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回想 その1

「そろそろ店を閉めるか」


 最後の客が帰って誰もいない酒場で、カウンターの中にいる一人の男が呟く

年は20代の前半、金髪に青い目。背丈は普通だががっしりとした引き締まった体躯で、余分な脂肪は身体には一切ついていない様に見える。その男が人のいないカウンターを布巾で丁寧に拭いて綺麗にする。


 カウンターを拭き終わると今度は洗ったグラスを丁寧に拭きそれを背後の棚に仕舞っていく。


 カウンターしかなく、10人も入れば一杯になってしまう場末の小さな酒場。

場所も大通りから入った細い路地を歩いた突き当たりにあり、看板もなく木の扉にただ「BAR」という木の札が掛かっているだけだ。それを裏返すと「CLOSED」になる。


 店の名前もない。ただ「BAR」とだけ書いてある酒場。


もう直ぐ日付が変わる時間、シンと静まりかえった街の中、扉を開けて店のドアに掛かっている札を「BAR」から「CLOSED」にして店に戻り、そして今度は客が座るスツールをカウンターと同じ様に布巾で綺麗に1ずつ拭いていく。


 辺境の都市、その街の路地裏にひっそりとあるバーのただ1人の従業員兼オーナーであるこの男は


 元勇者パーティで賢者をしていたグレイ。


 毎日のルーティーンである酒場の中を綺麗にしながらグレイはこの街に来た時のことを思い出していた…

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