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【2巻発売中!&コミカライズ】俺だけ《確定レアドロップ》だった件~スライムすら倒せない無能と罵られ追放されたけど、初めて倒した一匹から強武器落ちました~  作者: みんと
第三章 世界最強 編

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第57話 逆転


「ロイン……! 頑張って!」


 クラリスが俺に声援を送る。

 そうだ、俺はここで負けるわけにはいかない。

 たとえ武器を奪われようとも、俺にはまだ手がある!


「うおおおお! これで終わりだ!」


 カナンが俺の邪剣ダークソウルを手に、迫りくる!

 しかし俺はまったく怯むことなく――。


「スキル発動!」

「なに!?」


 そう、スキルを使えるのはカナンだけではない。

 俺だってスキルメイジのおかげで、スキルを使える!


高速移動(スピードアップ)――!」


 俺はスキルを使った!

 そしてカナンの攻撃を簡単に避ける。


「なに……!?」


 高速移動(スピードアップ)――通常の人間ではありえないほどの速さで移動することができるスキルだ。

 今までにもお世話になったスキルだが。

 こんなふうに武器を奪われたときにも役に立つとは……。


「ふん! はやく動けたところで、避けるのが精一杯だろう! 次は仕留める!」


 しかしカナンのほうもさほど驚かずに、冷静を保っている。

 さすがは百戦錬磨なだけあるな……。

 だが、俺のほうもスキルはこれだけではない。


「うおおおおお! 今度はこっちからいくぜ!」


 俺は高速移動で、カナンの後ろに回り込む!


「なに……!?」


 そして俺は、カナンを後ろから羽交い絞めにした。

 だが……。


「はっ……! そんな力じゃ、まったく痛くも痒くもないね!」


 カナンは余裕の表情だ。

 それもそうだ。

 俺にはおよそ攻撃力と呼べるものがない。

 だからいくら俺がカナンの後ろをとって、羽交い絞めにしようと、なんの意味もないのだ。

 カナンは油断して、俺を振り払おうともしない。


 そう、カナンがちょっと身体をひねりさえすれば、簡単に俺の腕から抜けられる。

 そして俺がいくら力を込めようと、カナンには傷一つつかない。


 このままでは――。


「ああ、このままだとそうだな」


「なに……!?」


 俺は、もう一つのスキルを発動した。


身体強化(パワーアップ)――!」


 ――メキキ!


 その瞬間、俺の腕に、ものすごい力が加わる。

 まあ、身体強化をしたところで、普通の人が使う身体強化ほどではないのだが。

 それでも、身体強化を使わない相手になら、通用する程度の力にはなる。


 俺の羽交い絞めが、どんどん力を増して、カナンの身体に圧力がかかる。


「ぐうう……! くそ! 離せ!」


 俺はなおも、カナンの腕に力をかけつづける。


「くそ……! なんでこんなに急に力が……!?」


 ――グググ!


 そしてついに、カナンは手から邪剣ダークソウルを放した。


「クソ……!」


 俺はそれを見逃さず、すかさず地面に落ちたダークソウルを拾いに行く。


 ――スッ。


「あ……!」


 これで、状況はまた逆転した。

 俺の手には邪剣ダークソウル。

 そしてカナンは素手。

 しかも俺の羽交い絞めによって、腕はもうしばらくまともに使えないだろうな。

 別に骨を折ったわけではないが、それでも武器などはもう満足に振るえない程度のダメージはある。


「さあ、これでゲームセットだ」


 俺はカナンの首元に、剣を突きつける。


「っく……! わかった……、殺せ……」


 などと、わけのわからないことを口にするカナン。

 これは決闘だが、なにも俺はカナンを殺したくてやっているわけではない。


「は……? 殺さねえよ」


「なに……!? これは正々堂々とした、戦士どうしの戦いだ! 情けは無用だ!」


 などと、なぜか勝手にカナンは熱くなっている。

 どうしたものか……。

 そんなことをしては、この世界の――いや、俺のためにならないというのに。


「だって、お前を殺したら、俺と一緒に来れないだろ……?」


「は…………?」


 そう、カナンには俺のもとで、魔王軍と戦ってもらわなければならない。

 彼女ほどの手練れであれば、きっとものすごい戦力になるだろう。

 それに、このギルドのこともよくしっているようだし。

 素材集めや、レアドロ堀りにも付き合ってもらおう。

 彼女の協力があれば、このギルドラモンでも快適に過ごせるはずだ。


「カナン、俺はお前を必要としている……。いっしょにきてほしいんだ」


 俺は素直に、自分の想いを伝えた。

 するとカナンは、さっきまでの狂暴な態度をがらりと変え……。

 顔を真っ赤に染めて、まるでおしとやかなお嬢様のような立ち振る舞いを見せた。


「そ、そそそそ……そこまでいうのにゃら……いっしょに行ってやらんでもない……が」


「本当か……!?」


 もっと抵抗されるかと思ったが……話が早くて助かる。

 まあ、決闘で俺が勝ったからということもあるだろう。

 協力してくれるというのなら、本当にありがたい。


「そのかわり……ずっと一緒にいてくれないと嫌だからな……? 私は……こんなことを言われたのは初めてなんだから……! っく……私のはじめてになれることを、光栄に思えよ……!」


 カナンはまた顔を赤らめつつ、俺に手を差し出した。

 俺はその手を取り、答える。


「ああ、カナン。俺だって、ずっと一緒だ(魔王を倒すまでは!)それに、俺だってこんなこと(協力を仰ぐ)を言うのは初めてなんだ……!」


 すると、カナンはそのまま俺に抱き着いてきた。


「ふん……ロインとやら。ふざけた男だ……! だが、私も嫌いじゃない……。強い男は好きだ……。やっと、私より強い奴に巡り合えた」


「ああ、俺だって、カナン(の強さ)には惚れている! これからよろしくな!」


 さっそくこの周辺を案内してもらおう!

 強く友情を確認しあう俺とカナン。

 男勝りな、気の強い暴れん坊かと思ったが、戦ってみればこうして友情が芽生えるものだ!

 俺は、新たな街でさっそく新しい仲間と出会えたことをうれしく思っていた。


 そんな俺たちを、後ろから見ていたクラリスが、ふかーいため息をついた。


「はぁ……もう、ロインったら……」


「ん…………?」


「なんか二人とも、変な勘違いをしてると思うんだけど…………。ま、いっか……」


 クラリスがそんな意味深なことを言った。

 とにかく、俺、クラリス、カナンの三人でこれから素材集めをしていくことになりそうだ!


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