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3カ国会議 その2

 それからが大変だった。

会談は1ヶ月後という連絡が入り、グレイとリズとケリーの3人はエイラートから王都に移動した。もちろんBARは当面休業だ。


 エニスの奥方のマリアは国内有数の貴族であるフランクリン家であり、王都にも大きな館を持っており、その館の部屋を拠点に3人は準備を進めていく。もちろん領主のフランクリンも全面的に協力をしてくれて様々なアドバイスをエニス、グレイ、リズにしてくれる。


 わずか1泊2日とはいえ、国王陛下の着替えや宝飾品だけでも結構な量になる。

これは3人ともアイテムボックス持ちなので問題はないのだが、準備する方はたまったもんじゃない。


 王城を上へ下への大騒ぎとなって様々な準備が進められていった。


 そんな中ルサイル王国の王立騎士団の副団長をしている元勇者パーティのクレインがアル・アインの王都にやってきた。やってきたと言ってもグレイがルサイルに飛んで向こうの了承を得てクレインを連れてきたのだが…


「クレイン、久しぶり」


「皆元気そうだな」


 フランクリン家の屋敷に到着したクレインを元勇者メンバーが出迎える。


 クレインはこの家の領主であるフランクリンに挨拶を終えて、勇者パーティが使用している部屋に入ってきて言う。そこにはマリアもいて、マリアにも挨拶するクレイン。


「それにしても今回は急に決まってどの国もバタバタだな」


「全くだ。人の魔法を何だと思ってやがる」


「大賢者グレイの魔法のおかげでこうして各国のトップが気軽に会って話ができる。よしとしなければ」


「流石にパーティの良心クレインね。その通りよ」


 ケリーが感心して言うと、リズが


「グレイとエニスだけじゃ仕事が進まなかったのよ。この二人すぐにサボりたがるし」


「リズ、俺はお前さんがばっちりとグレイを管理してると思ってたよ」


 クレインが呆れた顔をして言う。


「リズもグレイには甘いのよ。グレイが言うとさ、じゃあちょっとだけ休みましょうか。こればっかり」


 ケリーが横からぶーたら言うとグレイが、


「俺はだな、クレインがいない中で話を進めるのはよくないって言ってたんだよ」


「俺もそうだ。5人全員で決めないとな」


 グレイの言葉にエニスが被せてくる。


「まぁどうでもいいけどさ。でグレイ。あんたが言う通り全員揃ったわよ。作戦を説明してくれる?」


 半分キレてるケリーの言葉でソファに全員が座りグレイに視線を注ぐ。その席にはマリアもいるが彼女は黙って彼らのやりとりを聞いていた。


 話を振られたグレイは今までの軽い感じから一転して真面目な表情になってメンバーを見た。彼らも今まで冗談を言っていた顔から真剣な顔にあっという間にモードチェンジする。


「俺たちは元冒険者だ。しかも護衛ってことで装備だけ持ってけばいい」


 頷く4人。グレイは1つずつ丁寧に説明していく。


「会談の5日前にケリーとリズを先に神殿に飛ばすから二人は現地の会議場と周辺の様子を確認して受け入れの準備をしてくれ」


「そんなに早く現地に行く必要があるの?」


 驚いて聞いてくるケリーに、


「ある。理由は後で説明する」


 そしてクレインを見ると、


「クレイン、そっちは2名とクレインが参加ってことでいいんだよな?」


「そうだ」


「じゃあ当日は先にクレインと国王達3名を俺がメディナに飛ばす。そうして城に戻ってこっちの国王、宰相とエニスと俺で飛ぶ。リズはメディナ教皇国に2カ国の国王出迎えの手配をお願いしてくれ」


 頷くリズ。


「神殿まで飛ばすとおそらくメディナの神官たちが国王とお付きの人を部屋に案内するだろう。ルサイルはクレインが護衛、アル・アインはケリーが護衛で部屋まで頼む。リズはメディナで顔が広いからメディナ教皇側と俺たちの連絡係になってくれ」


「俺とグレイはどうするの?」


 エニスが聞いてくると、


「ナザレ国王がメディナについてケリーと一緒に部屋に向かった瞬間から警備開始だ。エニスは神殿の内部を警戒する。クレインも国王が部屋に入ったら

神殿内部の警備をしてくれ」


「オーケーだ」


 グレイは話を続ける。

 

「俺は神殿全体に結界魔法を張って、浮遊魔法で神殿の上から周囲を警戒する」


「私とケリーも神殿内部の警備?」

 

 リズを見て頷くグレイ。


「外の警備は俺だけだ。皆は中を頼む」


「でもそれだと外からの襲撃に対応できるのか?」


 エニスがグレイに質問するが、


「じゃあ聞くが、襲撃を受けるとしたらどこからどういう風に来ると思う?」


 グレイの質問に皆考える仕草をする。少し間をおいてクレインが、


「やっぱり外からだろう?」


「誰が?」


 グレイがクレインを見て逆に聞くと、


「そ、そりゃ魔獣か現体制に不満を持ってる奴らだろう」


 クレインの回答を聞いたグレイは、


「他のメンバーもクレインと同じか?」


 と一同を見渡す。皆黙ってしまって誰も声を発しない。


 しばらくしてからグレイが、


「まず魔獣はこないだろう。メディナは魔族領から最も遠い。それに神殿に来るまでに間違いなく誰かに見つかる」


 頷くメンバー


「神兵は強いって知ってるだろう?ランクBクラスは普通にいるし、ランクAクラスもそれなりにいる。そいつらが街を守っているんだ。そんな中魔獣が神殿までたどり着けるとは思わない。ワイバーンが空から来るという可能性があるが、これは可能性だけを述べた話で現実的じゃないのはわかるよな?」


 ダンジョンではなく地上に存在するワイバーン、そしてドラゴンは空を飛べるが今まで魔族領から外に出てきたことはない。


 彼らは基本自分のエリア内で生活していて、そのエリアに土足で入ってきたものを敵とみなして攻撃してくる習性がわかっている。


「それに万が一来てもそれは俺が対応できる」


 きっぱり言い切るグレイ。


「じゃあ反乱分子は?」


 ケリーがグレイに質問すると首を振るグレイ。


「リズから聞いてる話だと教皇国の唱えている宗教に正面から対立している組織はないらしい。

アル・アインの内部にも反政府勢力は無いと思ってる。恐らくルサイルもそうだろう。仮に、もし仮にそういう組織があったとしても今回は襲撃は無理だ」


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