忠実
引きこもりに飽きた。
「外行くぞお前ら」
「唐突ですね、マスター」
「え、俺もか?」
慣れきった反応をするトーチとは対照的に驚くスヴェン。
「なに、嫌?」
「嫌じゃねぇけど…持ち場離れても良いのか?」
「あー、二層目のデバフ要因は増やしたし、お前がいなくてもある程度は回るだろ。むしろ、ちゃんと稼働するかのテストとして遠出したい。お前、ロクに休めてねぇだろ?」
「主…意外と考えてくれてたんだな…」
(今考えましたよね、マスター)
言わなきゃバレねぇしOK!
「とにかく冒険者しよう!!!!冒険!!!!」
「かしこまりました」
「うわっ!?少年になった!??」
そういやトーチがスライムって教えてなかったな。
※ ※ ※
「あ、そうだ、スヴェンって《憑依》ができるんだっけか?」
「はい、ゴースト系の魔物はできますよ。英霊は上位の魔物ですから、物だけでなく自我のあるモノにも《憑依》が可能です」
「え、つっよ…」
「だから最初"運が良いですね"と申し上げたでしょう?」
SSRどころかURだった…
「スヴェン、何に《憑依》したいとかある?」
「んー、特には。俺は主に従うぜ?」
従順すぎて困る。どうしよ、冒険者ギルドで従魔として登録したいんだが…テンプレとしては狼系か?いやでも剣士としての強みを消すのもな…
「分からん、ヒト型でなんか良いのない?」
「素直に物事を聞けるとは素敵です、マスター」
「だろ?」
「オススメは…リビングアーマーですね。剣を扱えますし、死霊術師が従えている定番の一つです。カモフラージュのために《死霊術》を取っておくことを推奨します」
「スヴェン、それで良い?」
「おう」
「じゃ、全部その通りに」
スヴェンは俺の言いなりだけど、俺もトーチの言いなりだよなぁ。




