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休日も休めない

 翌日。

 俺は起床し、ベッドから降り、リビングに降りていくと、市川の姿があった。

「げぇっ!」

「おはよーともくん!!げぇはないよ私に向かって。今日は暇だよね?一緒にデートに行こっ!」

「行かないよ!恋人にすらなってないんだから」

「恋人じゃなきゃデートはしてくれないんだ……ショックだよぅ」

「落ち込もうがどうしようが、行かないからね」

「ともくんともくん!!私が居ながら、他の娘を恋人にしてるの?それはショックだよぅ、私一筋でいて!!」

「恋人なんて居ないよ。朝からテンション高いなぁ、市川さん」

 俺は後頭部を掻きながら、煩わしかった。

「私以外に現を抜かしているの?なんで……なんで私以外を好きになるの?ねぇなんで!?」

 ダイニングチェアから立ち上がり、脚の指が触れ合いそうな距離まで詰めてきて、顔を近づけてきた彼女。

「なんでって……そういうテンションが好きじゃないんだよ、市川さんの。はっきり言うけど、何度も言うけど、君は好きじゃない。恋人も居ない」

 その場に崩れ落ちる彼女だった。

「ともくん酷い……私が好きなともくんが此処に居ない。あの頃のともくんはそんなこと言わなかったのに……私にすら優しく声を掛けてくれたのに……」

「俺そんなことしたっけ?良いから帰って」

「ともくん、ともくんともくんともくん、ともくんともくんともくんともくんともくんともくんともくんともくんともくんともくん——」

「怖い怖い怖い!!そんな連呼しないで!?あぁーあっデートしたら帰ってくれるの!?」

 壊れたカセットテープみたいに俺を呼ぶのが恐ろしくなって、彼女の要求をのむことにした。

「ぐすぅっ……うぅぅ……デート、してくれるの?」

「あぁ、する。デートに行くから、どこに行くのか教えてくれ!!」

 ゆっくり起き上がった彼女に抱きつかれ、顔が引き攣っていた俺だった。

「ともくん、ありがとう!!ともくん、大好き!!ともくん、愛してる!!」

「あぁ、そう……じゃあ着替えてくるから離して」

「うん!」

 俺は自室に戻って着替えた。


 着替えて、市川と自宅を出た。

 歩き出して、彼女が聞いてきた。

「私のファッションどう?」

「えっ?あぁ……可愛いよ、似合ってる」

「ほんと?褒めたら良いとおもってる?思ってることを聞いてるの?」

「えぇ……可愛い、似合ってる!ほんとに思ってる」

「嬉しい、ありがとう!!」


 10分程歩いてから、彼女がおそるおそる聞いてきた。

「手を繋いでも良い?」

「あぁ、うん」

 俺は彼女に片手を握られた。

「緊張してる?手汗かいてるから」

「市川さんとデートしてるからね」

 彼女とのデートは楽しめなかった。

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