シルビーの顔
100話 シルビーの顔
キ、コーン
「あ、誰か来た。失礼、シルビーさん」
人が、また来るなんて。
「どなたですか?」
〘マコトです〙
ええ、今度は本物?!
「あの、シルビーさんは?」
ドアを開けるとマコトさんが。
「居ますよ……。いきなりマコトの姿で」
「やっぱり……。仕事してたら夏樹さんが、男子寮の方へ行くわたしを見たと。で、シルビーさんじゃないかと。男子寮なら枯木くんのトコしかないと」
「あ、入ってください。話は中で」
「あ、シルビーさんわたしの服着て。あら、ピッタリですね。昨夜とは……」
「おはよう……。マコト」
「え、ナニ? 声まで変わってる。それ、わたしの声?!」
「違うか? 違うなら直す」
「シルビーさん、大丈夫です。完璧にマコトさんの声です。自分の声って、ちょっと違って聞こえるんですよ」
「もうシルビーさん完璧にわたしね……他人なら間違えるわ。で、ナニしに枯木くんの所に?」
「枯木がわかるか、ためしに来た」
「シルビーさん、いたずらならやめてくださいよ」
「いたずら……。ちょっとまって、訳すわ……悪いたわむれ……。悪いことをした?」
「いや、まあたしかに良いコトではありませんけど……」
「そうですよシルビーさん、わたしの姿で歩きまわらないでください」
「そうか……。でも、私の好きな地球人顔では、もう歩けないから……」
「なら、わたしではない人で」
と、言ったらシルビーさんが頭を3回振り顔を手で整えて。
「この顔は気に入ってる」
「その顔はカレン隊員じゃないですか。でも、髪型はわたしね。それは、やめましょう。ココや防衛軍ではアイドル的存在で目立ち過ぎます……。誰かココの関係者以外の人で」
「そうか、私はそれほどでもないが、こんな顔は?」
また、さっきのように顔を。
「あら、今度は外国人ね。誰?」
「知りませんか? 映画女優です。マコトさん」
「あ、髪型はわたしままだから……。エマ・ワトソンかしら」
「調べたらこういう顔の女性が美人No.1と」
キン〜コォ
「ナニ? 今の音、枯木くん?」
「多分、ドアフォーンだと……いかれてるんです」
今日は、よく人が来るなぁ。今度は?
「そういえば、わたしのときも……。変な音したわ枯木くん」
「わかりました?」
ボクがドアまで走り。
「はい、どなたで?」
〘わいや〙
え、ゾフィー。
「マコトさん、ゾフィーさんだ」
「え、師匠が」
ガチャ
「おじゃましまっせ。コボちゃん、久しぶりやなぁ。今、マコトさんと聞こえたで〜。一緒でっか?」
「お久しぶり師匠。どこ行ってたんです?」
「ちょっとなぁ……。シルビーと今後のコトで相談しちょりましてなぁ〜」
「あれ、もう一人美人さんが? コボちゃんにしちゃ〜やりまんなぁ」
「お初にお目にかかりますぅエマいいますぅ」
「エマちゃんかぁ。この娘は?」
「ゾフィーさんのよ〜く知ってる人です。わかりませんか?」
「ええ、わいの知っとる人!」
と、居間に入り込んだシルビーをゾフィーは目の前まで来て。
「あんた、ハーフ? 日本語うまいなぁ〜」
「おおきに。あんたはんの関西弁はヘタやなぁ〜。☆Ⅷ△Χ」
「え、シルビー! 化けるのうまぁなったなぁ〜。その声は翻訳機?」
「そうです。師匠!」
「わっ声がマコちゃんになった!」
「最新式やで、スゴイやろ〜」
「今度は関西弁や! 顔はよく見れば映画女優やないけ! そんなコトが出来るようになったんならわいの好みにシルビー」
シルビーは、巨大化したときの切れ長の長いまつ毛顔に。
「ソレじゃおまへん! 昔のシルビーの顔や。あの顔が一番やった……」
昔のシルビーの顔。ゾフィーの一番好みの顔って。どんな。
「アレはヤメたの美のかけらもない醜い顔など戻りたくないわ」
「そうかなぁ〜。わいは良かったでぇ」
「☆Ⅶ△Χよ、ここに来て美意識変わらなかったのかしら?」
「まあ少しは……。正直、その顔もエマ・ワトソンもええ、マコちゃんもええでぇ……。あ、ところでどんな顔やったかな。好きだったのは憶えてる、昔の顔。でも、どんな顔だったか……記憶が。もうなん百年、いや何千前だっけ?」
「あなたと分かれてω♀∈Ⅴのトコに行ったのは3万年前よ、ココの年で数えたら」
ええ、そんなに。ゾフィーはいつ地球に来たんだ。
いや、正しくはココではないボクら世界だ。
「そんなに長くはないかも、わい次元渡りがヘタであちこち行ってたから……」
ゾフィー関西弁じゃなくなってるぞ。
「ちょっと、こっちに来て。あなただけに見せるわ。まえの顔」
と、ふたりはトイレに。
「枯木くん、マーブル星人って元々どんな顔だったのかしら。師匠の顔も元は違うのよねきっと」
「ええ、妙に昔のイケメン顔だしね」
でも、マコトさん。マーブルって星の名前ではないからマーブル星人は、違うのでは。
まあわかりやすいけど。
「ひいっ!」
ゾフィが青い顔してトイレから出て来た。
あの悲鳴と、いい。
どんだけ酷い顔だったんだ昔のシルビーは。ボクはあまり見る気はしない。
シルビーはマコトさんの顔で出て来た。
「まさか……あんなに酷かったとは。この地球の美とは、かけ離れていた」
「ゾフィーさん、ショックで関西弁、忘れてますよ」
つづく




