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モモさんとこれからについて話そう

 それからモモさんはどこかに……たぶん従兄弟の営業課長に連絡したあと、俺を社外のカフェに連れ出した。

 何の話かと促すと、モモさんは口に含んだ紅茶をこくんと飲んでから、ゆっくりと話し始めた。


「氷上社長が200人いたら、理想的なんですよね、きっと」


 そして、なぜか楽しそうににこにこする。


「きっと短いコミュニケーションで顧客の要望を把握して、無駄口一切叩かず業務を淡々とこなすんでしょうね。それだけ優秀なのに人間関係への期待が希薄で自由の欲求がない人っているにはいますけど、希少です。集まったらさぞ壮観でしょうね。……あっ、流行りのAIで社長のコピー作ったらもしかして解決です?」

「こらこら人事コンサル」


 ツッコミを入れておく。

 実はなかなか良い解決策のような気もするけど、論点はそこじゃない。




 †




「氷上社長はよく、あれこれして当然だ、と社員を叱りますよね。何のためですか?」

「そりゃ、やる気を出させるために……」

「では社長のお説教のあと、目を輝かせて『やる気出ました!』って言う人はいましたか?」

「………………いない」


 記憶を掘り返してみたけどやっぱり無かった。







「でも誰かがはっきり言ってやらないと、あいつらいつまでも変わらないだろう」

「確かに視野を広げるための情報提供は効果的です。でもそこに向かっていくかどうかは本人の選択です。なぜやらないのか、お前はなんてダメな奴だと批判されたら、自信をなくして嫌になってしまいます。同時に社長のことを嫌いになります」

「……視野を広げるための情報提供はしても、批判はしない、と?」

「はい。ここでやるべきことは傾聴だと、私は思います。本人が何を目指しているのかを親身に聞き取り、その上でその目的達成に効果的な情報提供をすれば、自然にそこに向かっていくようになります。なので社長」

「な、何」

「次に何か社員を変えたいと思った時は、一旦口をつぐみましょう。社員は常に、会社のために自身にとっての最善を尽くしています。可能なら感謝を述べて、彼らがやりたかったことを聞いてみませんか」

「…………善処する」

「きっと、あなたならすぐにできますよ」


 モモさんはいつものように目尻を緩めて笑った。

ここまで読んでくださいましてありがとうございました。


ここからはモモさんと問題解決していくドキハラ展開となりますが、本作は4コマ原作という位置付けから大幅設定見直しを余儀なくされました。


見直し後はモモさんが総務の中途入社社員になり、より密なやりとりになっていく予定です。

応援くださる方は、ぜひX(Twitter)アカウントをフォローしてお待ちください。


皆さんの日常に、癒しと肯定的な変化がありますように。


2024年4月 八柱エル

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