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転生騎士の英雄譚  作者: 青空
初めての街
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26 冒険者登録しよう

パイさんに連れられてやってきた冒険者ギルドには、すでに多くの冒険者がいた。


当然ビキニアーマーの美女は目立つようで、周りの目線が釘付けとなっている。


ただ、さすがに声をかける勇気はないのだろう、遠目で見てくるばかりで声をかけてくる冒険者は全くいなかった。


まあ、彼らではBランク冒険者で確かな実力者である彼女にはついていけないだろうな。


などと生意気なことを考えながらパイさんについていくと、カウンターが5つ並んだ受付に到着した。


やはりというか、定番(?)というか、冒険者ギルドの受付は全て女性。

しかも、見目の麗しいおねえさんばかり。


パイさんが向かっていったのはその中の一人、非常にふわふわした感じの受付嬢のところだった。


ふわふわなのは雰囲気だけではない、なんと頭にふわっふわの物体がのっかっているのだ。おまけに背後にひょっこり見え隠れするモフモフも見える。


そう、彼女は獣人族なのだった。


その特徴的な耳と尻尾以外は人族のそれだが、逆にそのおかげでチャーミングな耳と尻尾が際立って見え、とても可愛らしい。


獣人族については、当然父さんから聞いているし、ここに来る途中でも何人も見ているので驚くことはない。


それにガレーリア王国内には、人族と獣人族の二種族が暮らしており、種族による差別やそれに類する発言や行動の一切が禁じられている。


まあ、獣人族といっても様々で、犬や猫、羊やウサギのようなタイプから魚や鳥のような特殊技能を備えたタイプまで多種多様に存在するらしいが、基本的に見た目もほぼ人族と同じだから全く気にならない。


むしろ、そのチャーミングな見た目はとても魅力的に見える。


なんだかこう、モフモフしたくなるというか・・・


ちなみに、本人の許可なしに触るのは当然セクハラ行為とされ、即処罰対象だ。諸君も気を付けよう。


ということで、目の前の女性は非常に可愛らしい犬型(?)の獣人族である。


俺が受付嬢に目を奪われている間に、パイさんは慣れた様子で受付嬢のもとへ。


「いらっしゃい!パイさん!今日はどうされたんですか?」


「ええ、実は将来有望そうな面白い子を見つけたからスカウトしてきたの。どぉ?」


受付嬢は俺のほうを見ると、にっこり微笑んで一礼。


「初めまして!冒険者ギルドウラノス支部で受付嬢をしている、ケイトって言います!」


「初めまして。ジェフって言います。パイさんとは先ほどお会いしたばかりですが、冒険者活動に興味があって、冒険者登録をしに来ました。お願いできますか?」


「本日は冒険者登録のお手続きですね。かしこまりました。それではこちらの書類に必要事項の記入をお願いします。」


ケイトさんはカウンター裏から一枚の申請書を出してきた。

申請に必要な記入事項は


①氏名

②年齢

③性別

④職業

⑤魔物討伐経験の有無


の5つだった。


随分あっさりしているけれど、まあ冒険者になる人なんて色々な事情を抱えた人が多いだろうから、これくらいがいいのかもしれないな。


とりあえず、


①氏名:ジェフ

②年齢:10歳

③性別:男

④職業:剣士

⑤魔物の討伐経験:ファングボアの討伐経験あり


こんなところかな。


「記入終わりました!」


俺は必要事項を記入した申請書をケイトさんに渡した。

ケイトさんとパイさんが申請書を検めはじめる。


「「どれどれ。」」


するとどうだろう、ケイトさんもパイさんもとても驚いた顔になった。


あれ?おかしい。


ちゃんと貴族ばれしないように、フルネームは書いていないし、名乗ってもいない。


年齢も嘘偽りなく10歳だ。


とすると、驚かれたのはファングボアの討伐かな?


この年齢であんな大きなイノシシ、もといファングボアの討伐ができるのは珍しいのかもしれない。


「ジェフ君。あなた・・・とっても字が綺麗なのね!」


そっちかーい!


俺は、騎士を目指そうと決めた5歳の頃から、ウチで一番字が綺麗な母さんに文字の読み書きを習っていたし、その母さんからは貴族たるもの綺麗な字を書けるのが当たり前です、と厳しく教えられていたからね。


ちなみに、父さんも当然読み書きはできるが、字は汚かった。

騎士なのに・・・。


まあ、そんなわけだから、特に気にしていなかったのだ。

まさかこんなに驚かれるとは思わなかった。


ちょっと落ち着かない気分だ。

先ほどからパイさんとケイトさんがコソコソと話しているし。


「・・・パイさん。この子、一体どこの子ですか?こんなに綺麗な字が書けて、おまけにこの年齢ですでにファングボアの討伐ができるほどの実力があるなんて、普通じゃないですよ?」


「・・・し、知らないわよ。私もさっき会ったばかりなんだから。」


「「・・・」」


「ま、まあいいじゃない!実力があって、紳士で、字も綺麗で、将来有望な男の子よ!」


「そ、そうですね!わ、わーい!有望な新人君ゲットですー!」


二人は、なんだかぎこちない笑い方をしている。


よくわからないが、歓迎はしてくれてるっぽいから、まあいっかな。


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