ジェフとの出会い~パイ視点~
どうしても書きたくなってしまったので。
お楽しみ頂ければ幸いです。
私はパイ。ソロで冒険者をしているわ。
こう見えても冒険者ランクはB、高ランク冒険者と呼ばれるレベルにある。
ただ最近、自分でも限界を感じているところなの。ソロでは活動の範囲にも限界があるし、これ以上強い魔物となるとさすがに私一人ではどうしようもない。
パーティーを組もうにも寄ってくるのは下品で低レベルな男連中ばかり。そりゃあ私が魅力的すぎるのも問題だと思うけれど、もうちょっとこう、マシなのはいないのかしら。
出来れば若めで将来有望そうな好青年もしくは少年でも可!
まあ、冒険者をやっているくらいだから、期待はできないわよね・・・
はぁ~あ。どこかに落ちてないかなぁ~。
・・・なんて思っていたら、目の前から美少年が!しかもなにあの立ち姿。
見た目はまだ少年って感じだけれど、相当な手練れに違いないわ!
決して逃す手はないわね、ここは、いっちょ逆ナンよ!
私が美少年に近づいていくと、向こうもこちらに気が付いたみたい。
私の動きを細かく観察するような鋭い視線を感じる。
すでに私の力量をある程度測ったのだろう、凄い観察眼だ。
これは将来有望ね!(冒険者としても男としても)
せっかくだし、こちらも利用させてもらおうかしら。その視線。
「うふふふ。どうしたの~ぼくぅ?そんなに嘗め回すように見られたら、おねえさん恥ずかしいわぁ。」
「い、いえ。おねえさんが綺麗だったので、つい・・・」
うん。可愛い。
ちょっと赤くなって照れているところが、もうたまらないわ。
それに、こんな美少年に褒めてもらえるなんて最高!
思わず素で喜んじゃったじゃないの!
「あらあら、嬉しいこと言ってくれるわね。うふふふ。」
「お、おねえさんは冒険者の方ですか?」
きっとこれは分かってて聞いているわね。
いえ、もしかするとビキニアーマーが気になっただけかしら・・・
「そうよ。これでも一応、ソロで冒険者やっているの。」
「へぇ~。ソロで冒険者なんて凄いですね!」
素直!そして可愛いいいい!
凄いですねって言ったときのあの表情。
もう太陽のように輝いていたわ。
眩しすぎて尊い。
「うふふふ。ありがとう。ところであなたは新人君?・・・にしては・・・手練れって感じだけど・・・」
「俺はジェフって言います!騎士を目指して王都に向かうところなんですけど、その前に知り合いの冒険者に会いに行こうかと思いまして。」
そ、そうだったの、道理で逞しい身体つきだと思ったわ。
はぁ~~~~~残念ね。
仲間になってくれたら、おねえさんが冒険者のあーんなことやこーんなことを手取り足取り教えちゃおうかと思ってたのに・・・玉砕だわ。
「・・・あ~。なるほどね。それは残念、せっかくだからパーティーにでもお誘いしようかと思ったのに。」
私は悲しそうな顔を彼に向けてみる。
すると、
「パーティーはごめんなさい。でも、冒険者活動には興味があるので、良かったらご一緒させて頂けませんか?報酬はいりませんので。」
キター!まさか、今の儚げな憂い顔が効いた?
しかもチョー紳士!なんていい子なの!
この子を育てて、私好みのイケメンに、そしてあわよくば・・・なんて妄想を抱いてしまう今日この頃です。
で、でもちょっと待って!
この子、騎士になるために王都に行くって言っていたわ。
そんな時間ないんじゃない?
「でも、王都に行くのよね?馬車の出発日時は大丈夫?」
「馬車が出るのは明後日ですから、明日ならご一緒できます!」
キター!明日はデートよ!
ここで私が女を見せて粉をかけておくの!
そうよ!どうせならこれを機に仲良くなって王都まで付いて行っちゃいましょう。そうすれば王都でも一緒に冒険者活動ができるし、王都散策という名のデートもし放題じゃない!
そうと決まれば善は急げね。
「それなら、明日一緒に魔物の討伐に行きましょう!そうと決まれば、まずは冒険者登録をしに行かないとね。っと、自己紹介がまだだったわね、私の名前はパイ。これでも一応Bランク冒険者よ。」
私は上機嫌でジェフを冒険者ギルドに引っ張っていった。




