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転生騎士の英雄譚  作者: 青空
騎士予備校
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79 悩み事

お読み頂きありがとうございます!

ブクマ、評価、感想は気が向いたときに。

で、現在俺を悩ませているのが、


「「ジェフリー先輩! ぜひ俺と(僕と)勝負してください!!」」


これである。


マリウスと摸擬戦をしてからというもの、俺に勝負を挑んでくる(やから)(主に後輩)が大量に現れた。


彼らが言うには、この間の摸擬戦を見て大変勉強になったので、ぜひとも一手の指南をお願いしたいとのこと。


俺は面倒臭く思い、


「教官たちに教わったほうがいいぞ」


と言ってテキトーにあしらうが、彼らは、


「最後の()()()が目に焼き付いて離れないんです!! どうか教えて下さい!!」


などとのたまって俺を持ち上げてくる。


「仕方ないな・・・」


我流の技を褒められて少しだけ機嫌がよくなるダメ少年、それが私、ジェフリー・カーティスという男なんです・・・。



そんな感じで最初は気軽に相手をしてあげていたのだが、ここ最近は自分の軽率さに少しだけ後悔していた。


どうやら後輩たちの間で、俺と勝負すると剣の腕が上がる、などという訳の分からない噂話が広まっているようで、次から次へと俺に勝負を挑んでくるのだ。


そして困ったことに、彼らはところ構わず襲ってきて、寮の食堂や校内の廊下、終いには風呂にまで現れる始末。はっきり言ってしまうと、物凄く迷惑している。


まるで命を狙われる悪徳貴族にでもなったような心地だ。


俺、何も悪いことしてないよね!?


さらに面倒なことに、こんなことを言う奴らまで現れだした。


「ジェフリー師匠! ぜひ弟子にしてください!!」


「親分! 俺を舎弟にしてください!!」


弟子は取らんし、舎弟もいらん!


俺はそう答えてさっさと追い返そうとするのだが、奴らは決まってこう言ってくる。


「え、でもカフス先輩は・・・」


「ザッシュ先輩は・・・」


カフスは勝手に言っているだけだし、ザッシュはばんけ・・・じゃなくって冒険者仲間だ。決して弟子でも舎弟でもない。対等なクラスメイトたちである。


そう、たとえ奴らの前に立ち塞がり、


「師匠と戦いたければ、まず僕を倒したまえ!」


とか


「ジェフの邪魔すんな。俺が相手になってやる!」


とか言って、後輩相手に凄んでいたとしても・・・。



それから、最近気が付いたのだが、クリスの様子がなんだかおかしい。


俺が話しかけるといつも通り溌剌(はつらつ)とした返事をしてくれるのだが、ふとした時に顔を向けてみると、何か考え込んでいるような難しい顔をしている時があるのだ。


「どうした? 大丈夫か?」


と問うても


「え? あ、うん。大丈夫だよ」


としか答えない。


明らかにマリウスの登場がきっかけっぽいのだが、俺にはどうにも分からない。


単にライバル視しているだけだよな?


「マリウスは強い。摸擬戦を見てもジェフ君とほぼ互角の実力だった。今のボクでは倒せそうもないし・・・でもこのままじゃジェフ君がはなれ・・・・ボクはどうしたら・・・」


小声すぎてよく聞き取れないが、ブツブツ言っている独り言の中に俺の名前と“マリウス”という単語が出てくるので、おそらくそうだと思うのだが・・・本当に大丈夫だろうか。


俺はモヤモヤとした気持ちを振り払おうと、何となく窓の外に視線を投げる。


晴れた空の向こうには薄っすらと灰色がかった雲が浮かんでいるのが見えた。


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