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【2巻発売中!&コミカライズ】俺だけ《確定レアドロップ》だった件~スライムすら倒せない無能と罵られ追放されたけど、初めて倒した一匹から強武器落ちました~  作者: みんと
第三章 世界最強 編

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第71話 急襲


 翌日、俺たちはけたたましい騒音とともに、目が覚めた。


「きゃあああああああああああああああああ!!!!」


 窓の外から、悲鳴が聞こえてくる。

 ドシンドシンという、地鳴りが響き渡り……。

 窓からは砂埃。


「な、なにごとだ……!?」


 カナンが飛び起きて、戦闘態勢を取る。

 俺とクラリスも、急いで装備を整えた。


「わ、わからない。とにかく外へでてみよう……!」


 俺たちは階段を駆け下り、ホテルの外へ。

 街では多くの人が、避難を始めていた。

 慌てて逃げ出す人々。

 そのうちの一人に、話を訊いてみる。


「な、なにがあったんですか……!?」

「あ、アンタら……知らねえのか!?」


 男の話によると――。

 今朝早く、落雷があったらしい。

 そして、その直後、ギルドラモンの街に、モンスターが出現した。


「あれは、恐ろしい! 空が突然、パクっと割れて、雷とともに、そいつは落ちてきたんだ! この世の終わりだよ……! みんな、終わりだ……!」


 男はそう言って、頭を抱えて走って行った。

 空が割れて――。

 俺はその表現に、思い当たるところがあった。


「もしかして……また、魔界からの襲撃か……!?」


 デロルメリアを倒してから、まだそんなに時間は経っていないはずだが……。

 もう次の襲撃が始まったというのだろうか。

 それだけ空間が歪み、不安定になっているということなのだろうか。


「それにしても、どうしてこの街に……!」


 以前の襲撃は、ミレージュの街周辺の地域だった。

 しかし、今回はここ、ギルドラモンだ。

 ミレージュに魔界からの襲撃があったのは、おそらくそこにアレスターがいたからだろう。

 今は亡き、勇者アレスター。

 そう、今勇者の加護を持っているのは、俺なのだ。

 だとしたら、この街にモンスターが現れたのは、俺がここにいるから……?


「くそ……! だったら、俺が倒すしかない……!」


 俺は、人々が逃げていく方向とは逆の方に、走り出す。


「あ、まってロイン!」



 ◇



 しばらく歩いて、高い建物の影から出ると――。

 そこに、ヤツがいた。


「な、なんて巨大なモンスターなんだ……!」


 そのモンスターは、今までにないほど巨大だった。

 宙クジラよりも、タイラントドラゴンよりも巨大。


「ベへモス……!」


 ベへモス、そいつは巨体に、鎧のような表皮をまとった、おそろしい怪物だった。

 ギルドラモンの街を、踏みつぶすように行進している。

 こいつがここに現れたのが、俺のせいだというなら、倒すしかあるまい……!


「ぐわああああああああ!!!!」


 そんな悲鳴とともに、俺の目の前に、一人の人間が吹き飛ばされてきた。

 この街の、冒険者だ。

 ベへモスに挑んで、ここまで吹き飛ばされてきたらしい。

 ベへモスはまるで俺たちのことを気にもせず、淡々と行進を続けている。


「あ、あんた! 大丈夫か……!?」


 冒険者は、吹き飛ばされ、壁にぶつかり、口から血を流している。


「もう……俺はダメだ……この街は終わりだ……。あんなの、敵いっこねえ。こっちの攻撃が、通らねえんだ……」

「大丈夫だ、俺に任せろ」

「いや、ムリだ。まるで歯が立たねえ」

「ああ、だが……俺なら倒せる」


 俺がそう自信満々に言うと、男は眠るように気を失ってしまった。

 このまま放置しておくと、死んでしまうだろう。

 だが、こちらには打つ手がある。

 俺たちは昨日、スキルブックによって習得したばかりの魔法がある。


「なあクラリス。こいつに回復魔法を、頼む」

「わかったわ……!」


 クラリスには、回復魔法を覚えてもらった。

 盾ヒーラー。

 盾で自分の身は確実に守りながらも、ヒールも飛ばせる。

 まさに鉄壁の、頼もしい味方だ。


上級回復魔法(エクストラヒール)――!」


 クラリスがそう唱えると、男の傷が徐々に回復していった。


「すごいな……! 本当にクラリスが魔法を使っている……!」


 今から攻撃魔法を思い切りぶっぱなすのが楽しみだ。


「じゃあ、俺とカナンはベへモスを倒す! クラリスは、他にも負傷した人がいるだろうから……そいつらを頼む!」

「わかったわ……! 気を付けて……!」


 俺たちは二手に分かれた。

 クラリスは高速移動(スピードアップ)を使い、ビュンビュンと街を駆けまわり、けが人をさがしにいった。


 ベへモスは、まるで動く要塞だ。

 こちらの盾などものともせずに砕いてくるだろう。

 それに、あの大きな体から繰り出される攻撃、そもそも当たるわけにはいかない。

 身軽なカナンと、俺だけで、なんとか仕留めないといけなかった。


「これは、久しぶりに強敵だな」

「そうだね……って、ロイン、なんでそんなに嬉しそうなの……!?」

「だって、あんなヤツのレアドロには期待できるだろ……?」


 いつものように、俺は俺にできる戦いをするまでだった。

 新しいスキルを試す、ちょうどいい機会だ。

 俺とカナンは、ベへモスの背中の上めがけて、転移した。


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