる偶然じゃ。いや、あんたは偶然とかじゃないだろう。


「どんな、運命ですか。ボクたちは元の世界へはどうしたら帰れるんですか」

「あんなぁ〜胸ぐらつかまれてもぉ……離さんかい。教えたる」


「終えて下さい」


「マコトちゃんが怪獣を108匹倒さんとなぁ〜いかんのや」

「なんですか、ソレ煩悩の数ですか!」

「また、苦しいでんがな……」

「なんでそんなに倒さないとぉなんないんですか!」

「あぁ今のはジョークや、帰る方法は……。それはわいにもわからんのや。離しんしゃい!」


 うわぁ、ゾフィーが本気出したのかボクはあっさり投げられた。

 コレがコスモフィストか?


「師匠、暴力はヤメて下さい。大丈夫? 枯木くん」


「コイツが首絞めるさかいについ……」


「つまらないジョーク言うからです。『わいに不可能はない』もジョークですか?」


「せや。笑いは心を豊かにするんやで……」


「なら笑えるジョークを言って下さい!」


「師匠……。本当に知らないんですか?」


「ああ、とりあえずわいたちが仲良くこの世界でやっていく間に帰る方法探しましょ」


「それも仕方がないとして、怪獣退治はあんたがしたらどうなんです? コスモフィストの師匠なんだから、なんでマコトさんが」


「あんなぁ〜。マコトちゃんにぃあの玉を入れてしまったんやで。わいには怪獣と戦うほどの力はないんよ」


「そうですね……。わたしが怪獣を108匹倒します、それで帰りましょう」

「マコトさん、ソレはジョークなんですよ」


「そこの清掃員、こっちの通路が汚れてるからキレイにしてくれ!」


「はい、ただいまそちらへ!」



 指令室。


「訓練はいいが、見たか天気予報。訓練予定地の青森八甲田山訓練場は大雪だってよ」


「私、寒いの苦手なのよね……」


「だから、冬のこの時分に東北で訓練するんだキョウゴクジ隊員」


「冬でドカ雪の青森で、しかも八甲田山って。防衛軍はオレたちを殺す気か?」


「何を言ってるヤラシ、いつの話だ。今の装備だぞ、それにモービルも使う。昔の八甲田山と一緒にするな」


「でも、カガミ隊員。あそこには悪い霊が沢山居るんだそうだ。去年、あそこで雪中行軍演習した防衛軍が……」


「ヤラシ隊員、ソレ本当だと思います?」


「なんだ、その顔は。グンマもシズナちゃんも信じてないのか? モービルが原因不明の故障で、しかも温度の下がり方が急激で防寒服が役にたたないほど下がったと聞いたぞ」


「なんでそんなトコで我々が訓練するんです隊長ぉ」


「ソレはだな……表向きは訓練だが調査もかねてるんだよヤラシ」


「なんの調査です?」


「八甲田山で、怪獣らしい鳴き声を聞いたとか……姿を見たとか……」


「なら、訓練ではなく調査にしたらいいんじゃないですか。エクエストームも飛ばして」


「もちろんスタンバイはさせる。付近の住人には騒がれないように怪獣が出たら倒す」


「住人を避難させた方が……」


「それをせずに倒すのが我々エクエスだ」


「しかし、クリスマスにやることないですよねヤラシ隊員」

「グンマ、オレに言われてもなぁ……」




 東北自動車道。


「しかし、すごい偶然ですね。三人が同日に休日なんて」


「わたしの方はエクエスの皆さんが訓練で出かけちゃうので」 


「まあわいが、ちょこっと細工したさかい枯木くんと休日を同じに」


「あの温泉旅行券も何かして、手に入れたんですか?」


「ピンポン!」


 休日のボクらは温泉旅行に東北に向かってる。


            つづく

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