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【2巻発売中!&コミカライズ】俺だけ《確定レアドロップ》だった件~スライムすら倒せない無能と罵られ追放されたけど、初めて倒した一匹から強武器落ちました~  作者: みんと
第三章 世界最強 編

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第72話 世界最強


 俺とカナンは、ベへモスの背中の上めがけて、転移した。


「よし、まだ気づかれていないようだ……」


 ベへモスからすれば、俺たちなど背中についた虫のようなものなんだろう。

 背中の上に転移しても、気づかれた様子はまったくない。

 みんなは正面から向かっていっていたから、すぐにやられていたんだ。

 こうしてこっそり転移すれば、気づかれない。


「じゃあ、さっそく攻撃させてもらいますか……!」


 まずはこの状況を活かして――。


溜め斬り(ソードバースト)――!」


 俺は剣を溜めの状態に移す。

 そしてさらに、新しく得たスキルを使う。


追い(エクストラ)チャージ――!」


 限界溜めの状態から、さらに力を溜める!

 これで、フルパワーの一撃をお見舞いするぜ……!


「うおりゃああああああああああああああああああ!!!!」


 ズドーン――!!!!


 ベへモスの背中に、強烈な一撃を叩きこむ!

 溜め二段階、さらに会心の一撃、俺の攻撃力と相俟って、今までで最高威力のダメージだ!


「プオオオオオオオオオオン!!!!」


 さすがの鈍いベへモスも、大声をあげてのけぞる。

 俺とカナンはすかさず、ベへモスの背中にある突起につかまりバランスを保つ。


「えぇ……!? これでも倒れないのか……!?」


 ベへモスのあまりにもの耐久度に、カナンが驚きの声をあげる。


「だな……正直、俺も今の一撃だけで倒せるつもりでいた」


 どうやらこの超大型魔獣ベへモスは、今までの敵とはまったくの桁違いなようだ。


「じゃあ、遠慮なく次々に攻撃していくぜ!」

「そうだね……! さっさとやっちゃおう!」


 これは新スキルの試し打ちには、いい的だ。

 大きい身体だから、どこに当ててもいい。


「アイスボール――!」


 カナンが唱える!

 魔法によって、氷のつぶてがベへモスを襲う!


 ――キン!


 しかし、氷はなんの反応もみせず、ベへモスの表皮に当たって砕けた。


「くそ、固い!」

「これはかなりの高威力の攻撃以外は、通らないみたいだな」


 それこそ、さっきの溜めのような……。


「だったら、ロイン……! まかせた! 私はサポートに回る!」

「そうだな……! 任せておけ!」


 カナンの攻撃は、手数や素早さが売りだ。

 だから、こういう場合には向いていない。

 しかし、サポートは一級品だ!


「竜神の舞――!」


 カナンの新スキルだ!

 カナンが華麗に舞うと、なんだか力がみなぎってきた。


「さあ、これで攻撃力2倍だよ! いけええロイン!!!!」

「おう! ありがとうカナン!」


 体中にオーラがほとばしる!

 味方全員をバフする効果のある舞だ。

 これで、俺の攻撃はさらにふざけた威力になるだろう!


従魔召喚(サモンダーク)――!」


 俺は新たに覚えた魔法をとなえる。

 すると――。


 ――ズオオオオオオオオ!!!!


 ものすごい音とともに、地面に召喚陣が現れる。

 そして、そこから出現したのが。


「デーモン!」


 ベへモスほどではないが、それに負けずとも劣らないほどの、巨大なデーモンが姿を現した。

 これが召喚魔法というやつか……。

 デーモンは、ベへモスの前に立ちはだかる!


「グオオオオオオ!!!!」


 ――ドシーン!


 二つの巨体がぶつかりあい、ものすごい音をたててミシミシとひしめき合う。

 大迫力の押し合いが始まった。


「よし、これでなんとかベへモスの進行は食い止めたぞ」


 これ以上街に入られると、危険だからな。

 ベへモスの行進は、すでに避難場所ギリギリまで近づいてきていた。

 だが、デーモンもいつまでも持つとは限らない。

 このままでは、いずれ押し負けてしまうだろう。

 俺はすかさず、次の手を打つ。


闇の右手(ダークネス)――!」


 俺がそう唱えると、空中に巨大な悪魔の手が出現した!


「よし、いい感じだ!」


 俺が右手を動かすと、それと連動して悪魔の手も動く。

 これはなかなか強いな……!


「くらえ……!」


 そして、俺はその右手を使い、ベへモスの口に特攻する!

 ベへモスの口を、無理やり開かせる!


「プオオオオオオオオオオン!!!!」


 デーモンと右手で、ベへモスに無理やり開口させた。


「外皮は固くとも、中は柔らかいだろう……?」


 そして、俺たちは転移し、デーモンの肩へ。


運試しの賽子(ファンブルギャンブル)――!!!!」


 俺の考え得る、最大威力の攻撃だ……!


 俺がファンブルギャンブルをとなえると、空中に巨大なサイコロが三つ現れる。

 そして、それが勝手に振られ……。


 ――6・6・6!!!!


「よし! 最大威力だ……!」


 ファンブルギャンブルは、出た目によって強さが変わる、バフ技だ。

 これで、俺が次に放つ攻撃は、なんと6の三乗倍の威力になる……!


「うおおおおおお!!!! 喰らえ……!」


 俺はベへモスの口の中めがけて、放つ!


火炎龍剣(ドラグファイア)――!!!!」


 ――ズドーン――!!!!

 ――ドシャドシャドシャアアアア!!!!


 俺の剣から、炎の龍が飛び出し、ベへモスの口の中へ駆けていった。

 そして、体内からベへモスを焼き尽くす!


「プオオオオオオオオオオン!!!!」


「やったぁ……!」


 ――ドシーン!


 ベへモスは、その巨体を地面に沈めた。

 ようやく、あの巨大な動く要塞を、止めることができたのだ!


「すごい! さすがはロインにゃ♪」


 カナンが抱き着いてくる。


「よし、クラリスのもとへ戻ろう」


 俺たちは急いで転移する。

 クラリスは避難所で、負傷者たちの手当をしていた。

 エリアヒールで、一気にみんなのことを治していたようだ。


「クラリス、すごいな……みんなを助けてくれてありがとう」

「ううん、私はなにもしていないわよ。それより、ロインのほうがすごいよ! 本当にあんな大きなモンスターを倒してしまうなんてね……!」


 俺は、クラリスの頭をそっと撫でた。

 街のみんなのために、俺たちが戦っている中、必死に守り抜いてくれた。

 俺はそんなクラリスを、恋人ながら誇りに思う。

 街のみんなも、クラリスに感謝しているようで、拝んでいる人すらいた。


「あれ……ロイン、ドロップアイテムはどうしたの……?」

「ああ、……まあ……な」


 そう、今回、俺はドロップアイテムを取ることはしない。


「…………?」

「街の人の復興に充ててほしいんだ。俺の【大量レアドロ】のおかげで、今噴水のようにドロップアイテムが出ている。だから、まあそれだけあればなんとかなるだろ……?」

「すごい! あのロインがレアドロをあきらめてまで街の復興を考えてる!?」

「おいクラリス、俺をなんだと思ってるんだよ…………」


 というわけで、俺はもはやベへモスのレアドロがなんだったのかすら確認しないでいた。

 だって、見たら欲しくなっちゃうだろうしな……。

 まあなんであれ、高価なものか役に立つものであることは間違いないだろうから、街の人たちには喜ばれるだろう。


「ロイン、この街のために……ありがとう!」

「いや、カナン。俺は当然のことをしたまでだよ……」


 そのあと、カナンの扇動で、街の冒険者たちから胴上げされた。

 そして、ボロボロになった街に、再び明かりがともる。

 まだ片付いてもいないというのに、酒盛りが始まった。

 まったく、この町の連中は変わらないな……。

 俺は、盛大にもてなされ、賞賛を受けた!


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