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第169話 贖罪の修行


 俺はグフトックを連れて城へ戻ってきた。

 グフトックはあれからずっと俺に礼を言ったりこびへつらってきたりで、正直気味が悪い。

 アレスのときもそうだったが、こいつはそれ以上に手のひら返しがすごいな……。

 まあ、俺としては上級鑑定を行ってもらえればそれでいい。


「じゃあグフトック。上級鑑定をやってくれ」

「…………あのー……ロイン王、そういわれても俺、そんなことできません……」

「まあ、そうだよな」


 今のはちょっとしたいじわるだ。

 冗談はさておき、まずはグフトックの力を目覚めさせる必要がある。


「よし、どうやるのかはわからないけど、とりあえず修行してくれ!」

「わ、わかりました! 俺、一生懸命ロイン王の力になって見せます!」

「うん、やる気があるのはけっこうだ……でも、敬語はやめてくれないか? 正直、お前にその口調で話されると鳥肌がたつ」


 なんてったってグフトックは俺を追放したり、殺そうとしてきたり、散々なことをしてきたような奴だ。

 そんなやつからこんな態度をとられるのは、違和感がすさまじい。

 まあかつてのグフトックとは違って、今のこいつはかなり痩せてるし顔つきも別人のように柔らかくなっている。

 だけど、俺としてもあまり仰々しく持ち上げられるのは好きじゃない。

 そのへんはアレスターたちにもさんざん言ったのだが、きいてくれないのだ。


「それはできません! 偉大なるロイン王の前で、俺はアリのようなちっぽけな男です!」

「そ、そこまでか……うーん、まあお前がそれでいいなら止めないけど……」


 やっぱり、王っていうのは孤独なものらしい。

 あとでクラリスに慰めてもらおう。


「よし、じゃあさっそく修行にとりかかってくれ。必要なものはそろえるから」

「わかりました!」


 グフトックが一刻も早く上級鑑定を手に入れられるように、俺も最善を尽くす。

 彼の健康面を考慮した食事を作らせ、部屋などの待遇も手厚く迎え入れる。

 数日のうちにグフトックは、みるみる以前のような活気を取り戻した。


「うおおおお! ロイン王の寛大な処置のおかげで、俺の力がみなぎってくるぜえええ!!!!」

「おお、それはよかった。でも、パワーだけじゃないからな。鑑定を手に入れるにはたぶん魔力的なセンスが必要だ」

「わかりました! 頑張ります!」


 返事はいいけど、本当にわかっているのだろうか……。

 ほかにもグフトックには、様々なレアアイテムを提供した。

 まずは魔力の種を食べさせ、スキルブックでいろんな魔法を覚えさせる。

 なにが上級鑑定の習得につながるかわからないからな。

 特定の複数の魔法を修練したものにしか得られない、閃きスキルというのもあるらしいし。


 それから、倉庫にあるレアアイテムをかたっぱしから鑑定させる。

 普通の鑑定を何回も続ければ、それが上級鑑定に進化するかもしれない。

 とにかく思いつく限りのことはやった。

 魔法が上達するレアアイテムや、眠らずに済むレアアイテムなど、とにかくありとあらゆる手を尽くした。

 グフトックは馬車馬のごとく働き続け、それから数週間が過ぎた。


「はぁ……はぁ……はぁ……くそ、どうしてなんだ……!」


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