表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/195

第8話 武器屋


 俺はデモンズ鉱石×44個を持って、武器屋に来ていた。


「よいしょっと……なあ、この鉱石素材で、なにか武器を造れないか……?」


 俺がカウンターに鉱石を置くと、武器屋の親父は目を丸くして驚いた。


「おいおいこいつはどういうことだ……!? 伝説の鉱石がこんなに大量に……!?」

「そんなに貴重なものなのか……?」


「あたりまえだバカ! 今注目の新素材だぞ! どこで手に入れた!?」

「いや……まあちょっとな」


「そりゃそうか……教えられるわけねえよな……まあいい! で、こいつを全部使っていいのかい?」

「ああ、頼めるか……?」


 もしかしたら、こんな変な素材扱えないと言われるかと思ったが……。

 もしくは盗んできたのだとか言われたらどうしようと思っていた。

 だがそれらはすべて杞憂だったようだ。


「俺も職人としての腕がなるぜ! 待ってな、数週間でとびっきりの武器を仕上げてやるから!」

「ああ! ありがとう!」


「あんたすごいな……! どうやってこんな……! いや、いい……! 聞かないでおくよ」

「はは……そうしてくれると助かる」


 とにかく、武器屋の親父が話のわかる人物でよかった。

 俺は前金を払い、素材を武器屋に預けた。


 完成には数週間かかるそうだから、俺はその間遊んでおくことにしよう。

 ちょうど街も見て見たかったし、なにせ金は使いきれないほどある。





 そして、約束の日がやってきた。

 俺は楽しみにしながら、武器屋に行った。


「どうも……頼んでいた武器を取りに来た」

「ああ、あんたか。ちょうどできてるぜ! 最強の武器が出来上がった……!」

「おお……! こ、これは……!」


 出来上がった武器は、なんとも異質な形をしていた。

 デモンズ鉱石は硬度の高いかわりに、加工がしにくいと聞く。

 なので、それを丸ごと武器に使うとなると、どうしてもこういう形状になるそうだ。


 それはまるで大きな長方形の板だった。

 黒紫色の大きな一枚板。


「これは……こんなので戦えるのか……?」

「まあ、実際に使ってみな!」

「えい……!」


 俺は武器屋に併設された試し切りエリアで素振りをさせてもらう。


 ――スパーン!


「おお! これはすごい!」


 思ったよりも、武器は軽かった。

 そうか……! これがデモンズ鉱石が新素材と言われる由来か。

 抜群の切れ味と攻撃力なのに、めちゃくちゃ軽い!


「これなら大型モンスターとも戦えるぞ……!」


 俺は新たなる戦いに胸躍らせる。


「それで……この武器はなんて名前にする?」

「名前……?」


「ああ、こんな贅沢な武器を作ってしまったのは世界中でアンタだけだからな。まだこの武器には名前がない。アンタが自由につけるといい」


 なるほど、確かにデモンズ鉱石44個なんて、俺じゃなきゃ集められないだろうな。

 って言うことは……これは世界に一つだけのユニーク武器ということか。

 もしデモンズ鉱石が広く流通することになれば話は別だが。

 今のところ、これは世界に一本だということだ。


「そうだな……名前か……考えたこともなかったな」


 悩んだ末に、俺はこう名付けた。


「デモンズブレードだ……!」

「はっは……! そのまんまじゃねえか!」


「いいだろ別に……シンプルなのがいいんだよ」

「まあ、あんたらしいな」


 俺はたんまりと金を払って、武器屋を出た。

 それにしても、この物珍しい武器は目立つな……。

 道行く人が俺に振り返る。


「これはグフトックに見つかるのも時間の問題だぞ……」


 俺は兜をすこし深めにかぶる。

 面倒事はもうごめんだ。

 できればこれ以上、目立ちたくはないんだがな……。



――――――――――――

《デモンズブレード》

レア度 ★★★★★★★★

ドロップ率 0%

攻撃力 450

――――――――――――


少しでも面白いと思っていただけたら、↓の☆で評価してもらえると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

《▼カクヨムで新連載はじめました▼》
  【続編】『アイテム至上主義!』~近未来のダンジョン都市NEOトーキョーで俺だけ【確定レアドロップ】な探索者生活~
ぜひ応援よろしくお願いしますね!確定レアドロップの精神的続編です!
  ▼▼▼ 大好評発売中 ▼▼▼
    ★画像タップで購入ページへ飛びます★
html>
《▼カクヨム版はこちらです▼》
スライムすら倒せない無能と罵られた俺のスキルが《確定レアドロップ》だった件。ようやく倒せた初めての一匹がきっかけで、ハクスラの連鎖が止まらない!世界最速で世界最強の勇者を追い抜きます
コメント欄解放中!先行公開!
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ