かわいい新入り
「名前は?」
「わたし…?わたしは、ケーニ…。歌、いらない…?」
ぽやぽや可愛い系ハーピィか…助かる…
「歌は後で聞く。その前にお前の配置を決めたい」
五階層はケーニのための層にしよう。だが、どういうポジにするかが悩みどころだ。メスガキ煽りは一階層でやっちゃってるからなぁ。性格的にも向いてなさそうだし。
せっかくガチャで結構出たし、動物と組み合わせるか。今回引いた動物型はほぼデカくて一階層とはテーマが合わないんだよな。にしても、この大量のゴブリンは何に使えば良いんだ。無計画にガチャしたせいで余分なのが…あ、いや。
「それこそ『合成』か」
全部ケーニの強化に回そう。
「ひいきがとどまることを知りませんね、マスター」
「わ…つよくなった…ありがと、ご主人様」
「こちらこそありがとう」
「気持ち悪いですよ、マスター」
自覚はしてるからセーフ。
さて、ケーニを見ていたら一つ案が浮かんだ。
「人は、自分が苦しいときに幸せそうな人間を見るとクッソ腹立つと言う」
「一理ありますね」
「五階層は環境最悪の一本道にする。悪路で気候も気温もめちゃくちゃのな。一番ムカつくタイミングで多少魔物もけしかける」
なんとなくもったいなくて『合成』しなかったホブゴブリンは冒険者襲う役にしよう。弓でも持たせて殺さない程度にチクチク刺す役だ。
「そしてここからがこの階層の肝だ。投影の魔道具を購入して、マスタールームで動物と戯れたり、お菓子をお腹いっぱい頬張ったり、安全で穏やかな場所でうとうとお昼寝するケーニの姿をモニターに映す」
「半分くらいご自分が見たいだけだけですよね?」
「そうだが??」
「堂々とすれば良いってもんじゃないぞ、主」
でも隠された変態よりオープン変態のが清々しくて良くない?少なくとも俺はそう思うね!!!
「スヴェンの手が空いてるときはデバフ要員として五階層にも派遣するから、そこんとこよろしくな」
「心の中で今なんか言ったな…?マァ了解だ」
「ケーニはさっき言った通り自由に過ごしてくれ」
「歌は…?」
「好きに歌え」
「わぁ…!やったぁ…!」
おめめキラキラでかわいいねぇ!!!!!!
「マスター、気持ち悪いです」
「てか主、表に出さないなら『合成』で強くする意味なかったんじゃないか?」
確かに…
「ホブゴブリンだけじゃ手が足りないときは邪魔する魔物役も務めてもらうつもりだ。ハーピィは《風魔法》も使えることだし、ヒットアンドアウェイも可能だろ?」
「今一回納得したよな?」
チッ、バレたか。《読心魔法》のオンオフが上達しやがって。
「会話が途切れて一瞬黙るときがあるから、そこ狙って魔法使ってみた。なんとなくコツが掴めてきたな」
「…?なんのはなし?」
「あー、主は心の中で何か話すことがよくあるんだよ」
「わたし…心よめない…。仲間外れ…イヤ…」
「《読心魔法の指南書》だ。使って良いぞ」
「…本当にひいきが凄まじいですね、マスター」




