白い巨人
17話 白い巨人
「橋本ぉなんだと、聞かれても僕も、わからん!」
「シッポを掴んだ。怪獣をコッチから離そうとしている。アレは味方なのか?」
「どうかな? 宇宙人か、それとも異能力の超人か」
シッポを掴んだまま、怪獣の顔にキックをはなった。
「スゲーキック一発で怪獣の角が折れた! やはりアレは味方だ」
橋本の言うとおりかも。
人型だし、怪獣をこちらから引き離そうと、しかも後ろ回し蹴りがモロ顔に入って怪獣の歯が折れた。
おわあっ、今度は手刀でシッポの根本から斬ったぞ。
「おい、何見とれてるんだ動画を、森目!」
おっと、そうだ。
横倒しのバスの上では様子がわからない。
ゾフィーは、軽々と上に登りマコトさんを見に行ってしまった。
ズズッガバァーン。
うわぁ、怪獣が上から落ちて来たぁ!
なに、怪獣の鼻の上の角が無くなってるし、シッポが斬られてる。っつーか、落ちて来た。怪獣は、口から泡と血を。
コレはマコトさんが? 早い。
「ふっヤれば出来るものね。怪獣を退治したわ」
突然、ボクの後ろに等身大のマコトさんが現れた。そして全身が金色に光ると学校の制服姿に。
いや、間近であの白いスーツ姿をもっと見ていたかったが。
「おう、見事。わいの弟子だけのことはある。思ったより早く退治しおったでぇ。お見事、マコちゃん」
ゾフィーも急にバスの上に現れて拍手した。
そして日の丸が入った扇子を出し。
「あっぱれ、あっぱれ」
と、あんたは本当に宇宙人なのか?
少しまえ。バックするビーグル内。
バックを自動で出来て良かった。イイクルマだ。コイツは。
オレはジャンゴ砲を撃ちまくりさがる。
傷は出来ないが水鉄砲くらいには効いているみたいだ。
しかし、あの怪獣の背後に現れた巨人はなんだ。新手の敵か? エイリアンか。
〘ヤラシ隊員、映像がとどきました。怪獣の背後に白い巨体が見えますけど〙
「ああコチラも驚いている。おっ腹に膝蹴りを入れた、肘で怪獣のアゴを」
〘実況しなくても見えてますヤラシ隊員〙
〘ヤラシ、こちらにも映像が、そちらも面倒なコトになってるな。こっちの怪獣は、手強くてな手ぇいっぱいだ。救援が出来んのだ。すまん〙
「隊員、コチラは一匹片付きました」
〘おおっ見えてる。角の怪獣が倒されるのが……。しかし、あの巨人は何者だ?〙
「わかりません。あっ消えた。ドコに行ったんだ
」
ドローンであたりを。おおっ怪獣が落ちた崖の近くに倒れたバスが。
バスの上に人が、助けなければ。
「カレン、怪獣に襲われたバスが道路から落ち横倒しに。人が見えるだろ、救助を」
〘ええ、わかりました。すぐに〙
あそこにはビーグルでは無理かな。
クルマから降りるとあのバイクのミリオタたちが。
「キミたち、まだ居たのか。大丈夫か?」
「ええ、あの白い巨人のおかげで助かりました」
「ああ、だな。悪いが、そのバイクを貸してもらえないか」
「いいですけど……。ナニを?」
「向こうに道路から転落したバスがあるんだ。ビーグルじゃ行けないからちょっと貸してくれ人も見えた。様子を見てくる」
ヤラシ隊員が、バイクにまたがり走って行った。
上空を見るとドローンが飛んでてヤラシ隊員を追った。
「見ろ、橋本。あの白い巨人をしっかり取ったぞ、このスタイルだと、巨人は女だよな」
「ああ肉眼で見ててよ、ほどほどに大きな胸にくびれた腰、それに柔らかそうなセクシーな尻。全身スーツで顔が隠れてるのはおしいよなぁ。アレは美人じゃないか?」
「おまえ、まるでグラビアアイドルの感想だな、たしかにイイスタイルだったが……顔を隠してるのはエイリアンで人間とは違うからじゃないのか」
「だけど、このアゴや鼻の盛り上がり、目や口は普通の位置に有り人間みたいだ。このアゴのラインでもなんか美人そうに見えないか?」
たしかにスーツは着てるというより体をおおってるという感じだ。
動画で見ても身体の凹凸がハッキリわかる。
何ショットか撮った画像を拡大して見ると。
この顔は、目が三つとか口が裂けてるようには見えないな。
ボクとマコトさんはバスの中に戻り倒れてる人たちの様子を見た。
ケガをしている人や気絶だけの人。ゾフィーが言ったように命を落とした人は居ないようだ。
「あ……。一丈青さん? 大丈夫だった……痛たぁ~なんか腰うったぁ」
「わたしは大丈夫よ、純子」
「あたし死ぬかと思ったわぁ……」
「ボクもだよ、落ちてるときに走馬灯が見えた」
「あんたも大丈夫なの……枯木。あっ怪獣は!」
森目純子の怪獣の一言に、バスの中の皆が反応した。
「怪獣は、どうしたんだ?!」
横倒しのバスだ、外は見えにくいが、後ろと前が見える。
「おう、見ろ外に怪獣が倒れてるぞ」
「ホント、血を流してるわ」
「わーい、怪獣がやられたぁ」
「おい、バスの外にバイクが来たぞ」
「あれは、エクエスの人じゃない?」
「そうだ、エクエスのヤラシ隊員だわ! 彼らが怪獣を倒したのね。助かったんだわ」
様子を見に来たのはヤラシ隊員が一人のようだ。
そしてしばらくすると救助トレーラーが現れた。
「助かりましたねマコトさん。あれ……」
さっきまでそばに居たマコトさんの姿が見えないな。
「枯木く〜ん」
救助トレーラーの方から毛布を巻いたマコトさんが。
時間切れで服が消えたのか。
「事故で服がボロボロになったと伝えたら、着替えはないと毛布を渡されたの。あの巨人のスーツを使ったからか制服の時間が……。トレーラーがもう少し遅れたら……」
「こんなトコに居たのか、探したよ。あら一丈青さん毛布姿……」
「純子、マコトでいいわよ。事故のときに制服が切れちゃてね……」
「そうだっけ……。あ、ジャージ持ってるから貸して上げる」
「ありがとう助かるわ」
つづく




