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第111話 危機一髪!


 やつが俺に向かって走ってくる……!

 俺よりも高い敏捷性で、目にもとまらぬ速さだ。

 そして、やつは一突き、俺の腹に剣を突き刺した。


「ぐあ…………!!!!」


 俺の腹と口から、血が噴き出る。


「そんな……! ロイン……!」


 クラリスとカナンも俺を助けようとしていてくれたが、やはり間に合わない。


「はっはっは……! 僕に逆らった罰だ……! 死ね死ね死ね死ねぇええええ!!!!」


 男はなんども俺の腹に剣をぶっさす。

 だんだんと俺の意識が遠のいていく……。


「僕のレベルは800だああああ!!!! お前なんかに負けるわけないだろう馬鹿めええ!!!!」


 男は高笑いして、勝ち誇った表情を浮かべる。

 非常にむかつくやつだったが、俺はなにも焦ってなどいなかった。

 そう、これは俺の作戦通り――。


「おい、なにを笑っている……! 自分が死ぬとわかって気が狂ったか……!?」


 死にかけている俺に向かって、やつがそう言う。


「いいから……殺せよ……はやく……」


 俺は死にそうな中、なんとか喉を振り絞ってそう挑発をする。

 今は、時間を稼ぐのだ――。


「どうやら本当に死にたいみたいだなあああああ!!!!」


 男はもはや目の前の俺を殺すことに夢中だった。

 そして、挑発の甲斐もあって、やつは魔法を発動させる。


「僕の最強の攻撃をもって、君を殺してやろう……!!!! はあああああ!!!! 邪龍炎滅(ドラグ・)黒王波(リベリオン)――!!!!」


 やつの手から、最大級の攻撃魔法が放たれようとしている……!

 そして俺は、これを待っていた――!


「クラリス……! 今だああああああああ!!!!」

「は…………????」


 やつは目の前の俺に釘づけで、気が付かなかったようだが――後ろから、クラリスとカナンが迫ってきていた。

 そしてクラリスが、俺たちの間に割って入る。

 大きな盾を構えて、クラリスがカウンター魔法を唱えた。


巨大盾(ビッグ・ワン)――!!!!


 そして――


 魔法反射空間(ネメシスフィールド)おおおおおお!!!!」


 魔法反射空間(ネメシスフィールド)――対象範囲のすべての魔法現象を、相手に跳ね返す魔法だ。


「なん……だと…………!?」


 これによって、やつの放った攻撃魔法は――そのままやつ自身に跳ね返る――!!!!


 ――ズドドドオオオオオオオオオオン!!!!


「ぐあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


 クラリスの盾が、邪悪な魔法攻撃を跳ね返す!

 衝撃波は、大きな龍の形となって、男の全身を飲み込む。


 ――ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!


「うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


 やつの全身が焼けただれていくのがわかった。

 まさに断末魔の悲鳴だろう。

 俺たちのステータスで相手にかなわないのならば――やつ自身の能力でダメージを与えればいい。

 だが、そろそろ俺のほうも限界だった。


 俺は腹部を何回も刺され、出血も致死量ギリギリだった。

 もはや時間の問題で、俺は死ぬしかなさそうだ。

 まあ、それも俺の作戦のうち――予想通りの展開ではあるのだが――。

 やはり死ぬというのは苦しいし、クラリスやカナンの悲しむ顔を見るのはつらい。


「ロイン…………!!!!」


「大丈夫だ……俺は不死鳥の首飾りをつけている……だから死んでも大丈夫だ……」


 そう、サイハテダンジョンにて、ボストロール戦で手に入れたドロップアイテムだ。



《不死鳥の首飾り》

★1000

ドロップ率 なし

説明 装備した人間が死ぬと、一度だけ、生き返ることができる。その後、この首飾りは破壊される。



 これを装備しているおかげで、俺は一度だけなら死んでも蘇ることができる――はずだ。

 まあ、半信半疑……一か八かってところだが。

 正直、いくらそういうアイテムだからといって、信じられないという思いもあるのだ。


 俺は最後に、死ぬ前の力を振り絞って、こうつぶやいた。


「転移――――」


 そして俺たち三人は、再びサイハテダンジョンへと転移した。


皆様いつも応援ありがとうございます。


このたび本作の書籍化が決定いたしましたことをご報告いたします。


続報をお待ちください。


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