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第190話 それから……


「ここはどこだ……?」


 俺は目を覚ます。

 よく知ってる天井だ。

 ここは、アルトヴェール城の中か。


 たしか、俺は魔王を倒し……そのあとは……?

 わからない。記憶が混濁している。


 俺は一度死に、魂だけの肉体になった。

 俺の身体は、どうなったんだ……?

 俺は自分の手を眺める。

 どうやら、元の身体に戻っているようだ。


「もう、すべては終わったのか……?」


 静かに起き上がる。

 身体が鉛のように重い。

 あれだけの戦いのあとだ。

 もう一生分寝ていたような気がする。


「俺は、戻ってきたのか……」


 自分が生きていることを実感する。

 俺は、魔王を倒し、無事に帰ってこれたのだ。

 魔界は崩壊し、世界に平和が訪れた。

 どういう仕組みかはわからないが、俺も元の身体に戻れたようだ。

 しばらく寝ぼけたままできょろきょろしていると……。

 部屋に、クラリスが入ってきた。


「ロイン……! 目覚めたんだね!」

「クラリス……」

「もう、3日も寝てたんだから!」

「そうなのか……? 心配かけて悪かったな……」


 俺は戦いの疲れで眠ってしまっていたようだ。


「みんな、ロインが起きるのを待ってたんだからね! 魔王を倒したお祝い、みんなでしようって」

「そうか、そうだな……。やっと長い戦いが終わったんだ。祝杯をあげないとな!」


 それから、俺は起き上がり、みんなと挨拶をかわした。

 みんな、俺が無事に戻ってきたことを称え、よろこんでくれた。


「さすがはロイン!」「さすがはロインさんだ!」

「ロイン王万歳!」「英雄ロインに乾杯!」


 それから、俺たちは浴びるように酒を飲んだ。

 みんなで集まって、大宴会を開いた。

 城をアルトヴェールのみんなに解放し、酒や食事をふるまった。


 ドレットにレドット、ベラドンナも一緒だ。

 グフトック、アレスター、モモカ、エレナ、ゲオルド、ケイン。

 カナン、クラリス、ネファレム、エスレ、ドロシー、サリナさん。

 みんなでテーブルを囲んだ。


「はぁ……一生分飲んだ……」


 とても楽しい時間だった。

 もうすべての戦いが終わり、俺はなにものにも縛られていない。

 とてつもない開放感だ。

 すべてが終わって、平和になった。

 なんてうれしいことなんだろう。


 夜通し飲んだあとで、俺は思った。

 そういえば、まだやり残したことがあるな……。


「なあ、クラリス。俺たち、まだアレをやってないよな」

「アレ……?」

「ああ、結婚式だ」


 そう、俺はクラリスやサリナさんを嫁に迎えておきながら、まだ挙式をしていなかった。

 魔王軍との戦いで、いろいろごたごたしていて、それどころじゃなかったからな。

 ということで、俺たちは結婚式を大々的に上げることにした。

 国をあげての、大結婚式だ。


 俺には今、嫁が複数人いる。

 一種のハーレム状態だ。

 クラリス、サリナさん、ドロシー、カナン、モモカ、エレナ、ネファレム。

 全部で7人ものお嫁さんだ。

 だから、結婚式も7人分、盛大にやらないとな。


 俺は国一番の仕立屋に、ウエディングドレスを注文した。

 国一番のお菓子職人に、ケーキを注文した。


 そして結婚式当日。

 俺は国中の人を集めた。

 アルトヴェール城を中心に、大量の人だかりができている。

 俺たちはそこを、パレードに乗って城まで凱旋する。


「ロイン王万歳!」「ロイン王おめでとうございます!」

「アルトヴェールに光を!」「アルトヴェールよ永遠なれ!」


 城までついた俺たちは、城の教会で誓いを立てる。

 みんなが幸せそうな顔で祝ってくれて、最高に幸せだった。


「それではロイン王、クラリス殿と、永遠の愛を誓いますか?」

「もちろん、誓います」

「サリナ殿と、永遠の愛を誓いますか?」

「誓います」

「ドロシー殿と、永遠の愛を誓いますか?」

「誓います」

「カナン殿と、永遠の愛を誓いますか?」

「誓います」

「モモカ殿と、永遠の愛を誓いますか?」

「誓います」

「エレナ殿と、永遠の愛を誓いますか?」

「誓います」

「ネファレム殿と、永遠の愛を誓いますか?」

「誓います」


 俺は7人の花嫁に囲まれて、挙式を終えた。


「みんな……本当にきれいだ」

「ロイン……」

「ロインさん」


 俺は7人の花嫁に順番にキスをした。



 ◆



 ――エピローグ――




 俺は、攻撃力がなかった。

 俺はなにもできなかった。

 だけど、ひょんなことから力を手に入れた。

 大いなる力には、大いなる責任が伴う。

 俺は、自分の力を正しく使えただろうか。

 きっと、正しく使えたよな……。

 そう、信じたい。


 世界は魔王に襲われた。

 俺は、魔王を倒し、世界を救った。

 その実感はまだわかないが、これから平和をもっとかみしめていこうと思う。

 俺にはなにもなかった。


 だけど、そんな俺も、確定レアドロップの力のおかげで、すべてを手にすることができた。

 優しくたのもしい仲間たち。

 俺は自分の国をもち、家族をもち、とても幸せを感じている。


 今では7人ものお嫁さんに囲まれて、毎日大変だけど楽しく暮らしている。

 そうだ、ちょうど、春にはサリナさんとクラリスとの間に、子供が生まれる予定だ。

 子供には、この平和になった世界で、幸せにすくすく育ってもらいたい。


 そうだな――。


 サリナさんとの子には、ロザーナと名付けよう。

 クラリスとの子には、キャロラインと名付けよう。

 どちらも、俺たち二人の名をとった形だ。


 ああ、本当に幸せだ。


 神様が俺にもたらした、一番のレアドロップは、この幸せだったのかもしれないな――。







 ――Fin.




============

【あとがき】


これにて物語は完結とさせていただきます。

最期までご愛読いただきありがとうございました。


月ノみんとの次回作にご期待ください。

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気が向いたときに追加エピソードSSなど書くかもしれないので、ぜひフォローはそのままで!


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