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転生騎士の英雄譚  作者: 青空
初めての街
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28 冒険者登録完了

俺の熱い視線に気づいたのかは不明だが、パイさんはこちらを見るとひとつ頷き微笑んで受付嬢ケイトさんのほうをへ話しかけた。


「ところでケイト、ジェフ君の冒険者登録試験についてなのだけれど・・・」


「ああ、それならパイさんが推薦人というかたちで申請してくだされば大丈夫ですよ!Bランク冒険者の推薦なら信頼性も十分ですし。っと、そういえば、ファングボアの討伐経験がおありでしたね。ジェフさん、何か証明になる素材などはお持ちですか?お持ちでしたらそちらを拝見させて頂くだけでも構いませんが。」


「実は、魔石は討伐時に砕いてしまって・・・その他の素材でしたら毛皮とお肉が。えーと、たしかこのへんに・・・ありました!こちらです!」


「・・・はい!確かにファングボアの毛皮になりますね!ついでにこちらで買い取りさせて頂いてもよろしいですか?」


「そうですね。今のところ使い道もないですし、旅費の足しになるなら買い取りをお願いしたいです。」


「承りました。少々お待ちください。」


ケイトさんはそう言うとファングボアの毛皮を持ってカウンターの奥へと引っ込んだ。


しばらくして、ケイトさんは硬貨の詰まった布袋を持ってきた。


「それではこちらが、素材の買い取り金額になります。」


布袋には小金貨が4枚に銀貨が7枚、青銅貨が5枚入っていた。

ざっと47500リアである。


売却したのはファングボア5頭分の毛皮だから、手数料を引かれていることを考えると、1頭あたり10000リア程度か。


う~む。魔石を回収できていれば、結構な額になりそうだったな。


頭の中でお金の計算をしていると、ケイトさんがこう続けてきた。


「ジェフさんは解体の経験がおありでしたか?今回買い取らせて頂いた毛皮はどれも綺麗に剝がれていて、処理の仕方も良かったので、高めの金額で買い取らせて頂きました。冒険者の中でも素材の剥ぎ取りは苦手な方って意外と多いですから、鑑定担当者も驚いていましたよ!」


「そうですね。俺の家はここからさらに南の辺境にあるんですけど、幼い頃から周辺の森で狩りをすることもしばしばありましたので、採取した動植物の処理についてはある程度やったことがあります。」


「なるほど!それなら安心ですね!」


そう言ったケイトさんは、なぜか俺ではなくパイさんのほうを見て微笑んでいる。


ここはとりあえず、スルーしておこう。


「それからジェフさん。先ほど鑑定担当から、お預かりしたファングボアの毛皮はここ数日中に採取されたもので間違いないとのお墨付きを頂きましたので、これをもって魔物討伐証明と致します。なので、登録試験を別途受けて頂く必要はございません。」


よかった~。これで即冒険者登録できそうだ。


続けて、ケイトさんは俺に冒険者証となる首飾りを手渡してきた。


「それでは、ジェフさん。こちらがFランクの冒険者証になります。先ほどもご説明しましたが、紛失・盗難による再発行はできませんので、肌身離さず身につけていてくださいね!」


さて唐突ですが、皆さん。


俺はここでようやく、あることに気が付きました。


それは、受付が全員見目の麗しい女性である理由についてです。


今、俺の目の前には、容姿の整った可愛らしい女性が、その両手で首飾りを持ち、にっこり微笑んで差し出しています。


さらに!俺に向かってこう言うのです!


『私だと思って(妄想)肌身離さず身につけていてくださいね!』と!


思わず惚れちゃ・・・うまではいかなくても・・・嬉しい気持ちになるのは抑えられません。


というわけで、俺はそれを満面の笑みで受け取ろうと思います。


「ケイトさん、本当にありがとうございます!」


「・・・ぽっ」


「ジェフ君の笑顔。満点!」


ケイトさんは俺が大声を上げたからちょっと恥ずかしがっているみたい。


パイさんはよく分からないことを言っているからスルーしておこう。


まあ、これでなんとか冒険者登録完了だ!


父さん、俺も今日から冒険者(Fランクだけど)です!


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