フラグは早めに回収しないと忘れる
「ダンジョン滅殺!ダンジョン滅殺!」
「ダンジョンは悪!人間に危害を加える存在です!ダンジョンの完全破壊にご協力ください!」
フラグだったかぁ…。
キャリーができなくなるレベル帯の層で攻略をストップし、解散後、冒険者として遊ぶべくギルドに行ったら…これだよ。なんかギルド来るたびにやべーヤツに会ってる気がするな。ウチの常連三人組以外良いとこなしだぞ。
「なぁ、あいつらなんなんだ?」
常連三人組の脳筋美少女、ジェーンがわりとでかめの声で言ってるのが聞こえる。
「ジェーンちゃん、目を合わせちゃダメだよっ」
「あれは”迷宮破壊主義者”たちだよ。ダンジョンを極端に危険視していて、全ダンジョンコアの破壊を目標としているんだ。つまり、僕たちの商売敵だね」
「そんなやつらがなんでギルドにいるんだ?」
「ダンジョンの情報を集めようとしてるんじゃないかな」
「迷宮破壊主義者はダンジョンで死ぬことを最大の不名誉としてるんだって。だからびっくりするぐらい慎重で、実際に行った人の話じゃないと納得しないし、『試しに入ってみよう』なんてことも絶対避けたいの」
「ふーん」
マナとルートがダンジョン雑学を交互に教えてるお馴染みの光景だ。ジェーンは興味なさげだが。
「そこの君たち、近くにあるダンジョンに行ったことはあるか?」
「ま、まずいよ。こっちくる…!」
マナは小声のつもりだろうが、バッチリ聞こえてたみたいだ。迷宮破壊主義者たちは肩を怒らせて詰め寄る。
「我々を悪しきもののような物言いを…なんと不敬な!」「我々の崇高な理念を理解できないとは…」「嘆かわしい!」「やはり冒険者はダメだ」「ダンジョンに洗脳されているに違いない」「解放してやらなくては」
いい大人たちが取り囲みまくし立てるせいで、マナはすっかり委縮してしまっていた。
「ちょっと強引じゃないですか?」
「そうだ!囲んでなんか言うなんて卑怯だぞ!」
両者の間に割って入り、怯えてきったマナを後ろに隠す。ルートは努めて冷静でいようとしているが、ジェーンなんて今にも殴りかかりそうだ。てぇてぇ。
いやぁ、にしても。
(おもしろそ~~~~~~~)
(マスターってなれなれしいやつは嫌いですけど、目に見えた地雷は嬉々としておちょくりに行きますよね)
(爆発するタイミングを踏んだ側が操作できるのめちゃくちゃ面白いんだよな)
(最低です、マスター)
わぁい、褒め言葉。
「ねぇ、それって僕たちが案内してもいいの?」
「誰だ」
「あっ、エルガー、トーチ…!」
「僕も彼らと同じ冒険者だよ。近所のダンジョンの情報を求めてるんでしょ?」
「あぁ、そうだが…」
「なら、案内役は僕らに任せてよ。僕ほどこのダンジョンに詳しい人間はいないって自負してるんだ」
(制作者ですからね)
「ふん、信用できるのか?」
「一応五階層までクリアしてるよ」
思想家のみなさんと会話する間、冒険者三人組に”逃げて良いよ”のウィンクを飛ばす。美少女には健やかに育ってほしいからな。
(エロトラップダンジョンを造ろうとしていた人が…?)
黙秘権を行使する。
「攻略方法は教えるけど、進むのは自分たちでやること。宝箱などの報酬は七割こっちがもらう。どう?悪い条件じゃないと思うけど」
「報酬は4:6だ。それと貴様らが先導しろ」
四名様ごあんな~い。




