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護衛 その2

 エイラートからネタニアの道は王都に続く国内の主要な街道の一つでもあり、

整備されていて道幅も広く、基本安全な道だ。


 とは言え、魔獣が全くでない訳でもないので戦闘の狩人は城門を出るとすぐに探索スキルを作動させる。


 グレイは最初は最後尾でリズらと一緒に歩いていて


「ちょっと前を見てくる」


 そう言うと浮遊魔法で浮かび上がるとそのまま先頭に飛んでいった。浮遊しながら移動するグレイを見て冒険者達は


「すげぇ」


「あれが大賢者の浮遊魔法か」


「いいなぁ」


 口々にグレイを見て感嘆の声をあげる。 グレイはそのまま先頭まで来ると、


「どうだ?」


「今のところサーチ内に魔物はいません」


「分かった引き続き頼む。無理するなよ」


 そうして先頭を歩いていると、サーチをしていた狩人が


「ランクDのゴブリンが3体、右の方向200メートル」


「ゴブリンか、近づいてこなければ放置で」


 そう言うと、しばらくして


「離れていきました」


「わかった」



 そうして何もなく1日目の夕方に小さな村に到着した。村に入ったところにある広場に馬車群を置いて一行はその広場で野営し、初日の夜を過ごす。


 2日目も魔獣に遭遇することもなく夕刻に村についてそこで旅の疲れを取る一行。


3日目の昼ごろ、サーチしていた狩人から


「前方300メートルにランクBのオーク3体」


「分かった、馬車はこのままスピードを落とさずに進んでくれ、倒してくる」


 そう言うとグレイは浮遊魔法で馬車群を抜かすと一気に前方に飛び出る。

 

 道端にオークが3体いるのを見つけると精霊魔法であっという間に3体を倒して

魔石を取り出して戻ってきた。


「これで大丈夫だ」


 馬車から前方で先頭を見ていた冒険者は魔物に近づいたかと思ったら次の瞬間には3体を倒していたグレイを見て


「倒すところが全然見えなかった」


「何という強さなんだ。ランクSってこれほど強いのか」


 と仲間内で囁きあっていた。


 その後も順調に進んでいく一行。重たい木材を積んでいるので馬が疲れる事もあり、夕刻になる前でも村があるとそこで休んで疲れを取りゆっくりと進んでいた。


 エリラートを出て1週間が経った頃、御者をしている木工ギルドの職員から


「今日は野営になりそうだ」


 という話を聞き、街道を進みながら比較的安全な場所を探し、草原を見つけると


「早いけど今日はここで野営をしよう」


 グレイの提案で一行は街道から外れた草原に馬車群を進めていく


「ここで止めてくれるかな。馬車の止め方は3台横並び、その後ろにまた3台、最後は4台で固まって止めてくれ」


 グレイの言う通りに馬車を止めていく木工ギルドの御者。言われた通りに止めると

グレイに


「これでいいのか?」


周囲を見たグレイは、


「オーケーだ」


 そう言うと固まって止まった馬車群の周囲に結界を張っていく。


「結界を張ったからこれで夜中に魔物に襲われる事はないぞ。馬も安心して眠れるはずだ」


 木工ギルドの職員はもちろん、ランクBで同行している冒険者たちも、馬車群の周囲に張られた結界を見てびっくりしている。


「これほどの結界、見たことがない」


「こんなに広範囲にこれほどの強力な結界を張れるなんてやっぱり大賢者様はすごい」


 リズ と同じジョブの僧侶は張られた結界の近くでその強さを見ながら感心していると、隣にいたリズ が


「貴女も努力すればできるわよ」


「本当ですか?」


「見ててね」


 そう言うとリズ は自分の周りに強化魔法を張ってみせた


「凄い。こんなに厚い強化魔法、初めてみました」


 リズ は魔法を張ったまま、


「結界も基本これと同じよ」


「えっ?!」


 訳がわからないという僧侶にリズ が説明していく


「結界も強化魔法も元は同じ魔法なの。強化魔法が人に魔法をかけるのに対して結界はある地点を中心に強化魔法をかけているの。結界と強化、言い方は違うけど魔法の原理は同じよ」


「そうなんだ」


「だから強化魔法をしっかり訓練して強くすることができる様になれば、同じ様に強くそして広い結界を張ることができる様になるのよ。まず強化魔法をしっかりと身に着けるのが大事ね」


 ランクBとはいえ、これからランク上位を目指す者達にとっては目の前にいるランクSの冒険者から直接教えてもらうチャンスは滅多になく、いつの間にか精霊士の冒険者もリズ の近くに集まってきていた。


 リズ は彼ら魔術師達に普段自分たちがやっている魔力を手の平に集める訓練や、

逆に身体全体に魔力を行き渡させる訓練のやり方を教えていく。


「グレイも私も、今でも毎朝この訓練をしている。グレイなんて勇者パーティの時からずっとよ。毎日休まず訓練を続けていたから今のグレイがあるの。彼は決して天才じゃない、皆と同じ普通の冒険者。ただ、彼は毎日休まず訓練を続けてきた、それだけよ」


 リズ から鍛錬の方法を聞き、そしてグレイの努力を聞けただけでも、ランクBの

彼らにとっては大きな財産となり、今回の護衛クエストに参加した意味があると思っていた。



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