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第3話 スライムのレアドロ!


 俺には攻撃力がない。

 そんな俺がスライムを倒そうと思ったら、なにか武器を装備しなきゃいけない。

 だけど、俺にはそんな装備を買う金もなかった。


 だから俺は、石を拾って投げたり、木の棒で戦おうとした。

 だけど冒険者ってのはそんなに甘くない。

 俺みたいな雑魚が防具もなしにスライムと戦うなんて、命がけだ。


 もし一発でも喰らえば致命傷になる。

 そのくせ、こっちは僅かな攻撃力しかない。

 石や木の棒でスライムを倒そうと思えば、数百数千回のヒットが必要だった。


 もちろん、そんなのは無謀な挑戦だ。

 たとえスライムの体力をある程度削っても、逃げられてしまったり、時間がたつと回復されてしまったりする。

 それでも、俺はあきらめずに何度も挑戦した。

 悔しかったから。

 いや、なによりそうしないと、俺は生きていけなったからだ。


「よし、あとちょっとだ……ついに追い詰めたぞ……!」


 俺は一匹のスライムをしつこく付け狙い、なんとか体力をミリまで削った。

 あと一回、石を直撃させれば、倒せるはずだ。


「ピキー!」


 しかし、相手も俺が紙装甲だということをわかっているのか、果敢に挑んでくる。


「おっと……!」


 俺は疲れた体をなんとか動かして避ける。

 もしスライムに直撃を喰らえば、俺はすぐに死んでしまうだろう。


「この命がけの戦い……! 癖になりそうだ!」


 なるほど、冒険者っていうのも悪くないかもしれない。

 まあ、俺ほどの弱さだとそれどころじゃないけどな……!

 それでも、俺は今の状況を楽しんでしまっていた。


「これで、ようやく俺は見返せるんだ! 俺にもスライムが倒せるって証明してやるんだ!」


 そう、俺にとってこれは、意地を通す戦いだ。

 自分の存在価値を認めさせる!

 スライムごとき倒せたところで、本当はなんにもならないのかもしれない。

 それでも俺は、引くに引けないんだ!


「うおおおおおおおおおおおおお! 当たれ!」


 その姿はまるでばくち打ちかなにかのようだった。

 俺は……賭けに勝ったのだ。

 俺の投げた石は、スライムの身体を直撃し、その残り少ない体力を削り取った。


「やったあ! スライムを! ついに倒したぞ!」


 すると、スライムの身体から、なにかが吐き出された。

 これがドロップアイテムというやつか。

 俺はモンスターを倒したことがないから、初めての経験だ。


「なになに……これは……?」


 ドロップアイテムを確認してみる。

 初めての戦利品だ。



《スライムナイフ》

レア度 ★★

ドロップ率 5%

攻撃力 5

説明 スライムに対してダメージが上がる武器



「おおお!? これってもしかして【レアドロップ】ってやつじゃないのか!? やっぱり俺は運がいいのかもしれない」


 まさか最初の一体から、こんなレアなアイテムが出るなんて……!

 相当ついているぞ!

 きっと今まで何回も苦戦してきたから、神様がくださったのだろうか……。

 とにかくこれで、俺もなんとか冒険者を名乗れるだろうか。


「もしかしたらこの武器なら、スライムを倒せるんじゃないか……?」


 俺はその青光りするナイフを手に取ってつぶやく。

 攻撃力のない俺でも、装備品を使えば戦えるかもしれない。

 ふつうの装備ならそれほどだろうが、これは明らかなレア武器だ。

 しかもスライムを倒しやすいという効果もついている。


「よし! ものは試しだ!」


 俺はさっそく、その足で二匹目のスライムを倒しにいくことにした。


「えい!」


 ――ズシャ!


「ぴきーー!」


 なんと驚いたことに、そのナイフを使えば俺でもスライムを2、3発で倒すことができた!

 きっと普通の人が使えば一発で倒せるだろう。

 だけど、これはすごいことだ。

 あの俺が、スライムを簡単に倒せてしまうなんて……!


「すごい……! このナイフはすごいぞ!」


 さらに驚いたことが起きた。

 俺が倒した二匹目のスライムも、同じく【スライムナイフ】をドロップしたのだ。


「あれ……? これって、同じ奴……? はは……まさかな……」


 そう、これは単なる偶然だと思った。

 レアドロップがそう何度も手に入るはずがないんだ。

 いくら俺が人より運が良くても……。


「マジかよ……!」


 しかしまたまた驚いたことに、三匹目、四匹目からも【スライムナイフ】が手に入った。


「これはもう……偶然なんかじゃない……!」


 もしかして俺は、倒せさえすればレアドロップが手に入るんじゃないか……?

 これなら俺でも、冒険者としてやっていけるかも……!?

 俺は僅かな希望が見えてきたことに、少しわくわくしていた。


「それにしても……このナイフどうしようか」


 最初の一本は記念に持っておくとして……。

 あとの数本は売ってしまうか……?

 これがどのくらいの価値あるものなのかはわからないが……。


 俺はとりあえず、何体かスライムを倒して、一度街に戻った。


「お、今日も倒せなかったのか?」


 門番が俺に言う。

 しかし、俺の返答はいつもとは違っていた。


「いや、今日は倒せたよ」


「マジかよ! ついにやったのか!?」


「ああ……」


「そいつはよかったなぁ」


 他にも俺を応援してくれていた人は、みんな喜んでくれた。

 これで少しは、俺に対する扱いも変わるかもしれない。

 とりあえず、俺は武器屋にいって、【スライムナイフ】を売ってみることにした。


「で、いくらで買い取ってもらえるんだ?」


「おいおいマジかよ兄ちゃん……」


「なにか……? 問題があるのか?」


 武器屋の親父は目を丸くして、汗をかきだした。


「これはどこで手に入れたんだ!?」


「いや……俺が倒した敵からドロップしたものだが……?」


「そうか。集めるのに時間がかかっただろう。【スライムナイフ】は貴重なレアドロ品だからな……。こんなにたくさん買い取らせてもらってもいいのか?」


「あ、ああ……問題ない。12本全部買い取ってくれ」


 武器屋の言い方によると、かなりのレアものらしいな。

 しかし、集めるのに時間がかかったということは、やはりそれだけドロップしにくいものなのだろうか……?

 まあ時間がかかったといえば時間がかかったのは間違いではないんだけど。


「よし、12本で24000G(ガレウス)だ」


「えぇ……!? そ、そんなに……!?」


「当たり前だ。貴重なもんには、それに見合った額を出すのが礼儀ってもんだ。それともなにか? まだ足りないか? まあ一本だけならもっと高くつけてもいいんだが。12本となるとなぁ……このくらいで勘弁してくれ」


「い、いや……いいんだ。これで十分だよ。ありがとう」


 これだけあれば、当分は食える。

 昨日までの生活が、嘘みたいだ。


「またなにかレアなものがあったらいつでも持ってきてくれ」


「あ、ああ……そのときは頼むよ」


 俺は驚くような大金を手にして、武器屋を出た。

 これからどうしようか……。


まずは読んでくださりありがとうございます!

読者の皆様に、大切なお願いがあります。


もしすこしでも、

「面白そう!」

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「期待できそう!」


そう思っていただけましたら、

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