第81話 ギルドラモン凱旋
俺たちが転移でギルドラモンを訪れると、すぐに人だかりができてしまった。
まるで待ち伏せでもされていたかのように、次々と人が寄ってくる。
なんだか前にも増して、活気がある気がする。
「ロインさん……! おかえりなさい! あんたはこの街の英雄だよ!」
「英雄ロインのご帰還だ! ここはあんたの第二の故郷だからな! いつでもこいよ!」
「おうロインさん! うちの店によってくれ! サービスするよ!」
などと、みんなして俺を持ち上げる。
いったいどういうことなんだ……?
「ちょっと待ってくれ……状況がいまいち飲み込めないんだが……」
俺がうろたえていると、一人の男が説明を始めた。
「ロインさん、俺から説明するよ」
「あ、あんたは……!」
説明をしてくれた男は、以前のベへモス戦で、俺たちが救った冒険者だった。
そうか、元気でやっているみたいでよかった。
「この街は、ロインさんのおかげでベへモスから救われた……」
「ああ、まあ……そうだな」
ベへモスがここに来たのも、もとはといえば俺がこの街にいたせいでもある。
だから、そこまで感謝されるのも、申し訳なく思うなぁ。
幸い、クラリスの活躍もあって、死傷者は出さずにすんだが……。
建物などの損害が大きかったし……。
でも、見たところ、もうすでに復興はほぼ終わっている感じだった。
というかむしろ、いろいろと街が豪華にすらなってそうな気がするんだが……俺の気のせいだろうか。
「それに、ロインさんが残していってくれたベへモスのドロップアイテム、あれがすごかったんだ……」
「ああ、そういえば……そんなのあったな」
俺は、ベへモスのレアドロップアイテムを確認さえせずに帰ったからな。
あれからなにがあったのかは、さっぱりだ。
「それで、そのドロップアイテムはなんだったんだ……?」
街がこんなに活気づくほどのものだったのだろうか。
あ、そういえばこれも忘れていたが……俺の運のステータス、9999になったんだったな……。
レアドロップアイテムにも、その恩恵があったのだろうか……?
そのへんも未確認なままだ……。
俺はここしばらく、魔王軍やギルドのことばかり考えていたから、すっかり抜けていた。
「そうそう、そのベへモスのドロップアイテムですがね、これです。見てくださいロインさん」
「ああ、見させてもらう」
俺は、男からそれを受けった。
《ベへモス・ハート+++》
レア度 ★77
ドロップ率 ???
説明 高熱を発し続ける赤い宝玉
「おお……なんだかすごそうだ……」
ベへモスハートというらしいその宝玉は、魔力を通すと、それに応じて熱を帯びるというものだった。
それだけでなく、素材アイテムとしても使えるそうだ。
この、+++というのはなんだろうか……?
通常の素材よりも、価値が高いだろうということはわかるが……。
まさか、運9999による恩恵なのだろうか。
だとしても、通常のベへモスハートを知らないから、まだよく違いがわからない。
まあ、それはいずれ、他の素材を獲っていけば、わかることだろう。
また5位に落ちてしまいました……
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