表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕、婚約破棄されちゃったよ〜!(仮)  作者: 撫羽


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/35

18.言えないんだよ〜!

 今日はね、僕はソフィアにも魔道具を作ってきたんだ。もちろん兄上に渡したのと同じ、精神干渉を防御する精神異常完全防御や状態異常完全防御、物理攻撃耐性と魔法攻撃耐性を付与してある。

 オネストの婚約者シャルロッテ嬢と、ニキティスの婚約者リエン嬢の分も作ってきたんだ。

 邪魔にならない様に、控えめなブレスレット。

 作ってはきたものの、どうやって渡そう。

 僕からは話しかけられないしぃ。

 朝からそんな事を考えていたら、もう昼だ。僕はいつも通り、裏庭のベンチで一人お昼を食べていた。


「テテ」


 あ、ソフィアだ。シャルロッテ嬢とリエン嬢も一緒だ。丁度良いや。

 あれれ? でも、精神異常の完全防御とかの魔道具なんて何で? て、普通はなるよね? そこまで考えてなかったよ。どうしようぅ。


「テテ、あのね。少し相談があるの。食べながらで良いから聞いてくれる?」


 僕に相談? なんだろう? そう思いながらコクンと頷いた。


「テティス様、ニキティスなんですが。

 婚約を解消しようかと考えてます」


 え……!?


「私もです。オネストと婚約解消しようかと、父と相談しています」


 あらら……んん〜、その方が安全なんだけど。でもなぁ……なんて言ったら良いんだろ。

『そうだね、それが良いよ!』

 なんて言うのはちょっと違うし軽いよね。

 だからと言って、引き止めるのもなぁ。


「テテ?」

「あ、う、うん。理由は大体分かるけど……でも、二人はそれで後悔しないの?」

「もうこのまま婚約を継続する方が後悔しそうなんです」


 あらら。リエン嬢、怒ってるね。それとも、もう見限ったのかな?


「私も、もう耐えられなくて……やってもいない事をオネストに吹き込まれてネチネチと……もうウンザリなんです」


 ああ、シャルロッテ嬢かわいそう。


「あ、あのね。解消して、もしまた彼らが元に戻ったらどうする?」

「テテ、どう言う事かしら?」

「あ、あの……聖女候補が来る前はこんなじゃなかったでしょ?」

「はい」

「確かに、そうでした」


 二人共、そうだよね?


「だ、だからね。また前みたいに戻ったら」

「テティス様、でも信頼は無くなっています。元通りには無理です」


 リエン嬢、そうだよね。


「私もです。あんなところを見ていますから」


 あんなところか……僕も見たけどさぁ。


「ねえ、テテ。聖女候補がいなくなったら元に戻るの? そう言いたいの?」


 ソフィア、突っ込まないで。それはまだ言えないんだよ。


「そう言えば、昨日テテのお父上とお兄様が城に来られていたわ」


 あ、見ていたの?


「お二人がもしかして動いていらっしゃるの?」


 言えない。言えないよぉ。鋭いなぁ。僕はジッと下を向いた。


「ごめんなさい。お父上が動いていらっしゃる事は言えないわよね」

「ぼ、僕は……今は、二人自身を守る為に一度離れるのも良いと思う。でも、ちゃんと解決したら話をしてみてほしいな」

「テテ」

「両方のご両親と、オネストとニキティス抜きで相談するのも良いと思う。あの二人の現状を理解してもらわないと。君たち二人は悪くないから」


 いや、そうなるとオネストとニキティスも本意じゃないんだけどさ。


「テティス様、聖女候補とその取巻きの噂をご存知ですか?」

「え? リエン嬢、何かな?」

「リエン……それは」 

「シャル、いいのよ」


 え? え? 何? 噂? ボッチの僕が知る訳ないよねー。


「聖女候補はあの取巻き全員と体の関係があると言う噂です」


 え……マジなの? 全員? 何それ? 体の関係てあれだよね。あの……エッチぃ事だよね?


「ぜ、全員って……」

「もちろん、ニキティスもオネストもです」


 えぇー……そんなの聖女じゃないじゃん。節操ないじゃん。あれれ? ゲームだとそこまでじゃなかったんだけどなぁ。


「ごめん、ぼ、僕は知らなかった」

「私も知らなかったわ。本当なの?」

「ソフィア様、噂です。でも、そう噂されても仕方ないです。あの聖女候補はベタベタと身体をくっつけてますから」


 そうだよなぁ……もう無理なんじゃないのかなぁ? と、言うか二人は辛いだろうなぁ。


「や、やっぱ、そんな噂があるなら、余計にご両親に相談しなきゃ」

「そうね、私もそう思うわ」

「二人一緒の方が良いかも。疑われない様に。でも、そうするとオネストとニキティスの立場がなくなっちゃうけど」

「テティス様、そんなものはもうどうでも良いんです」


 あららー。リエン嬢、超怒ってるじゃん。そんなものとか言っちゃってるよ。え、怒ってる? それとも、呆れてる? やっぱ見限っちゃった? でもなぁ。二人の本心じゃないんだよ。操られてるんだよ。


「で、でも、二人の本心じゃないかも知れない。聖女候補がいなかったらこんな事にはなっていないだろうし」

「テティス様、現実いるのです。あの聖女候補が。そして、現実こうなっているのです」


 リエン嬢、そうなんだけどさぁ。あー、言えないんだよなぁ。


「待って。多分、テテが今言えない事があるのよ。だから、もしかして元に戻るかも知れない。あの二人の意思ではないのかも知れない。と、言う可能性も考えておいてほしいの。

 今、離れる方が良いとは私も思うわ。あなた達2人の身を守るためにもね。でもね、もしかしたら私達が想像もできない何かがあるのかも知れないわ。それも、ご両親には話して欲しいの。私が、ソフィアがそんな事も言っていたと話してくれないかしら?」


 ソフィア、優しいなぁ。それに、よく僕の事を分かってくれてるよ。その想像力は凄いよ。


「あ、あの、僕から3人に渡したい物があるんだ」


 勇気を出して、僕はブレスレットを渡した。


「テテ、これは?」

「お、お守りだと思って、肌身離さず付けていてほしい」

「テティス様?」

「ブレスレットですか?」


 リエン嬢とシャルロッテ嬢は不思議そうに見ている。お守りらしくないもんね。ああ、どうしよう。


「テテ、もしかして魔道具なの?」


 うわ、マジでソフィア。何で気付くんだよ。て、そりゃ分かるか?


「う、うん。実はそう。僕が作ったんだ。何のとは言えない。でも、何かあった時は必ず守ってくれるから」

「テテ、分かったわ。必ずつけるわ」

「私も」

「私もつけます。ありがとうございます」


 3人は僕の目の前でブレスレットをつけてくれた。良かった。これで、3人は守られる。

 ホッとして思わず笑みがこぼれた。


「テテ、やっぱり変わってなかった」

「はい。ソフィア様、私もそう思いました」

「本当に、小さな頃のテティス様と同じだわ」


 やだよー。3人でそんな事言わないでよー。恥ずかしいじゃん。


読んで頂きありがとうございます!

このお話は短いので、もう全体の半分になります。

『ボク55』とは違って、超ひっそりと平和に連載中です^^;

いつも、いいね!して下さる方々、ありがとうございます!

評価とブクマも宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ