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第124話 扉の向こう


 今度こそ完全攻略するために、俺たちはサイハテダンジョンを再び訪れた。

 俺たちの目の前には、巨大な扉が立ちはだかっている。


「でも……鍵がかかってるんだよな……」


 まずは扉の鍵を探さなくてはならない。

 だが、本当に鍵なんてあるのだろうか……?


「とにかく探してみるしかないな!」


 俺たちはダンジョンの中を駆け回った。

 しかし一向にそれらしきものは見つからない。


「もしかして……ドロップアイテムとかなのか……?」


 いつものように、また俺のレアドロ能力が鍵となる可能性も考えた。

 しかし――。


「くそ……! ダメだ……!」


 モンスターを倒せど倒せど、鍵のようなアイテムは手に入らない。

 半ばあきらめかけていたそのときだ。


「ね、ねえロイン……これもう無理なんじゃ……?」

「いや……まだやってないことがある」


 俺にはある考えが浮かんでいた。


「クラリス、カナン……もう一度あの扉のところに戻るぞ」

「え……? でも、鍵は……?」

「いいから」


 俺たちはもう一度、扉の前に立つ。

 しかし、以前俺が引き返したときと、今の状況はかなり違っていた。


「ね、ねえロイン……どういうこと? 私たちにもわかるように説明してよ」

「俺は……この扉を壊す」

「えぇ……!? そ、そんなこと……! できるわけないよ! いくらロインでも……!」


 クラリスの言うことも最もだ。

 おそらくだがこの扉は、かなり頑丈にできている。

 それこそサイハテダンジョン以外では見たこともないような、特殊な素材でだ。

 きっと既存の武器なんかでは、びくともしないだろう。

 それに以前の俺でも、傷一つつけることはかなわなかった。

 だが――。


「俺は今、レベルアップとやらのおかげで、ステータスがかなり上昇している!」

「レベル……アップ……? そういえば、あの転生者を倒してからそんなこと言ってたね……」


 彼女たちにはまだ詳しく話していなかったが、俺は今そういう特殊な状況にあった。

 ただでさえ確定レアドロップという特殊体質なのに加え、今はレベルアップという規格外の強化能力まで手に入れてしまっている。


「ほら、俺のステータスを見てくれ」


 俺は二人に、自分のステータスを見せた。

 サイハテダンジョンの探索で、俺のレベルはさらに上がっていた。

 

――――――――――――――――

ロイン・キャンベラス(装備)

17歳 男 

レベル 14

ジョブ 勇者

攻撃力 14M(+34M)

防御力 14M(+34M)

魔力  14M(+34M)

知能  14M(+34M)

敏捷  14M(+34M)

魅力  14M(+34M)

運   28M★(+34M)

◆スキル一覧

・確定レアドロップ改

・限界突破無限成長

――――――――――――――――


「す、すごい……もうわけわかんない数字だよ……」


 それに加えて、俺にはさらに変わった部分がある。

 覇龍のペンダント――古龍の龍玉から、作ってもらったアクセサリーアイテムだ。

 この前ガントレット兄弟のもとで試し斬りをしたことからもわかっている通り、これはかなりの火力アップにつながっている。

 なんといっても会心率+五千%だからな。


 武器だって、今使っているのは破龍のつるぎ(ドラゴンスレイヤー)だ。

 なんでも斬れる最強の剣――それがただの比喩でないことは、今までの戦いが証明している。


 そんな今の俺が、本気を出せば――。

 あの強固な謎の扉でさえも、壊せるんじゃないか……?

 俺はそう考えた。


「で、でも……いくらなんでもそれは無理なんじゃない……?」

「そ、そうだよ……。私も危険だと思う……」


 クラリスとカナンは、そう言って俺の身を案じてくれた。

 サイハテダンジョンの扉を攻撃したら、いったい何が起きるのか――それはまだ誰も知らない。

 もしかしたら、そんなことをすればなにか危険な罠が起動したりするかもしれない。

 壊せたとして、破片が飛び散るかも。

 とにかく、これは危険な賭けであることには違いなかった。

 だが、賭け(・・)ということは――。


「大丈夫だ。俺はあいにく、賭けには負けたことがないんでね……!」

「ロイン……そう、だったね……! うん、私ロインを信じるよ!」

「ありがとうクラリス」


「うぇえ……わ、私も!」

「カナンも、ありがとう。危ないから二人は後ろに下がっていてくれ」


 クラリスはカナンを守るようにして盾を張った。

 二人が安全を確保したのを確認して、俺は剣を構える。


「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


 俺は一思いに、扉に剣をたたきつけた――。


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