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第163話 チェックメイト


「よう……」



「………………!?」




 声がして、ジェスタークが振り向くと、そこにはロイン・キャンベラスが立っていた。

 ロインは剣をジェスタークの首元に突きつけて、そのまま――。


 ジェスタークが敵だとわかると、ひと思いに引き裂いた。



「な、なぜ……!? なぜここにお前がぁあああああああああ……!?!?!?」



「転移――俺の転移はどこへでも行けるんだ。知らなかったか? 敵の情報収集が甘いな」



 そう、ロインの転移スキルは、この世界中、行ったことのないところでも、どこへでもいける。

 行きたい場所を想像すれば、地図などで見た場所に転移することができるのだ。

 ロインはまずユーラゴビスの土地に転移し、それから王城の場所を把握した。

 あとは王城に転移し、それからユィン王の部屋をつきとめ、そこに転移するだけだ。


 もちろん、そのことをジェスタークが知らぬはずはなかった。

 ロインのスキルなどは魔界にいながら水晶で何度も見ていたし、それに転移スキルのことも知っている。

 だが、まさか敵地に単独で乗り込んでくるとは思ってもみない。

 これは完全な油断だった。

 ロインが乗り込んでくるよりも、自分の結界を発動させるほうが早いと思っていたのだ。


 それに、ユィン王やジェスタークのいる場所は、巧妙にカモフラージュで隠されていた。

 この部屋の存在は、本来であればごく限られた人間しか知らない。

 だから完全に油断していた。

 想像の範疇外だったのだ。


「そんなぁ……!?」


 宙を舞うジェスタークの首が、そんな間抜けな声を出す。


 だが、ジェスタークはまだあきらめてなどいなかった。

 首が胴体から切り離されていながらも、彼の意識はまだはっきりとしていた。


「だが……結界はもうすでに完成している……!」


 ジェスタークは結界を発動させるべく、唱えた。


「大魔界結界――発動!!!!」


「なに……!?」


 すると、ジェスタークの元へ魔力が集中し始める。

 魔力をかき集め、いまいちど復活しようというのだ。

 しかし、ロインがそれを許さない。


「悪あがきだな……! 極小黒球(グラビトン)(EX)――!!!!」


「なに……!?」


 ロインが極小黒球(グラビトン)を唱えると、ジェスタークの首の横に、大きな黒い球体が現れる。

 極小黒球(グラビトン)は、本来ジェスタークが得るはずだった魔力を、吸引しはじめた。


 ユーラゴビス帝国全土から集まってくる魔力が、ジェスタークのもとではなく、極小黒球(グラビトン)へと吸い寄せられていく。


「そ、そんなばかなこと……!!!?」


「そんなに魔力が欲しいなら、くれてやるよ……!!!! 闇の右手(ダークネス)――!!!!」


 ロインはいつものように、闇の右手(ダークネス)で悪魔の右手を召喚し、極小黒球(グラビトン)をジェスタークごと握りつぶした。


 ――グシャア!!!!


 集められた魔力のパワーごと、ジェスタークの頭を粉砕したのだった!


「ぎやああああああああああああああああああああ!!!!」


 ジェスタークの断末魔は、ユーラゴビス帝国全土に響き渡ったという。


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