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僕、婚約破棄されちゃったよ〜!(仮)  作者: 撫羽


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31/35

31.準備は万端だよ〜!

 そしてまた王子が我が家に来たんだ。暇なのかな? そんな事ないよね。でも、よく来るよね。


「先日話していたパーティーの詳細が決まったんだ」


 ほうほう。あれだね、初代聖女の誕生を祝うという名目の、お見合いパーティーだね。


「日程は毎年同じだ。今年は丁度1週間後だな。で、詳細だが聖女候補だけでなく学園の生徒達も招待される。名立たる貴族達は元々招待されているからな。その子息子女は一緒にパーティーに出席するだろう。

 それに、大司教だ。あと、テテが言っていた教師達だ。解毒と解呪が必要そうな者たちをテテが選び出してくれているからその者たちも招待される。ただ、貴族ではない者は無理だ。やはり、王都でも解毒と解呪が必要だな」


 そうだよね。それはでも最初から考えていたから許容範囲だよね。


「で、王都の民達の解毒と解呪はどうする?」


 第2王子と僕達家族とで色んな状況を考えて計画を立てた。それを、王子が王様に報告、承認を貰う。後日、僕が城の騎士団の隊員達をドラゴンアイで見る。

 もちろん、聖女候補に隷属されているかどうかを見極める為だよ。

 街の衛兵達もばーちゃんがブランを連れて見に行ってくれた。僕1人では追いつかない人数だからね。ブランはばーちゃんの鞄に入ってこっそり見てくれてた。

 そうして、隷属も中毒にもなっていない兵達が城に秘密裏に集められた。

 父の部隊も全員出動している。そして、魔術師団とばーちゃんと姉と僕で大急ぎで作った魔道具を配る。

 精神異常を完全防御するネックレスだ。


 パーティー当日は、まず大司教が大聖堂から王城へ向かうのを待つ。大司教が王城に入ったら作戦開始だ。


「当日、どれだけ解呪できるか……」

「ばーちゃん、当日の協力者はいるんでしょ?」

「まあね。真実は話してはいないけどね」

 

 そりゃあ、話せないよね。どこからバレちゃうか分かんないもんね。


「だから、私達がどれだけ確実に動けるかが重要になるわ。それと、とても心強い協力者もいるのよ」

 

 心強い協力者? 誰なんだろう。とにかく当日ばーちゃんと僕は王城で忙しくなるだろうな。

 パーティーには、うちの家族も招待されている。

 ソフィアはどんなドレスで出席するのかなぁ……何を着ても可愛いからなぁ。


「テテ、ソフィア様の事ばかり考えてんじゃないわよ」

 

 えッ、ばーちゃん。何で分かったの? やだ、気持ち悪い……

 

 ――バシッ!


「イテッ!! なんだよ、ばーちゃん!!」

「喝を入れてやってんのよ!」


 もう、ひどいよ。ばーちゃん。

 そんなのんびりとした日々の中でも、着実に準備を整えながら僕達は当日に備えたんだ。




     ◇◇◇◆◇◇◇




 パーティー当日……

 この1週間、精一杯の準備をしてきた。

 失敗は許されない。


「テテ、行くわよ」

「うん、ばーちゃん」


 さあ、聖女候補に大司教。待ってろよ。

 僕達の反撃の始まりだ……



 まだ、陽は落ちていないというのに至る所に灯りが灯されている王城。

 着飾った貴族達が次々と馬車で乗り入れる。

 パーティー会場には既に大勢の貴族達招待客がパーティーの開始を待っている。


 その中には、シャルロッテ・サジェスとリエン・ハーテッドの姿もある。

 2人の婚約者、オネスト・ウィズダムとニキティス・オルデンの姿はまだ見当たらない。聖女候補の姿もだ。

 2人は聖女候補とこのパーティーで何か仕掛けてくるだろう。

 婚約破棄か……? 婚約を保留しているとは言え、婚約解消はしていないのだから。

 僕にわざわざ……『予定が狂ってしまった』と言ってきた聖女候補。

 何をするつもりだろうと、僕は迎え撃つ。これ以上、勝手な事はさせない。


「テテ、次行くわよ」

「うん、ばーちゃん」

「あと、何箇所なの?」

「えっと……あと2箇所だね」


 僕とばーちゃんは次を急いだ。僕達家族は昼過ぎには城に入っていた。下準備のためにね。今も、ばーちゃんと城の中を歩き回っている。

 

「ばーちゃん、凄いね。正に賢者様だ」

「何言ってるのよ。テテだってできるでしょうに」

「ハハハハ……ばーちゃん、次終わったら大司教と聖女候補の確認だよ」

「わかったわ……よし、ここはこれでいいわ」

「じゃあばーちゃん、次で最後だ」

「ええ、テテ。移動しましょう」


 僕とばーちゃんが城の中を移動していると、兄上がやってきた。


「お祖母様、テテ」

「兄上」

「そっちはどうだ?」

「兄上、次で最後だよ」

「そうか。大司教と聖女候補の確認ができた。パーティー会場には入っていないが城の中には入っている」

「わかった。ばーちゃん」

「ええ、テテ。これでおしまいね」

「うん」

「テテ、お祖母様は流石に凄いな」

「兄上、うん凄いよ。本当に賢者様だ。僕は、ばーちゃんが聖女でいいと思うけどなぁ」

「馬鹿、何言ってんの。行くわよ」

「「はーい」」


 ツンデレさんには困ったもんだよ。素直になればいいのに。テレちゃってさ。


 兄上が合流して、3人で城の中を急ぐ。


「よし。イデス、テテ、終わったわ」

「お祖母様、完璧ですね」

「うん、ばーちゃん凄いや」

「じゃあ、私達も会場へ行きましょう」

「そうね、イデス」

「はい、兄上」


 パーティー会場に向かうと、入り口で父と母が待っていた。


「父上、母上」

「テテ、どう?」

「うん。ばーちゃんは凄いよ。完璧だよ」

「流石、義母上」

「やめてよ、大したことないんだからねッ」

「お祖母様、いい歳してツンデレは需要がありませんよ?」


 ――バシッ!


「イテッ!!」


 兄上、また同じこと言って叩かれてるよ。学習しなよ。


「入るぞ」

「はい、父上」


 アナウンスがあり、会場が一際騒めいた。

 パーティー会場の奥、一段高い場所に王族一家の登場だ。

 王様、王妃様、第1王子、第1王子妃、第2王子、ソフィアが揃ってお出ましになる。

 僕達は静かに会場に入った。


「ばーちゃん、起動しなきゃ」

「テテ、いいのよ」

「ばーちゃん、だって……」

 

 聖女候補も大司教も会場内で姿を確認した。早く起動しなきゃ。

 なのに、父もばーちゃんも動こうとしない。


「テテ、大丈夫だ。最強の助っ人がいらっしゃるから」


 兄上……? あれれ? もしかして、僕だけ知らないの? やだ、除け者感が半端ないよ?


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