表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

183/195

第181話 ここは私に任せて先に行け


「ガストロン……!!!! 貴様、娘をどこへやった……!!!?」


 アイヴェツリークはガストロンをにらみつけた。

 しかしガストロンと呼ばれた巨人のほうは、なんのことかわかっていない様子だ。


「娘ぇ? 知らんなぁ」


 どうやら隠しているというわけでもなく、本当に知らないらしい。ガストロンの周囲に、娘の死体らしきものも見当たらない。もしかしたら、ガストロンの襲撃に気が付いて逃げたのか?

 アイヴェツリークは少しほっとした表情を浮かべた。


「よかった……どうやら娘は逃げたようだ。ガストロンには娘のことまではバレていなかったらしい」


 ガストロンがアイヴェツリークを待ち伏せしていたのは、俺との接触に気が付いたからか。


「それで、あいつは何者なんだ?」

「あいつは魔界将軍ガストロン。四天王を束ねる、魔界の最強種だ!」

「そうか……ならあいつも倒さなきゃな……!」


 俺は、今すぐにでもあの巨人を倒そうと、前に出る。

 魔界将軍であれば、遅かれ早かれ戦う相手だ。

 こうしてアイヴェツリークに釣られて出てきたのであれば、むしろチャンスというものだ。

 しかし、そんな俺をアイヴェツリークは制止した。


「待て……早まるな!」

「なんだよ……」

「今の君には無理だ。ここは私が倒す」

「は……?」


 今の俺には無理って、どういうことなんだろうか。

 正直、これまでのレアドロップアイテムのおかげで、負ける気なんてさらさらしない。

 そもそも、魔王を倒しにここまできたのだから、あいつなんかに苦戦してはいられないのだ。


「あいつは見た目もでかいが、それ以上に知能も高く、強いぞ。それに、君にはやってもらわねばならないことがあるだろう」

「娘か……」

「そうだ。とりあえずここは私が引き受ける。だからロイン、君はここを離脱して娘を探してくれ。おそらく娘の居場所は見当がついている」

「よし……わかった。そうまでいうなら、先に娘を探そう」


 アイヴェツリークがここまで言うということは、実際俺がガストロンに勝てる保証はないみたいだ。

 それなら、もう少し魔界でレアドロップアイテムを集めてからでもいいだろう。

 それに娘が心配だというのには、俺も同意だ。


「だが、それだったら俺がここに残って、アイヴェツリーク、あんたが娘を探してもいいだろう? あのガストロンとかいうやつは、倒してしまっても構わんのだろう?」

「いや、私なら確実にあのガストロンを倒せる。弱点も知っているからな。君には死なれては困るのだ。娘を、人間界に送り届けてくれるまではな」

「そっか……なら、本当にこの場は任せていいんだな?」

「ああ、ここは私に任せて先に行け。頼んだぞ」

「よし」


 俺たちの会話を、遠くからみていたガストロンが、しびれを切らす。

 どうやらガストロンは俺にもアイヴェツリークにも怯えておらず、余裕の態度を貫いている。

 目の前に敵がいるのに、襲い掛かってこないとはな。


「作戦会議は終わったか? 裏切り者のアイヴェツリークよ。なにをしても無駄だ。もう貴様らはここで死ぬ運命なのだからな……!」


 しびれを切らしたガストロンが、こちらに向かって走ってくる。

 超巨大なガストロンは、かなり遠くにいても姿が見え、声がきこえるみたいで……、思ったより離れた場所から走ってくる。

 ドスンドスンと地響きをたてながら、ガストロンの拳が俺たちに向かって振りかざされる。

 そのときだった、アイヴェツリークが魔法を放つ。


 ――シャイィンン!!!!


 アイヴェツリークから放たれた光線が、ガストロンの視界を奪った。


「うお……!?」

「ロインいまだ! 娘を探しに行ってくれ! 場所は伝えたとおりだ!」

「よしわかった!」


 俺たちは、アイヴェツリークから教えてもらった場所に、転移した――。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

《▼カクヨムで新連載はじめました▼》
  【続編】『アイテム至上主義!』~近未来のダンジョン都市NEOトーキョーで俺だけ【確定レアドロップ】な探索者生活~
ぜひ応援よろしくお願いしますね!確定レアドロップの精神的続編です!
  ▼▼▼ 大好評発売中 ▼▼▼
    ★画像タップで購入ページへ飛びます★
html>
《▼カクヨム版はこちらです▼》
スライムすら倒せない無能と罵られた俺のスキルが《確定レアドロップ》だった件。ようやく倒せた初めての一匹がきっかけで、ハクスラの連鎖が止まらない!世界最速で世界最強の勇者を追い抜きます
コメント欄解放中!先行公開!
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ